【韓国激減・台湾爆増】日本の学校が修学旅行で選ぶワケ

 

いまの日本の学校が修学旅行で、海外を選ぶことはもはや常識。(コロナ期間は除く)
それについて4年前に韓国メディアの聯合ニュースが、日本の生徒が韓国への修学旅行を「忌避」して、10年間で7分の1にまで激減したという記事を載せた。(2018-01-28)

日학생들, 한국 수학여행 기피…10년새 7분의1로 급감

2016年度に修学旅行で韓国を訪れた日本の高校生は3246人で、10年前の約2万人と比べると衝撃的に減っている。
同じ期間に修学旅行で中国へ行った高校生も、1万431人から3398人へ約75%も減っているから、聯合ニュースは「忌避」の理由として、「悪化の一途をたどっている韓日両国政府間の外交関係などが影響を及ぼした」と指摘した。
それはイグザクトリー。
きのうの記事でも書いたけど、韓国の自治体が慰安婦像を設置したことで、「市民の理解が得られない」という理由からいくつもの国際交流が中止になった。
これはそんな「キャンセル氷山」の一角。

毎日新聞(2017/4/20)

韓国への中学生派遣を中止 松山市 

 

それに昔は李明博元大統領が、ソウルのユースホステルに日本の修学旅行生を誘致して、独島(竹島)の領有権が韓国にあることや、日帝(大日本帝国・日本帝国主義)の残虐性について学ばせようとするなど、悪夢のような計画を考えていた。(李明博・対日姿勢
想像でしてほしい。
もし日本の有力政治家が韓国の修学旅行生を東京へ招いて、竹島が日本固有の領土であることや、日本統治下で韓国が発展して人々は日本に感謝していたと学ばせようと計画したら?
韓国人は絶対に許さないし、きっと外交問題に発展する。
自分がされて怒ることは、相手にもしてはいけない。
日本の修学旅行生が10年間で約85%も減ったことには、そうなるだけの理由があったはず。
もちろん今は修学旅行で韓国へ行っても、一方的な「歴史認識」が押し付けられることはなく、食や建物などの文化に触れたり、韓国の生徒と楽しむような有意義な旅行になっていると思う。

 

韓国が激減した理由には、修学旅行で台湾を選ぶ日本の学校が爆増したから、ということがある。
2016年度に台湾を訪れた日本の高校生は4万人を超え、10年前の約12倍ととんでもなく増加したという。
その後も台湾は修学旅行先でトップか、最上位をキープしているはずだ。

ちなみに上位5つはこんな感じ(2016年度)。

1位:台湾(4万1,878人)
2位:シンガポール(1万9,286人)
3位:オーストラリア(1万8,254人)
4位:グアム(1万6,056人)
5位:マレーシア(1万4,864人)

日本の学校が台湾を選ぶ理由には、近さや治安の良さ、そして「親日的」がある。

台湾への修学旅行の評判はとても良いから、この口コミで台湾がますます選ばれる傾向があると、台北駐大阪経済文化弁事処の処長は言う。

フォーカス台湾2021年1月9日

台湾、日本の高校の修学旅行先として人気 駐大阪代表「今後も増える」

日本が好きで台湾の観光局(たぶん)で働いている台湾人が、修学旅行について去年こんなメッセージをSNSに投稿した。

「台湾台南市では浜野弥四郎技師と八田与一技師が作ってくださった国家重要有形文化財の台南水道博物館と烏山頭ダムが有りまして、どうしても、日本国の学生さんに紹介したいと思います。
日台の高校生の海外修学旅行はいつごろ再開できますかね?」

浜野 弥四郎(はまの やしろう)は統治時代の台湾へ渡った土木技師で、多くの上下水道インフラを手がけたことから、いまでは「台湾水道の父」と呼ばれている。
八田与一は同じく統治時代に、巨大ダムを造って「八田与一技師の台湾への功績はいくら感謝しても感謝しきれないです」と現代の台湾人から言われる偉人だ。

「感謝しきれない!」日本人の八田与一が台湾で愛される理由

 

アクセス、治安、費用なら韓国と台湾は大きく変わらない。
日本統治という共通の過去があっても、韓国が日本の学校に「忌避」され、台湾が選ばれる理由はもう説明するまでもないだろう。
あの時代の「恩人」を紹介したいという台湾でなら、日本の親も安心して子どもに歴史を学ばせることができる。
もちろん、日本の台湾統治はすべて光だったというワケではない。客観的に正しい事実なら、バランスを考えながら歴史の闇を教えてもいい。

 

昨夜、東北で大きな地震があった。
するとすぐに日本語でツイートしてくれるのが台湾の総統。
文大統領は「未来志向の韓日関係を作る」と強調しても、こういうことはしてくれない。

 

 

 

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台湾 「目次」 ②

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。