こんな中央日報の記事のように、韓国の文化が世界で高い評価を受けることは韓国人的には大歓迎。(2022.01.31)
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でも海外で韓国の影響力や地位が高くなると、外国人がそれを利用する動きも出てくる。
たとえば中国人がヨーロッパで韓国料理店をオープンすると、不愉快になる韓国人は多いようだ。
朝鮮日報(2022/01/29)
中国人が経営する「ニセ韓国料理店」、欧州で増加
ひと昔前に多くの日本人が感じたことを、いま韓国人がトレースしているところ。
海外で韓国・中国人が日本の料理や品物を扱って、商売しているのはよくあるコトなんだが、これに対する日本人の受けは極めて悪く、好意的に評価する日本人なんてほとんど見たことない。
でも、現地の外国人の見方はかなり違うらしい。
まえにジョージア州に住むアメリカ人女性と、スカイプで話をしていたときのこと。
彼女の後ろに正体不明の機械が見えたから、たずねてみると、それは小麦粉をこねる機械でパン生地を作るときに使うという。
これはパスタやケーキを作ったり、肉をひくときにも役立つスグレモノだから、アメリカ人の家にはよくあるらしい。
最近はコロナ禍のせいで外食をする機会が減って、家で食事を作ることが増えたから、いまはこの機械が大活躍してくれている。
日本に3年ほど住んでいたそのアメリカ人に言わせれば、その機械は日本でいえば炊飯器のようなもの。
お米が好きな彼女は炊飯器と一緒に日本から引っ越してきて、最近も「あきたこまち」を使って日本の料理を作った。
アメリカのスーパーで「あきたこまち」を売っているのか。それともネットで買ったのか?
と思ったら、そうじゃなくて、韓国人が経営している食料品店に行って日本米を購入しているという。
ウォルマートやコストコにもコシヒカリやササニシキがあるかもしれない。
でも、韓国人の店の方が種類が豊富で値段も安いから、日本に関するものがほしくなったら彼女はこの店を利用している。
ジョージア州のその地域で日本人が経営する店はない。
ここには韓国系住民がたくさんいて、彼らの扱っているアジア関係の品物はそこらのスーパーより品ぞろえが充実している。
ニューヨーク出身のアメリカ人と話をしていて、「アメリカにもたい焼きってあるん?」と聞いてみたところ、「見たことないけど、チャイナタウンに行けばあるかも」と言う。
日本のものを探したかったら、チャイナタウンへ行くのは普通の発想らしい。
日本へ来る前、ニューヨークで饅頭(まんじゅう)を食べたというアメリカ人がいたから、「日本の Manjuu はもうアメリカ・デビューをしていて、いまではスーパーで売っているのか!」と思ったら、NYのチャイナタウンでそれっぽいものを食べただけだった。
そのアメリカ人も日本に関するモノがほしくなったら、チャイナタウンに行くと話す。
アメリカで有名な「Uncle Ben’s(ベンおじさん)」のお米。
でも知人いわく、これでは日本米の代わりにはならない。
ちなみにパッケージに黒人男性のイラストを使っていた「Uncle Ben’s」は人種差別の批判を受けて、去年デザインを「進化させる」と発表した。
このへんが日本と違う。
日本に住んでいたとき、ラーメンのウマさに開眼したドイツ人の知人がいる。
いまはブレーメンにいる彼がよく行くラーメン屋は、ベトナム人が経営していてシェフもベトナム人。
そこはラーメンがメインでベトナム料理やキムチもあるというから、ちょっとしたカオス状態になっている。
東アジアにある食べ物の中から、ドイツ人に受けそうなものをピックアップしているのだろう。
ただそこのラーメンは本場の味を知ってる彼からすると、お世辞で言ってもイマイチの残念クオリティー。
でも唐揚げは、これだけは日本と同じレベルのまさに絶品。
ブレーメンにある日本人経営の日本食レストランで、ラーメンと唐揚げを提供する店は知らないから、このベトナム人のラーメン店だけが、彼の大好きな日本の味を思い出させてくれる。
ブレーメンの前に住んでいたフュッセンでも、中国人オーナーの寿司店によく行っていた。
そのドイツ人にとってはベトナム人と中国人の店がなかったら、日本との接点もなくなってしまう。
だからもう生活に欠かせない。
海外で「日本人経営の店」を絶対条件にしたら、きっとほとんどの人が日本の料理や商品にありつけなくなる。
韓国系・中国系住民のおかげで日本に触れることができて、なつかしく思う外国人は実際にいる。
あくまで利益優先で、なかには「ニセ日本料理」があって誤解も広がっているのだろうけど、彼らが日本文化の普及に貢献している面もある。
「日本を使って金もうけ」には日本人としては不快だとしても、現地の外国人に聞いたらそれと反対で、そういう店はけっこう重宝されたり感謝されていると思う。
そもそも日本人の移民なんて本当に少ないのだから、これは仕方ない。
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海外で、日本人経営の日本料理店や日本食材の販売店が見当たらないことには、日本人移民が少ないということの他に、もう一つ理由があります。中国人や韓国人と違い、日本人移民は自分たちだけの「エスニック・タウン」をあまり作らないのですよ。移民日系人も絶対数としては中国・韓国系に比べて「極めて少数」というほどではないのですが。世界中に、チャイナ・タウンやコリア・タウンはあるけれども、ジャパン・タウンは(少なくとも大っぴらに日本人街として名前を売っているような街は)、ほぼ見たことがありません。ロサンゼルスのリトル・トーキョーとか、シカゴのミツワ・マーケット(←まだあるか知りませんが)とか、ごくごく例外かな。
私が海外数カ国で体験した日本料理店は、経営者が日本人だが、料理人はほとんど例外なく韓国人でした。カラテ・スクールでも実際に教えているのはテコンドーだったり、剣道教室を名乗って「コムド(韓国風剣道)」を教えていたりとか。一方、中国料理店は経営者も料理人も中国人がほとんどでしたね。
特に米国においては、日本人移民は概ね郊外のアップタウンに居を構えて、外食をしにチャイナ・タウンの日本料理店へ行って、そこで韓国人料理人が作る寿司を食べる、そんなイメージでした。
海外の寿司店で韓国人や中国人がカルフォルニアロールを作っていてもいいのですが、剣道教室を名乗って「コムド」はさすがにダメですね。
かといってとめることはできませんが。