始めの一言
「衣服の簡素、家庭の整理、周囲の清潔、自然及びすべての自然物に対する愛、あっさりして魅力に富む芸術、挙動の礼儀正しさ、他人の感情に就いての思いやり・・・これ等は恵まれた階級の人々ばかりでなく、最も貧しい人々も持っている特質である(モース 明治時代)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
この記事を見てくれている人は、多少なりとも英語や英会話に興味があるのだと思う。
英会話教材や英会話教室、英語のサイトを見ていると、たまにこんな言葉を見かけませんか?
ところが、英語能力判定テストTOEFL(iBT)では、アジア30か国中27位という何ともお粗末な結果だったとの事でした。
日本人が英語が苦手な理由に迫る!
これは、実際にある英語サイトにある文章。
検索して最初のページに出てきたものから、かなり見られているサイトのはず。
このサイトのように、「日本人は英語ができない!」という根拠としてTOEFLの結果を持ち出すことがある。
でも、気をつけよう。
これって、ウソだから。
ウソと言ったら言い過ぎかもしれない。
でも、TOEFLの誤用か悪用なのは間違いない。
なんでこの内容が間違っているのか?
そのことを、今回と次回にわたって書いていきます。
間違った情報を信じて変なものをつかまされないためにも、正しい情報を知っておこう!
TOEFLをしている機関が、試験の結果を「スコアデータサマリー」で公表している。
これによると、2015年のTOEFLの結果では、日本の平均点は71点になっている。
これは、アジア36の国・地域のなかで34位。
これだけを取り出せば、先ほどのような言い方をすることができる。
英語能力判定テストTOEFL(iBT)では、アジア36か国中34位という何ともお粗末な結果だったとの事でした。
ちなみに日本の上位には、このような国や地域がある。
シンガポール97
フィリピン91
パキスタン91
マレーシア89
バングラデシュ85
香港85
ボクはパキスタンとバングラデシュに旅行に行ったことがあるから、少しはこれらの国の事情がわかる。
ということで、これからパキスタンとバングラデシュの様子を書いていきます。
まずは、下の写真をみてほしい。
ここは、バングラデシュにあったカフェ。
おじさんがこちらをガン見している。
ということではなくて、壁一面にポスターが貼られている。
さて、これはなんだと思う?
じつはこれ、近々おこなわれる選挙のポスター。
この選挙ポスターには、候補者の顔写真と絵がある。
選挙ポスターに顔写真があるのは日本と同じだから、これはわかる。
だけど、なんで候補者と一緒にサッカーボールやガチョウ(?)やテレビといった絵も描いてあるのか?
「この絵は何ですか?」
このとき一緒にいたバングラデシュ人のガイドさんに聞いてみた。
「バングラデシュには、文字の読み書きができない人たちがたくさんいるんですよ。だから、候補者の名前だけ書いてあっても、その人たちには読めません。だから候補者と一緒に絵を描いておいて、その絵で候補者がわかるようにしているんです」
つまり、こういうことらしい。
選挙ポスターに「安倍晋三」「蓮舫」と名前だけ書いてあっても、文字を読めない人にはわからない。
だから選挙のときに、投票用紙に候補者の名前が書いてあっても、その名前を読めないから誰が安倍晋三で、誰が蓮舫かわからない。
これでは、選挙をおこなうことができない。
だから選挙ポスターに絵を描いておいて、候補者の顔とその絵と一緒に覚えるようにする。
選挙ポスターに「安倍晋三」「蓮舫」としておけば、安倍晋三に投票したい人は「」があるところに〇をして、蓮舫に入れたい人は「」のところに〇をするればいい。
バングラデシュでは、文字が読めない人のためにこのように投票するという。
バングラディシュには、文字の読み書きができない人がいることは知っていた。
けど、そうした人たちのために、このような選挙ポスターがあるとは想像もできなかった。
こんなことは、世界でトップクラスの識字率を誇る日本では考えられない。
また、パキスタンでは泊まっていた宿でこんなことがあった。
上のブレブレの写真がその宿。
この宿に泊まる手続きをしているときに、フロントでこう言われた。
「じゃ、この宿帳におまえの名前を書いてくれ」
その宿帳を見ると、宿泊者のサインの他に指紋が押してあるものもあった。
「この指紋はなんですか?」
不思議に思って聞くと、宿のオヤジはこういう。
「パキスタンには、文字の読み書きができない人が多いんだよ。自分の名前を書くことができないから、そうした人にはこうして指紋を押してもらっているのさ」
自分の名前を書けない人の場合は、指をインクにつけて宿帳に押しているのか。
これも、まったく予想できなかった。
でも、パキスタンには文字の読み書きができない人がいて、その人たちもホテルに泊まることがあるのだから、この指紋を押すというやり方はパキスタンでは常識なんだろう。
考えてみたら当たり前のことだけど、ボクにはまったく常識外のこと予想外のことだった。
さらに、インドを旅行していたときにはこんなことがあった。
男性3人組のインド人に、「オレたちの写真を撮ってくれ!」と頼まれる。
「しょうがねえなあ」と思いつつ、彼らの写真を撮ってから、こんな申し出をしてみた。
「この写真を送るから、誰かの住所を教えてください」
すると、彼らが困った顔をする。
その様子を見ていたインド人が近づいて、ボクにこんなことを言う。
「この人たちは、文字がわからないんだよ。だから自分の家の住所を書くことができない」
3人とも、自分の住所を書くことができなかった。
これにも驚いてしまった。
でも、バングラデシュ・パキスタン・インドは、TOEFLの結果では日本よりも上位にある。
この結果だけを見れば、「日本はこれらの国より英語ができない」ということができる。
だから、こういう文を書く英語サイトもあるのだろう。
ところが、英語能力判定テストTOEFL(iBT)では、アジア30か国中27位という何ともお粗末な結果だったとの事でした。
日本人が英語が苦手な理由に迫る
さて、もう一度考えてください。
この文章の内容は、正しいと思いますか?
続きは、次回かきます。
なんてね。
そんな、もったいぶって言い方をしたら嫌味ですよね。
だから、正解を書きます。
これは、ダメです。間違っています。
TOEFLの結果をもって、「日本は英語ができない」「日本人は英語が苦手」なんていうことはできないんです。
そのことは、次回書きます。
とりあえず、こんな文に引っひっかからないでくださいよ!
こんなことが書いてある英会話教材や英会話教室、英語サイトは、あなたには必要のないものですよ!
そんなのにかかわったら、まず間違いなく時間とお金をムダにしてしまうから。
こんなデタラメなことは書かない、良質な英語サイトや英会話教室はたくさんあります。
そのなかから選びましょう。
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