5月8日は赤十字社の創設者アンリー・デュナンの誕生日ということで、1948年にこの日が「世界赤十字デー」となったのだ。
同時に5月8日は「ヨーロッパ戦勝記念日デー(Victory in Europe)」でもある。
世界赤十字デーの3年前の1945年5月7日、第二次世界大戦でドイツが降伏文書に調印して、連合国のヨーロッパでの勝利が確定し、翌8日にヨーロッパにおける全戦闘が中止された。
とても画期的な日なんだが、日本には関係ない。ということはなく、「日独伊三国同盟」のなかでイタリアに続いてドイツが降伏したことで、連合軍は日本への攻撃に全集中できるようになる。
もう負けるしかない。
眼下の民衆にVサインするイギリスのチャーチル首相(1945年5月8日)
チャーチルがしているVサインは「勝利 (victory)」のVを表している。
これは第二次世界大戦中、連合軍の間でよく使われて有名になり、1960年代以降は「ピースサイン」としても使われるようになった。
このVサインの始まりについては、かなり知られたブラックな話があるのをご存知だろうか。
英仏の間で行われた百年戦争(1337年 – 1453年)で、フランスはイギリス軍の長弓(ロングボウ)兵にかなり苦しめられていた。
長弓兵
イギリスの長弓兵に恨みを持っていたフランス側は彼らを捕まえると、もう長弓を引けないように指を切り落としていた。
その悪趣味な習慣を逆手にとって、捕まっていないイギリス軍の兵士は「オレたちにはまだ弓を引く指があるぞ!」とフランス軍に指を強調して誇示したり、挑発していたことから、いまのVサインが生まれたという。
この話はVサインの起源として割と有名だけど、信頼できる根拠がない。
だから、「そういう説がある」ぐらいに考えておこう。
いまの日本人は写真を撮るときにVサインをよく使う。
1970年代にタレントの井上順さんがCMやテレビ番組で、このサインを使っていたことから、日本でVサインが広がったとか。
(ピースサイン・日本での普及)
東京に住んでいた韓国人の女子大生は、Vサインをほっぺたにくっ付けると顔が小さく見えると聞いて、「日本人は天才かっ」と衝撃を受けて、以来、写真を撮るときは必ずそうするようになったと言っていた。
でも、むかし読んだ雑誌でアメリカ人かイギリス人が、「第二次世界大戦では敗戦国だった日本人が、勝利のVサインをするのはおかしい。」と書いていて、強烈な違和感をもったことがある。
それで周りのアメリカ人やイギリス人に、この見方に賛成かどうか尋ねると、
「は?それはまた斬新な意見だな。そんなことは考えたことないし、聞いたこともない。」
という人ばかりで、あるアメリカ人はこう話す。
「世の中には訳のわからないヤツが必ずいる。例外を理解しようとするのは時間のムダだ。ほっとけ。」
ということで、日本人がVサインをするのは変ではなくて、そう見える外国人が変人のようで、そんな人間を理解する必要もない。
でも、日本人が「ヨーロッパ戦勝記念日デー(Victory in Europe)」を祝うのはさすがにおかしい。そんな人間はいないだろうけど、いてもほっとけばいい。
中国文化の日本文化への影響②日本風にアレンジした5つの具体例。
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