在日ネパール人が話す、日本との共通点・大きな違い

 

きょう6月9日は「ロックの日」。
といってもレッド・ツェッペリンとかクイーンとかじゃなくて、自宅のロック(カギ)を見直しましょーという日。
うん、日々の安全は何より大事だ。

まえにSNSを見てたら、知人のネパール人がこんなメッセージをシェアしてた。

「Hello friends, On 23 March I lost my wallet in Bus from Bardibas, Mahotari to Kakarbhitta. There were ATM cards and DL in wallet. Name on card and DL is “Mohd~ ”
If any one got it plz call me, I will give the Rs 1000 prize.
My mobile no. ○○」

「3月23日、BardibasからKakarbhittaへ向かうバスの中で財布を無くしました。
中にはATMカードとDLが入っていました。
カードとDLに書かれている名前は “Mohd~”です。
もし、それを持っている人がいたら私に連絡ください。1000ルピーを差し上げます。
電話番号は○○。」

1000ルピーは約1100円で、日本なら1時間バイトすれば稼げる金額でも、ネパールの物価からすると親切の報酬としては十分かと。
いまネットで見た情報ではネパールの平均月収は2~30000ルピー(2018年)とあったから、感覚としては数万円といったところか。

後日、このネパール人に会って話を聞いたところ、彼の財布はまだ見つかっていない。
すごく運が良ければ、中身のない財布が戻ってくるかもしれないけど、ネパールではきっとそれも無理。
「お悔やみ申し上げます」の気持ちで、日本にいる彼もあの投稿をシェアしたという。

 

話をしていると、彼は日本とネパールには共通点が多いと言ってこんな点を挙げた。

・(ネパールの民族にもよるが)外見がけっこう似ている。
・隣国の中国やインドに比べて、国民性として自己主張が少なくて控えめな人が多い。
・2008年5月28日に議会が共和制を議決するまで、ネパールには国王がいた。(ゴルカ朝
・ネパールの主食は米で国民は「ダルバート」をよく食べる。

個人的にもネパールを旅行していて、肌の色や目の形なんかで「日本人に似ているな~」と驚いた。
それにインドや中国みたいに、自分の言いたいことをツバを飛ばしながら一方的に言って、相手に譲歩させようとする人が少なかったから、ネパール旅行では対人関係でのストレスはあまり感じなかった。
インド南部の主食は米で北部はチャパティなどの小麦だから、さらに北にあるネパールでもパンが主食かと思っていたら、実はネパール人も日本人と同じように米をよく食べる。
ネパール料理は味付けも比較的マイルドで日本人の口に合っていて、スパイスの辛さから舌に痛みを感じるようなインド料理とは違う。

 

 

とはいえ、どんなに共通点があったとしても、日本とネパールはまったく違う国。
そのネパール人いわく、両国の大きな違いは何といっても治安。
ネパールでは「自己管理・自己責任」で、バスやカフェでモノを忘れるようなミスをすればもう戻ってこないし、バザールとか人の多いところではスリが「カモ」を探しているから、ターゲットにならないようバッグをお腹側にもってこないといけない。
そうなると「背負う」じゃないから「腹負う」か?
そんな言葉はいらないのが日本の良さ。
日本にいて、安心・安全に生活できることのメリットをよく知っている彼としては、これこそネパール人が学んで身につけてほしい。
でもネパールは貧しい国だし、現状を見るとそれはとても無理。
だから落とし物をすると「I will give the Rs 1000 prize」と投稿し、絶望的な可能性にかけないといけない状況はまだまだ続きそう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。