日本では当たり前のようにあるけれど、海外ではかなりめずらしいのが「ゆるキャラ」。
アメリカではこんな「ご当地キャラ」はないらしく、日本の中学校で英語を教えていたアメリカ人が「あれにピッタリ合う言葉なんて知らん」と言っていた。
長崎には、「がんばくん」と「らんばちゃん」というゆるキャラが生息している。
「がんばくん」は長崎生まれの男の子で、職業は「長崎がんばらんば隊」という設定。
「らんばちゃん」も長崎生まれの女の子で、職業は「長崎がんばらんば隊」という設定だ。
こんな2人のキャラ設定について、浮上したのがこんな問題。
NHKニュース(02月04日)
県のキャラクターめぐり 県内の女性団体が要望書
わが浜松の「家康くん」と「直虎ちゃん」みたいに男女のキャラ作るのはいいとしても(これもそのうち怒られるかも)、隊長と副隊長の”格差”をもうけることは、
「男女別の役職設定はジェンダー平等に関わる重大な問題で、男女にまつわる無意識の偏見を生む要因になる」
と、女性団体が長崎県に設定の見直しや廃止を求めた。
対して県は、「県民に愛されているキャラクターなので、見直しについては慎重に検討していきたい」と困り中だ。
なお自由で無責任なネット掲示板では、この抗議への支持は広がっていないもよう。
・ランバちゃん「妊娠したので、退役します!」
・凄くめんどくせー!
・男女逆だったら全く問題にならないやつね。
・こう返せ
県「がんばくんはトランスジェンダーです」
この人はわりと冷静にツッコんでる。
・こんなのに文句言っているくらいなら20日投開票の長崎県知事選挙に
この女性団体が候補者を立てればよかったのにね。候補者3人全員男性ですよ。
キャラの見栄え以外でいまの日本社会で問題視されるとしたら、「男性が上(主)、女性が下(従)という印象を与えかねない」というジェンダーレスの視点ぐらいか。
「男女にまつわる無意識の偏見」はなくさないといけないとしても、「くん・さんの性差もダメです!」とまでくると、日本のゆるキャラは氷河期を生きる恐竜みたいになりそう。
長崎の件については、関係ないからどーでもいい。
ただ、隊長と副隊長をつくらないといけない必要性が見えないし、いまの時代の空気からして、あとでこういう批判が飛んでくることを予想できなかったとしたら、その鈍感さはマズい。
民間企業ならともかく、自治体だと、こうした中立性は特に厳しく問われても仕方がないかなと。
特定のジャンルに集中して知識や関心のある人だと、一般人には見えないものが見えてしまって敏感肌になるらしい。
それを指摘するのはいい。
でも言い方を考えないと、世間さまからぶっ叩かれてしまう。
アニメ「プラネテス」を見たJAXA(宇宙航空研究開発機構)の元職員が、ツイッターで「何処が面白いんだ、このアニメ」と表現してこうディスる。
「軌道力学的な考察が無茶苦茶なのは、まだ許せるが、主人公だあろう新人、もし私のところに配属されたら、速攻で、不適格者としてクビだ」
「宇宙特にEVAを甘く見すぎている」
「プロとして迷惑しているので、義務でも何でも最後まで見なくては」
このあと元職員が謝罪し、ツイートを削除した理由はもはや説明するまでもなし。
社会で「ジェンダー平等」を強調する人にも、それなりの知識や“プロ意識”があるから敏感肌になりやすい。
でも、世間の常識を越えてはいけない。
産経新聞(2022/1/18)
マイメロ商品発売中止 「女の敵は女」に批判
ある企業がバレンタイン企画でアニメ「おねがいマイメロディ」に出てくる毒舌キャラ、マイメロママの恋愛に関するワードを商品に載せて販売した。すると突然、「一部の商品の発売を中止することにいたしました。ご了承ください」と公式HPで発表される。
「女の敵は女」
「男って、プライドを傷つけられるのが一番こたえるのよ」
こんなセリフに「ジェンダーバイアスを助長する!」といった批判が集まったことから、マイメログッズは発売中止となる。
でも、ご了承できない人は多かった。
今度はファンから、「発売を楽しみにしていました」、「本当に悲しいです」、「グッズ買いたかったです」といった声がSNS上にあがる。
「一部の方の声で発売中止になるのはとても残念に思います。」という声には老若男女問わず、広い支持が集まるはずだ。
でも中止に追い込んだ側はノーダメージだから、きっと同じことを繰り返す。
ジェンダー平等は重要でも、それを問題視するほうに問題があると、世間の反感を買ってむしろ実現のジャマになる。
この件で「女の敵はオンナ」というケースはよくある。
日本の「kawaii(かわいい)文化」!海外の反応は?由来は?
> でも、世間の常識を越えてはいけない。
ははは、その「世間の常識」とやらが人によっても異なるのが、現代社会ですよ。外国人も増えたし。
社会の多様性が増すということは、既存の「常識」が失われていくということでもあります。
残念ながら、そのアドバイスは何ら効力を有しませんね。
今回の件に限らず宇崎ちゃん騒動や温泉むすめ、鉄道むすめや沼津のラブライブ看板、松戸Vチューバー騒動もそう。
アメリカもオーストラリアも世界にも常識はあります。