未来志向か暗黒時代か? 韓国新政権がしたら“終わり”なこと

 

その過激な発言から「韓国のトランプ」と呼ばれ、「軍事的には日本は敵性国家」と言い切った反日強硬派の李在明(イ・ジェミョン)氏が次の大統領になっていたら、日韓関係は始まる前に終わっていた。

でも、反日を政治的に利用しないと言うユン氏はイ氏とは違い、「過去よりは未来に向けて、国民の利益を見いだしていくことが大事だ」と話す。
「これまで」ではなくて、「これから」を語るその意気はよし。
でも、気になることがあるのだが。

中央日報(2022.03.14)

尹氏は韓日関係は未来志向的な関係を目指す。核心公約は日本の植民支配に対する謝罪や韓国の日本平和努力を認めた1998年金大中(キム・デジュン)・小渕宣言を継承し、2011年以来中断された首脳間シャトル外交の復元だ。

韓国「尹錫悦政府」の外交キーワード、韓米「揺らぎのない同盟へ」・韓日「未来志向的」・韓中「相互尊重」

 

1998年にこんな宣言を出した後、2015年に日韓両国が慰安婦問題について、「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と約束したことが完全に抜けている。
このとき韓国のユン・ビョンセ外相は、

「両国が受け入れうる合意に達することができた。これまで至難だった交渉にピリオドを打ち、この場で交渉の妥結宣言ができることを大変うれしく思う」

と世界に向かって宣言したのだが、これは継承してくれないのか。

安倍首相の「心からのお詫び」と10億円の支援金を受け取ったことで、韓国側は慰安婦問題を終わらせ、ソウルの日本大使館前にある慰安婦像を撤去するはずだったのに、一年経ってもその約束は守られなかった。
それで当時、産経新聞がこんな不満を書いている。(2016.12.23)

韓国政府が「適切な解決」に向けた努力を約束した、在韓国日本大使館前の「慰安婦像」は撤去されないまま。

合意から1年、10億円拠出したのにまだ撤去されぬ慰安婦像

この記事から6年が過ぎたいまでも、この像はそのままだ。

 

このときファン・ギョアン首相は政権が変わっても、慰安婦合意などについては「重要政策の基調が変わることはない」と強調していたのに、変わらないどころか、このあと大統領になった文氏は合意を実質的に破棄してしまった。
これをスルーされては困る。
だから最近、日韓関係を取り上げた毎日新聞は社説で「慰安婦問題に関する合意は骨抜きにされた。」と指摘する。(2022/3/11)

産経新聞はもっと厳しいゾ。(2022/3/12)

「文政権は慰安婦問題の解決を確認した平成27年の日韓合意を否定し、「徴用工」訴訟でも解決策を示さなかった。」

 

新大統領のユン氏が、未来志向的な韓日関係を目指すのはスバラシイ。
でもそのために、1998年のキム・デジュン・小渕宣言を継承するというのは、「日本の植民支配に対する謝罪」を求めるつもりなんだろうか?
合意を骨抜きにしたうえに、歴史を蒸し返すなんてありえない。
慰安婦像をいますぐ撤去することはできないとしても、韓国側がまた日本に反省や謝罪を要求してきたら、日韓が暗黒時代に逆戻りするのは必至。
2011年以来の首脳間シャトル外交の復元だ! の前に、ユン氏や韓国メディアは自分たちの言葉を思い出してほしい。

「両国が受け入れうる合意に達することができた。これまで至難だった交渉にピリオドを打ち、この場で交渉の妥結宣言ができることを大変うれしく思う」

自分で打ったピリオドを、都合が悪くなると消すような相手とは話し合っても意味がない。
それにしてもこの妥結宣言が、わずか数年でひっくり返されるとは。
「大変うれしく思う」という合意を必ず守って、ユン氏はこれから日本と未来志向の関係を築いてくれ。
過去を掘り起こしたら、始まったとたん即終了になってしまう。

 

 

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1 個のコメント

  • > 「大変うれしく思う」という合意を必ず守って、ユン氏はこれから日本と未来志向の関係を築いてくれ。

    そこまで期待することもないんじゃないですか。
    互いに国民自身が望む相手とだけ友好的関係を築ければ十分ではないですか?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。