読者が「おっ!」と思うような刺激的なタイトルを付けるけど、でも内容は想像を裏切るガッカリな記事を「見出し詐欺」なんていう。
たとえばこれはスポーツ新聞にあった見出しだ。
台湾のピストル選手、生足ショーパンで引き締まった美脚を披露!「最高に美しい」「女神」
東京五輪のピストル競技にも出場した若い台湾人女性がSNSに、自分のショートパンツ姿の写真を投稿した。
…という文章はあるけれど、肝腎のその写真がない。
それでネットでは「画像なしとかまじ無能」とか、「だまされた」といったすさまじい怒りがうず巻いた。
でもまぁ百歩譲ってスポーツ新聞ならいいとして、全国紙でこんなことが通常運転になっているとしたら問題だ。
さて韓国メディア・中央日報にこんな記事がある。(2021.09.17)
日本の水産物原産地違反、福島以降最多…60%は韓国産を偽る
韓国に水産物を輸出している日本企業が原産地を偽って、約60%を「韓国産」と表記した事例が2011年の福島原発事故以来、ことしが最も多いことがわかった。
国内に広がる「福島の放射能汚染」の恐怖から、日本産は売れなくなったからこんな偽装をしたという。
って思うじゃないですか、この見出しだと。
でも産地を国内とウソをついたり明確にしなかったのは、日本の水産物を輸入している韓国の会社で、記事を見る限り、この産地偽装に日本企業はまったく関与していない。
摘発件数を見ると2016年の110件を除けば2012~2018年まではずっと2ケタ、2019年になってから3ケタを超えるようになった。
そして2019年が137件で過去最多となり、今年は1~8月ですでに139件とこれを超えている。
それを「日本の水産物原産地違反」と表現するのどうなのか。
「日本水産物の原産地違反」ならまだしも、これだと韓国企業がしたこととは分からない。
読者の反日感情を刺激して、記事を読ませようと仕向けるこのタイトルの付け方は「見出し詐欺」と言っていいほどムゴイ。
いや韓国企業を隠した「見出し偽装」か。
個人のブログやユーチューブ動画じゃなくて、韓国ではこんなふうに全国紙が日本を悪者にしたり、ほかにも小さなマイナスを極端に大きくするようなネガティブ報道をよくする。
去年3月、東京五輪の延期が発表されたとき、朝鮮日報はこんな見出しで報じた。(2020/03/29)
東京五輪で未来技術「自慢ショー」…安倍の夢が挫折
世界中の注目が集まるオリンピックを、日本企業がもつ3D映像や人工知能(AI)などの先端技術をアピールする「日本の未来技術のショーケース」にしようと政府は考えていた。
それを「自慢ショー」と書くのが韓国メディア。
でもそれができなくなって「日本の主要企業が泣いている」し「安倍の夢が挫折」したという。
韓国メディアのこういう通常運転は、日本だったらありえない。
日本企業のした産地偽装を朝日新聞が、「韓国の水産物原産地違反、過去最多」と報じることはない。
五輪開催を断念してショックを受けている韓国に、読売新聞が「『自慢ショー』…文の夢が挫折」なんて見出しをつけることもない。
とにかく韓国を悪く書く、いわゆる「嫌韓ニュース」なら日常茶飯事。
その国のあらゆるメディアのなかで、最も中立公平な表現が求められるのは全国紙だから、日本に対するこういう見方や言い方が韓国社会のスタンダードになってしまう。
中国やアメリカに対しては、こんな失礼な報道を見た記憶がない。
国民感情に迎合した韓国メディアの表現が、日本人を不必要に怒らせることはよくあって、こういう小さな積み重ねが地味に日韓関係を悪化させている。
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