外国人の謎「中国サッカーが弱い理由」 孫文もなげく個人主義

 

いま北京で開催されているオリンピック。
これを中国語でいうと「五輪」になる、なんてことはない。
五輪は日本人が考案した言葉だから、中国語だと音訳して「奥林匹克」になる。
競技のフィギュアスケートは「花様滑氷」でモーグルは「雪上技巧」、そしてカーリングは「冰壶」だ。

このへんのことなら、ネットで調べれば秒で分かる。
でも、中国スポーツについて前々から海外でささやかれていて、韓国メディアの朝鮮日報が伝えるコレについてはいまだに謎のまま。(2022/02/03)

【萬物相】「現代スポーツのミステリー」 中国サッカー

なんで中国すぐ負けてしまうん?
中国サッカーの弱い理由がよくわからない。

まず中国は、14億人という世界最大の可能性(分母)を持っている。
それにここ最近の経済成長はすさまじく、ドイツや日本を抜いて世界2位にまで上りつめた。
そして習近平国家主席はかつて、「中国がワールドカップに出場し、W杯を招致し、W杯で優勝するのが願い」と語るほどの大のサッカーファンだ。

「とんでもない人口・ぼう大な資金・絶大的な権力者の願い」の3つがそろった中国からは、世界のサッカー強国になる未来しか見えない。
…と思うのだけど、実際にはいまだに「雑魚キャラ」のステージから抜け出せていない。
そんなことでアメリカメディアが「現代スポーツのミステリー」と表現して、韓国メディアも同じ疑問を持つ。

世界より前に、中国代表には日本や韓国を脅かす力がまるでない。
それどころか、今月1日に行われたベトナム戦で1-3で敗れたことで、中国のW杯出場の夢が完全消滅した。
FIFAランキングでは中国(74位)の方がベトナム(98位)よりも上で、中国はこれまでの66年間、ベトナムには一度も負けたことがなかったのに。
しかも歴史的な敗北をした日が、よりによって一年で最もめでたい正月(元旦)だった。
こんなサプライズ・プレゼントに中国の茶の間は激怒、「腹いっぱいのブタばかり集まっているサッカー中国代表チームは解散せよ」と書き込んだり、怒りのあまり見ていたテレビを破壊したサッカーファンもいたという。

上のコラムでは、中国がサッカー弱国の理由を中国人がこう分析している。

・賭け事が好きで八百長が多いから実力が上がらない。
・中国代表選手は高額の年俸をもらっているから、これ以上努力するわけがない。

それとワイロ社会の中国では、実力のある選手でも、監督に渡すカネがないと試合に出場することができないから、結局は「メッシやロナウドになれそうでも、貧しい有望選手は工場に行く」とのこと。
なにその野麦峠

こういうカネや環境とは別で、やっぱりあったのがコレ。

「中国人の個人主義的な性格と、チームワークが重要なサッカーは相性が合わない」

卓球では、異世界から転生してきたようなチート的な強さがある。
なのにサッカーではW杯予選で他国に得点を捧げる、ゲームでいうならプレーヤーの養分となるありがたくてぜい弱な存在でしかない。

もちろん中国はスポーツ大国だ。
いま北京で行われている奥林匹克でも、現時点での中国の成績は「金6 銀4 銅2」とアジアではナンバーワンで、「金2 銀5 銅7」の日本はアジア2位にいる。
バスケットやバレーボールなんかでも、中国はアジア最強と言われている。

だからもともと高いポテンシャルを秘めていて、企業がぼう大な資金を投じ、国家レベルでも強化しているのにサッカーは弱い。
5年ぐらい前には、「近い将来、東アジアでは日本代表の強力なライバルになって、追い抜かれるかもしれない」なんて話をテレビやメディアで聞いたが、いまのところそんな気配はまるでない。
ベトナムに歴史的大敗を喫し、国民からは「腹いっぱいのブタばかり」とののしられるのを見ると、むしろ同情を禁じえない。

そんなことから、「中国人の個人主義的な性格は、プレーヤーが多くチームワークを必要とするサッカーと相性が合わない」という指摘はよくあった。
ベトナムに負けたときも、「中国人って団体競技苦手だよなぁ 我が強すぎるんだろうか」とネットでため息をつく日本人がいた。
中国サッカーが弱いどころか、さらに弱体化している理由にのひとつにきっと「個人主義」がある。

三国時代の呉の孫権の子孫という説もあって、「中山樵」という日本名を持つ孫文も、チームワークが苦手でバラバラな中国人を「砂」と表現して嘆いたぐらいなのだから。

 

「謎」というか、この弱さはもはやネタ。

 

孫文(1866-1925)

 

1912年の辛亥(しんがい)革命で中国最後の王朝・清を終わらせて、現在につづく新中国を築いた孫文は「国父」として中国国民に尊敬されている。
そんな孫文は、各人が自由過ぎて、全体としては協調性に欠けてまとまらない中国人を「砂」と表した。

京都大学の狭間直樹教授がこう書く。

中国には家族主義、宗族主義はあるが、それしかないため中国人は「ばらばらの砂」のように団結力がないとして、家族、宗族の団結力を国族にまで押し広げるよう訴えかけています

孫文の中国統一思想ーとくに民族主義について

 

いまでも中国人は、血のつながりのある家族や一族の団結は強い。
でも、サッカーについては外国人が不思議に思うほど、国民からは激怒されてしまうほど弱い。
でも人間が起こす事象にはタネや仕掛けや、そうなるだけのワケがある。
「現代スポーツのミステリー」についても、中国人は「ばらばらの砂」で団結力がないという孫文の指摘が答えになっている。
「砂」にチームワークを求めるのは無理。
だからもう「ミステリと言う勿れ」。
(これが言いたかった!)

「革命いまだ成らず」。
中国革命はまだ成功していない、と言い残して孫文はこの世を去った。
中国サッカーの場合はまだ始まってない。

 

おまけ

同じ一族で、時には400人もの人が住んでいた中国の土楼。
ここでは協調性がないと生きていけない。

 

 

 

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1 個のコメント

  • 個人競技が強いんじゃなくて欧米人に不人気な競技が強いだけですよ
    テニスやゴルフは弱いしね

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。