良くも悪くも自己主張：アメリカ人が思う日本人と韓国人の違い

以前、日本の学校で英語を教えていて、いまは韓国のソウルに住んでいるアメリカ人とこのまえ話をした。
最近の韓国はというと、コロナの感染拡大がとまんなくて困る。
今日も朝鮮日報に、「韓国の新規コロナ感染者2520人　重症者が2日連続で過去最多」（2021/11/11 ）という絶望的な記事があったばかり。
１日の感染者が初めて3000人を超えたり、重篤・重症患者が過去最多を記録したりと、コロナに関しては最悪の状態にある。

でも、そんな大きな不幸の中で、小さな”良いこと”もあったと知人は言う。
ソウルの中心部に住んでいる彼女はコロナのまえ、週末になると、窓を閉めていても部屋の中にと飛び込んでくるデモ隊の叫び声に悩まされていた。
でも、コロナ禍が広がってそれが禁止されると、静かな週末が戻ってきて、仕事で疲れた心身をリラックスさせることができるようになった。

日本に住んでいたそのアメリカ人に韓国との違いを聞いたら、返ってきた答えは「デモ」。
彼女がいた浜松市では、そもそもデモなんてものはないから（ゼロとはいわないが）、それは当然としても、
東京や大阪にいた友人をふくめて、デモが毎週末おこなわれ、そのすさまじい音量に心底困っているという外国人は聞いたことがないという。
韓国人に比べたら、日本人は自分の主張を大声で訴えることをしない、というのが彼女の意見。

これは政治的な意見だけでなく、日常生活でも同じ。
ふだん接する韓国人も怒りや不満、希望などがあったら、心にためこまないで「自分は～が嫌い」「～をしたい」とその場でハッキリ言葉にして伝える。
これについて日本人は真逆。
自分の気持ちを伝えるよりも、相手を尊重して自分の感情を押し殺すから、思っていることと違うことをよく言う。
だから日本人との付き合いでは、衝突することがなかった反面、ホンネと建前のギャップで悩まされることが多々あった。
対して韓国人は友人関係なら、ホンネと建前がほとんどない。
アメリカ人の自分も言いたいことは言う派で、韓国人に近いから楽に付き合えるけど、プライベートの領域にグイグイ入ってこられると、イラっとしたり疲れを感じることがある。
それで週末にはリフレッシュしたいのに、デモ隊とかいう悪魔がやってきてそれをジャマする。

今月になってコロナの規制が解除されると、さっそくデモを再開するところがやっぱり日本人とは違う。

聯合ニュース（2021/11/06）

ウィズコロナ後初の週末　ソウルで集会やデモ開催

このときソウル市内で１日に、約２０の団体が計３０００人規模で集会を開催する予定だという。

そしてデモが始まると、そのデモに反対するデモが行われて現場はカオスとなった。
聯合ニュース（2021/11/10）

自由連帯側の集会参加者は、トラックの上で「日本軍慰安婦はうそ」「（日本軍性奴隷制問題解決のための）正義記憶連帯と進歩団体が歴史を歪曲（わいきょく）している」と主張した。これに対し、反日行動側は「少女像の撤去を主張する親日派は引っ込め」と応酬した。

「少女像」周辺大荒れ　慰安婦問題解決求める集会巡り衝突激化＝韓国

＊知人のアメリカ人はこの「少女像」の近くに住んでいる。

こうしたデモ隊にユーチューバーや警察などが加わって、「少女像」の周辺は叫び声と小競り合いの修羅場になったという。
「平和の少女像」とは一体なんなのか。

日本のネットの反応を見ると、「規制解除→各種デモの再開→混乱ぼっ発」という流れには、日本人との違いを感じざるを得ないという人ばかりだ。

・いきなり集会やデモって
・こんなにデモや集会があるなんて、何が不満なんだろ
・＞「大小の集会やデモ」
なせか、韓国人って、そういうことが大好きみたいだね。
・韓国は声闘文化だから
・そんなデモや集会が当たり前なら
地道に政治活動すればいいのに

そもそも日本だったら、感染者や重症者が過去最悪を記録しているなかで、規制を取っ払って「ウィズコロナ」を始めるとは思えぬ。
デモをしたい人がいても、もう少し状況が好転するまでは控えるだろう。
こういう自己主張の強さやチャレンジ精神は、やっぱり日本人とは違う。