韓国メディア・中央日報にこんな記事があるってことを前回に紹介した。(2021.09.17)
日本の水産物原産地違反、福島以降最多…60%は韓国産を偽る
こう書いてあるけど、日本の水産物を「国内産」と産地偽装をしたのは韓国企業だ。
こんなズル行為はどこの国でも許されないのは当然としても、今回のケースでは、一方的に韓国企業をたたくのはかわいそう。
この背景について、記事の中で韓国の議員が次の2点を強調した。
1、日本政府の福島原発汚染水放出決定で、日本産水産物に対する国民の懸念が深い。
2、水産物食品の安全性確保のための政府の対策づくりが切実。
なるほどなるほど。
だが待ってほしい。
この主張には自作自演や自己矛盾があると思うのだが?
まず韓国に輸入されている日本の水産物については、韓国の専門機関が「安全」のお墨付きを与えている。
中央日報の記事(2020.12.24)
日本産水産物と海水、釜山で放射能検査…「すべて適合」
日本政府が福島原発から出る処理水の海洋放出を発表してから、韓国では日本産食品に対する懸念が広がった。
それを受けて釜山市の保健環境研究院が、スーパーや百貨店などに流通する日本の食品218件に放射能検査を行った結果、すべてで適合判定が出た。
また魚を輸送するときに使う日本の海水も調べたところ、「韓国の海水放射能濃度と大きな差はなかった」ことが明らかになったという。
福島原発の処理水放出については、韓国ではメディアや政治家、市民団体がこんなふうに繰り返し恐怖をあおっていたのは記憶に新しい。
中央日報日本語版の記事(2021.04.10)
日本、結局は海に汚染水放流へ…恐怖広がる韓国
中央日報日本語版の記事(2021.04.14)
韓国首相「日本の汚染水放出は無責任な決定…もう一つの歴史的過ちを犯すこと」
ハンギョレ新聞の記事(2021-04-26)
京畿道知事「日本の汚染水、命がけの闘いが始まる」…輸入水産物の放射能検査拡大
*京畿道のイ・ジェミョン知事はいま次期韓国大統領の最有力候補者。
ハンギョレ新聞の記事(2021-04-13)
「日本の福島原発放射能汚染水放流は“核テロ”…撤回せよ」
これと正反対の反応を示したのが、韓国の専門家集団だ。
海洋水産部(日本なら省に相当)や原子力安全委員会などでつくる合同タスクフォースは、福島原発の汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能は「問題はない」と判断し、日本の対応は問題なしと結論付けた。
聯合ニュースの記事(2021.04.15)
汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書
「日本政府の福島原発汚染水放出決定で、日本産水産物に対する国民の懸念が深い」と言うけれど、韓国の政府や政治家は自国の専門家の見解を国民に伝えようとせず、むしろそれを隠して根拠のない危険を大声で叫んでいた。
首相は「もう一つの歴史的過ちを犯す」とまで言う。
それによって「国民の懸念」が深くなったのだから、「恐怖広がる韓国」はもう自作自演と言っていい。
「水産物食品の安全性確保のための政府の対策づくりが切実。」についても、口ではそう言っているだけで、政府がやっていることはこの反対。
日本の「放射能汚染水」が危険というのなら、国民の健康を守るためにも韓国政府は海洋汚染の研究に力を入れないといけない。
でも実際には、この分野を大して気にしていないらしい。
FNNプライムニュース(2021年9月10日)
日本で海洋放出案が検討されていた2018年からの5年間で文政権が確保した研究予算はわずか3600万円。これは、朴槿恵政権時の5分の1以下です。
政治的“反日”の証拠か…韓国が研究費を削減 中国の「共同富裕」に異例の事態【世界イッキ見】
韓国政府は、福島原発の処理水放出は実は問題ないと知っているけれど、これを「汚染水」と言い換えて危険をあおり、反日感情を政治的に利用しているだけだろう。
「命がけの闘いが始まる」と言いながら、そのための予算は減らしていた。
こういう自己矛盾を平気でする政治家が韓国にはいる。
政治やメディアが科学的・現実的には存在しない恐怖をつくり上げて、国民に強調するから日本産食品は売れなくなって、韓国企業は産地偽装に手を染めた。
これで罰を受けるのは力のない人たちだ。
「福島以降最多…60%は韓国産を偽る」の共犯者はたくさんいる。
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