ほんじつ3月14日はホワイトデー。
この由来には、3世紀のローマ帝国で兵士の結婚を禁じた皇帝の命令に背いて、若い男女の結婚式を行っていたバレンタイン司祭が2月14日処刑され、その1か月後に男女が永遠の愛を誓ったとか、古事記には3月14日に初めてアメが作られたといった話がある。
実際のところ、ホワイトデーの始まりは割とどーでもいい。
昭和40年代から、日本のお菓子業界がバレンタインデーのお返しとして、ビスケットやキャンディなどの商品の売上を伸ばすために行ったキャンペーンなのだから。
ホワイトデーの元祖を主張する会社や団体は複数ある。
これは日本人が始めたイベントだから、知人のアメリカ人やイギリス人はバレンタインデーなら知ってたけど、この記念日とは来日して初めて出会った。
まわりの外国人から話を聞く限り、日本生まれのホワイトデーがあるのは台湾・中国・韓国の東アジアだけ。
ベトナムでは基本的にないけど、最近は日本の影響からお菓子なんかをあげる人もいるらしい。
バレンタインデーの起源は間違いなくヨーロッパにある。
日本ではその発想を基に、「女性が男性にチョコを贈ろう」という菓子業界の販売促進キャンペーンが成功して、いまのスタイルが定着した。
だから男女関係なしで、その日にプレゼントを渡すのが一般的なアメリカやイギリスから来て、日本式バレンタインデーを知って意外に思う人もいる。
そんな外国人から、バレンタインとホワイトデーに日本人の“らしさ”を感じたという話を聞いたんで、それを紹介しよう。
日本企業に勤めていたイギリス人女性は、日本では渡すチョコの種類(ランク)が、「スキ~ザコ」の気持ちの大きさによって本命~義理まであると知って面白いと思った。
部署の全員にもれなくお菓子を渡すことにも、日本人の平等感が表れている。
個人的な行為であるイギリスのバレンタインデーと違って、集団的な社会や文化を特徴する日本人のらしさを感じる。
でも、プレゼントをあげたりお返しをすることに、負担を感じる女性・男性社員もたくさんいて、会社として自粛や禁止を決めるところもあると知って驚いた。
このイギリス人にとっては、イスラム教の影響の強いパキスタンでそうなったことの方がまだ分かりやすいはずだ。
日本企業に15年ほど働いているアメリカ人男性は、「わかるわー」とこのイギリス人女性に同意。
誰がナニを誰に渡すかなんてことは、個人の判断で決めればいいことで、アメリカならこんなことが「社の問題」になることはない。
「お疲れさま」の意味で義理チョコを渡すことで、社内の人間関係や空気を良くする目的があると思って、「日本人らしい配慮だ」と感心したのに、実際にはそのために気まずくなるケースもあると聞いた。
それに日本人がこの圧力を、英語で「パワハラ」と呼んでいることにもアキレタ。
「チョコハラ(チョコレートハラスメント)」なんて言葉もあって、自発的なプレゼントを”強要されている”と考える人が増えているから、日本経済新聞には「せっかくの機会がハラスメントにならない」ために、相手に負担や迷惑をかけないような工夫が求めらているという記事があった。(2022年2月9日)
職場でのバレンタインデー 強要にならないよう
バレンタインデーは欧米では、個人的に付き合っている友人や恋人に、感謝の気持ちを伝える意味でチョットしたプレゼントをあげるカジュアルな習慣なのに、日本ではなんで社内で「禁止令」が出るような大ごとになって、いろんな人が疲れた挙句に「ハラスメント(嫌がらせ行為)」になってしまうのか?
いっけん不思議に思うけど、そうなった背景を知ると、日本人の考え方や価値観が分かって興味深いと知人のイギリス人やアメリカ人は言う。
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