【日本歴代1位】ツタンカーメン王とファラオの呪いって?

 

芸術の秋ということで、まずは芸術クエスチョン。
日本の美術館で開催された展覧会で、最も多くの入場者を集めた企画はなんでしょう?

まず3位は1964年の「ミロのヴィーナス展」で約172万人。
2位は2012年に行われた「ツタンカーメン展」で約208万人。
*入場料は一般・週末で3000円だったのに、これだけの人を集めたのだからスゴスギ。

でも上には上がある。
2012年の「ツタンカーメン展」を抜いて日本の美術展史上、総入場者数で1位を記録した展覧会がコレ。

 

画像:MykReeve

 

1位は1965年に開催された「ツタンカーメン展」の約295万人。
ツタンカーメンの黄金のマスクを目玉にした展覧会で歴代1位・2位を記録したというのだから、日本人は一体どれだけ古代エジプトが好きなのか。

ツタンカーメンは紀元前14世紀ごろのエジプトのファラオ(王)。
身長165cmといまの日本人に近いこの王は19歳で亡くなったと推定される。
ちなみにツタンカーメンの父親は、高校世界史でならうアメンホテプ4世だ。
エジプトの信仰をそれまでの多神教から、アトン神だけを崇拝する一神教に近いものに変え、首都を王朝発祥のテーベからアマルナへうつした。
ツタンカーメンは父親によるこのアマルナ改革を否定して、首都をアマルナからテーベに戻したという。

1922年に「王家の谷」でこの王の墓が発見され、黄金のマスクなどの副葬品がほぼ完全な形で出土し世界的なニュースとなる。
このマスクに決定的な付加価値を与えたのが「王家(ファラオ)の呪い」だ。
(ツタンカーメンの呪いとも)
王家の墓をあばいた者は呪われるという言い伝えがエジプトにあり、ツタンカーメンの墳墓から王のミイラをとりだしたカーナヴォンや、発掘に携わった人たちが次々と急死した。
…という話を「ファラオの呪い」として多くのメディアが伝えたんだが、直接の関係者で実際に急死したのはカーナヴォン(発掘の6週間後)だけ。
「ファラオの呪い」のパワーワードでかなり面白おかしく、センセーショナルに脚色されたのだろう。

とにかく圧倒的なヴィジュアルとこの都市伝説で、3000年の眠りから覚めたツタンカーメンの黄金のマスクは全世界ですさまじい知名度と人気を手にした。
日本の歴代1位2位を独占したことも納得。

 

画像:Jerzy Strzelecki

 

このマスクにあるコブラはウアジェトという、エジプト神話にでてくる守護女神。
いまにも襲ってきそうなこのコブラの姿はウラエウス(語源は「立ち上がったコブラ」)と呼ばれるもので、古代エジプトの王権や神性を象徴する。

あ、このあとツタンカーメン王のミイラが出てくるんで、お覚悟を。

 

 

 

 

 

日本での人気は時代を超えて不動。
少しまえまで静岡で「古代エジプト展」が開かれていた。

 

 

 

 

古代エジプトの魅力に国境はない。
知人のスリランカ人もこれを見に行って、ポーズをつけて写真を撮ってSNSにアップ。

 

 

スリランカのシンハラ語の文章はグーグル翻訳しても意味がヨクワカラン。

ටෝකියො යනවා කිව්වාලු.කට්ටියට සෙට් වෙමු කිව්වලු.හැම එකාම බිසි වෙලාලු.මම එයාලට හම්බෙන්න තරම් පොරකුත් නෙවේලු.

でも古代エジプトを満喫したのはわかる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。