始めの一言
「(日本では)名誉は富よりずっと大切なものとされています
(フランシスコ・ザビエル 戦国時代)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
ウィキペディアから
海外旅行の不安はなにか?
やっぱり、「安全」と「言葉」でしょ。
2014年4月マイナビニュースに、そんなアンケート結果がのっている。
まず、海外旅行で不安に思うことについて質問したところ、最も多い回答は「現地の治安」(55.0%)だった。
2位は「盗難などの犯罪トラブル」(50.9%)、3位は「言葉が通じないこと」(42.6%)となっている。衛生面や急な病気やけが、貴重品の紛失を不安に感じている人も多かった。
この1位と2位はほぼ同じことだから、たくさん人が安全と言葉に対して不安を感じていることがわかる。
海外旅行で、英語が通じなくて困った!
という経験なら、英検2級のボクは何回もしている。
たとえば、エジプト旅行でのこと。
エジプトの首都カイロで3人の日本人旅行者と知り合って、車をチャーターしていくつかのピラミッドをまわることになった。
ちなみに、エジプトの首都カイロは「勝利の都」という意味です。
早速カイロの旅行会社に行って、ドライバーつきで車の手配をお願いする。
そのことと行ってほしい場所を、何とか英語で言ってみた。
「ああ?」と、 受付のエジプト人女性は難しい顔をしている。
ボクのカタカナ発音の英語はわかりづらいけど、金を払ってくれる客だからなんとか内容を理解しようとしてくれている。
のだと思っていた。
彼女はボクの話の途中で、「はっ!」と何かに気づいて目を丸くする。
そして大きな声でこう言った。
「あなたは今、英語を話しているのか!」
これには、こっちが驚いた。
このエジプト人は、「何を話しているのか?」ではなくて、「どの言語で話しているのか?」を考えていたらしい。
自分は英語が苦手だと思っていたけど、まさか「アイ・ウォント・トゥ・ゴー」の発音まで通じないとは思いもよらなかった。
これはがっかりというより、もう屈辱。
結局、「あなたが何を言っているのかわからない。ここに書いて」と紙とペンをさし出された。
当たり前だけど、書けば通じる。
「アイ・ウォント・トゥ・ゴー」と言っても通じなかったけど、「I want to go」と書けばわかる。
「自分が身につけたのは、やっぱり受験英語だったんだなあ」
と、カイロで実感。
サッカーラのピラミッド
これを見に行った。
海外旅行で英語が通じなかったことは他にもある。
オーストラリア人と話をしていて、こんな質問をしてみた。
「オーストラリアにはチップの習慣がありますか?」
でも、この「チップ」の発音がまったく相手に通じない。
「チップ!だから、チップだって」と何度も言っても、意味がわかってもらえない。
これも、「tip」と紙に書いたらようやくわかってくれた。
これは、「ティップ」と発音するらしい。
「チップ」だと「chip」で、ポテトチップのチップになってしまう。
他にも、「パイナップル」の発音がまったく通じなかった。
日本人は英語の発音が苦手で、よく「L」と「R」の発音の違いができないといわれる。
確かに日本人には、readとleadの発音の違いを区別することが難しい。
カタカナだと、ともに「リ」になるし。
でもこれは、立場が変わったらアメリカ人やイギリス人も同じ。
アメリカ人やイギリス人が日本語を話すときも、「L」と「R」の発音の違いが難しいらしい。
「ありがとう」の発音は「aligatou」だけど、友人のイギリス人はよく「arigatou」と「R」の発音で言っている。
まあ、意味は通じるからいいけどね。
日本人は英語が苦手。
これは2、30年前からずっ~とず~っと言われ続けている。
「日本人がどれだけ英語ができないか?」ということをあらわすために、ときどきTOEFLという英語の試験結果が使われる。
これを見たことがある人も多いと思う。
世界中の国の人がこのTOEFLを受けるから、日本の英語レベルが「世界でどのぐらいなのか?」を知ることができる。
で、今の日本人の英語レベルはどのぐらいなのか?
TOEFLをしている機関が、試験の結果を「スコアデータサマリー」で公表している。
これを見ると、TOEFLの日本の平均点は71点。
これは、アジア36の国・地域のなかで34位。
ちなみに、上位にいるのはこんなところ。
シンガポール97
フィリピン91
パキスタン91
マレーシア89
バングラデシュ85
香港85
さすが我らが日本。アジアでビリ3位。
「日本人は英語が苦手」というのは、神話でも都市伝説でもなくて真実だったみたい。
では、昔はどうだったのだろう?
日本人は、昔から英語が苦手だったのか?
「英語・英会話の情報ランド」という英語学習のサイトに、20年前のデータがのっている。
これがその結果。
いささか古くなりますが、1995年7月~1996年6月の間のETS発表のデータによれば、日本人受験者の平均点499点は世界171カ国中150位、アジア25か国中20位となります。
「アジア25か国中20位」。
さすが、日本。
20年間から安定の低空飛行を続けていた。
でも、ちょっと待ってください。
このデータは信用できるのか?
日本人の英語レベルは、世界のなかで本当に低いのだろうか?
結論から言ってしまうと、TOEFLの国別のランキングで「日本人は英語ができない」とはいえない。
先ほどの英語サイトでも、その問題提起をしている。
日本人の英語力の判定基準として、よくTOEFLのスコアが用いられますが、果たして日本人の英語力の指標として、TOEFLのスコアはどれだけの妥当性をもっているのでしょうか。
このことは、次回に書いていきます。
「操作された情報に騙されないように、気をつけよう!」というテーマで。
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