【イギリス人の発見】韓国語の中の日本語、英語の中の仏語

 

日本に住んでいるイギリス人の知人がネットフリックスで、韓流ドラマを見ていたらある場面で「アレ?」と引っかかった。
いま韓国人の俳優が「ヤクソク」と言ったような?
英語の字幕を見ると「promise」とあるから、この言葉はやっぱり「約束」で間違いない。
日本語とそっくりなのは偶然か、それとも日本人と韓国人が同じ言葉を使っているせいなのか?

韓流ドラマや韓国語に興味がある日本人に聞くと、それはソックリではなくて同じコトバであることが判明。
ちなみに「約束を守る」は韓国語だと「ヤクソクハダ」になるが、もちろんこれは「約束肌」ではない。

日本語と韓国語には中国由来の共通した言葉があるし、1911~45年の日本統治時代を中心に多くの日本の言葉が朝鮮半島に伝わったから、意味と発音がほぼ同じ韓国語はよくある。
上の日本人にはそういう日本語を見つけることも、韓流ドラマを見る楽しみになっているとか。

*辞書を見ると中国語で約束は「诺言」で、「約束を守る」は「遵守诺言」とあるから、これは中国語ではなくて日本語由来の韓国語だろう。

 

幕末や明治初期には、日本人が西洋の言葉を漢字訳した言葉を朝鮮人は積極的に取り入れたし、戦後になってから朝鮮半島に伝わった用語もある。
そんなことでいまでは韓国人がよく使う言葉の中に、理解が難しい日本式の漢字語(日本語由来の言葉)は山盛りあるのだが、これは国民感情からするとヨロシクナイ。
そんなワケでそれらは“適切な韓国語”に言い換える必要があると、韓国のペ教授(ぺ・ヨンイル=ギョンアン神学大学院大学外来教授、長いわっ)が朝鮮日報で主張した。(2017/01/29)

理解が難しい日本式の漢字語をいつまで使うのか

例えば「切取線」という日本式の言葉は「断ち切る線」という韓国語にすべしというペさんは、ほかにこんな言い換えを提案する。

「始末書」は「経緯書」、「見習」は「修習」、「敬語」は「敬う言葉」
「売場」は「販売場」、「茶飯事」は「ありふれたこと」、「忘年会」は「送年会」
「出産」は韓国語の「解産」、「船着場」は「渡し場」(ナルト)
「宅配」は「家(チプ)配達」、「割増料」は「追い金」(ウットン)
「役割」は「やるべきこと」、「談合」は韓国語の「八百長」(チャムチャミ)

これ以外にもたくさんの日本式の漢字語があって、韓国語における日本語の存在の大きさを改めて実感した。

 

知人のイギリス人は日韓の歴史的背景をほとんど知らないから、この今回の発見は新鮮で、日本語を学んでいる自分としては韓国語にも興味が出てきたという。
そして、「英語にも仏語由来の言葉がたくさんあるし、日本と韓国の関係はイギリスとフランスに似ている」と微妙なことを言う。
そのときいくつか具体例を出してくれたけど、サッパリ忘れてしまった。
なので「フランス語から英語への借用」を見てみると、例えば「f」と「p」から始まる日本でも有名な英語だけでこれほどある。

fashion(ファッション)、fine(晴れ)、flower(花)、forest(森)、pearl(真珠)、pen(ボールペン)、people(人々)、please(どうぞ)、prince(王子)、punishment(罰)

 

韓国語の中には多くの日本語が潜んでいるという点では、英語におけるフランス語と事情は似ている。
でもイギリスでは「いつまで使うのか?」と、英語にある仏語由来の言葉を排除する動きはない。そんな言葉は国民感情を刺激しないから。
でも、日韓の歴史・政治問題の話をしたら軽く3日はかかるから、「日本と韓国の関係はイギリスとフランスとそっくり!」となんか喜んでいた知人には黙っておいた。
たぶんそのうち、両者はまったく違うことに気づくはず。

 

 

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4 件のコメント

  • こんな文を書くと韓国ではまた「植民地近代化論者」と私を非難するかもしれませんが、現在、韓国で使われている法律用語、行政用語、教育用語、技術用語のほとんどは日本の朝鮮併合時代に使われていたものがそのまま使われています。少し変形させたものを持っていますね。野球用語もほぼ日帝時代に使われていたものでしたが、最近では大リーグで使われている用語を原語通りに使うことが多くなりました。
    韓国人たちは否定したいでしょうが、朝鮮の近代化は日帝時代を通じて進められたからです。
    現在, 反日的思考にとらわれている政治家たちが日本式用語を韓国式に変えなければならないと暴れているが,情けないことです。それを完全に韓国式に変えれば、途方もない混乱が起こるでしょう。
    不必要な時間と情熱の浪費です。

  • 英語とフランス語の関係って、古代から現代までとても複雑ですよね。
    まず、フランス語の元になったのはギリシャ・ローマ文明の流れを汲むラテン語です。なので、教会用語や学術用語の分野では、(フランス語にもよく似た)ラテン語から英語へ直接持ち込まれた単語が多数あります。ph-で始まる単語とか、datum – data など複数語尾変化が特殊な名詞とか。
    次いで11世紀、ノルマンディー公ウィリアム(仏:ギョーム)一世によるイングランド征服(ノルマン・コンクェスト)により、またもやフランス語から大量の単語が英語に持ち込まれています。以降、英語が確立したと言えるのはシェイクスピアの活躍した16世紀ごろがやっとですから、それまで文化面では圧倒的にフランスをはじめとする大陸側の影響が強かったのです。
    でもって現在、特にインターネットが普及し始めて以来、今度は英語・米語からフランス語へ膨大な単語が持ち込まれるようになりました。これは経済力・技術力の差によるものです。この点に関して、上記事のイギリス人とは違って、持ち込まれる側のフランス人たちには相当な危機感を抱いている人もいるようですよ。(「ペ教授」と同様の考え方?)

    近代以降になって英語の影響が著しいのは日本語も同じです。それにしても、政治家や官僚・学者・評論家が好んで使う馬鹿げたカタカナ語(スキーム、コンプライアンス、ダイバーシティ、DX、等)はやめられないものですかね? 明治の先人に倣って、母国語である日本語への置換え・説明をもうちょっと真剣に考えたらどうなのか。
    分かったようなフリをしてるだけ、頭悪いとしか思えん。

  • 知人の韓国人が日本語を学ぶようになったきっかけは、日本のドラマで「カゾク」と聞いてそれが韓国語の「家族」と同じと知ったことです。
    隣国同士ですし、文化的には共通することは多いですね。

  • いまでは中国の新聞記事に使われる単語であっても、全体のうちほぼ半分は日本の作った漢字語です。(ただし、そんなことに誇りを抱いている日本人は誰もいません。明治の先人はすごいなぁとは思いますが、それを自分がなした訳じゃない。)
    そもそも「中華人民共和国」や「朝鮮民主主義人民共和国」だって、オリジナル単語は「中華」「朝鮮」だけじゃないですか。あとは全部日本製の漢字語です。単語が、日本起原だろうが中国起原(たとえば「電脳」)だろうが韓国起原(たとえば「K-pop」とか?)だろうが、分かりやすくて使いやすけりゃ何でもいいですよ。

    韓国の場合、漢字語を廃止してハングル新単語に完全に置き換えるか、あるいは漢字と漢字語を復活させるべきか、どちらが早くて効果的・現実的なのかを韓国人自身が考えて判断すればいいことです。混乱を招くかどうかは、それらの活動を担う人達の努力と成果によるでしょうね。

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