控えめて言って最悪:ベルギー国王がコンゴ人に科した“罪と罰”

 

韓国の全国紙・朝鮮日報が人類史上、最悪レベルの統治について報じた。(2022年06月09日)

コンゴ支配に「深い遺憾」 ベルギー国王が初訪問

今月はじめコンゴを訪問したベルギーのフィリップ国王は、首都キンシャサで演説を行い過去の植民支配に対する「深い遺憾」を表明した。
これに対してコンゴでは「今後はもうしないように」という注意は特になく、大統領や与党の政治家はこの発言を歓迎した一方で、野党議員からは「公式謝罪がないことに失望する」といったネガティブな反応が上がったという。
こんな遺憾表明だけでは、かつてベルギー国王がコンゴで行った犯罪行為に対する反省としては不十分で、「公式な謝罪と賠償の約束を期待する」とコメントする議員もいた。
これはコンゴとベルギー(国王)の問題で、歴史的にまったく関係ない日本人が口をはさむことはない。としてもベルギーが当時したことは、控えめて言っても鬼畜で最悪だった。

 

19世紀後半、世界は力のない者には残酷かつ無慈悲で、当時のヨーロッパ人はアフリカの土地や人を「所有物」のように考えていた。
だから1885年のベルリン会議でイギリス、フランス、ドイツなどはコンゴをベルギー政府でなく、「ベルギー王の私財」にすることを認めた。
これによって国王レオポルド2世の私物(私領地)となったコンゴが、「コンゴ自由国」と呼ばれるようになったのはベルギー風のジョークか皮肉か。

程度の違いはあっても、基本的に圧政や搾取を行なっていた欧米列強でも、レオポルド2世がコンゴにしたことはまさにドン引きで、血の気がなくなるレベル。
レオポルド2世は住民に天然ゴムの採集を命じ、決められた量のノルマを達成できないと、罰として手足を切断した。
でも、労働者の手足を切断するとゴムの採集作業ができなくなって、結果的にレオポルド2世の儲けがなくなってしまう。
だから国王は、親の「罪」をその子どもに押しつけた。

以下、被害者の画像が出てくるからそのつもりで。

 

 

 

刃物で手首を切断された子どもたち

 

欧米諸国もアジアやアフリカを植民地にして、かなり野蛮なことをしていたけど、いくらなんでもここまではしない。
この間、数十万人が体の一部を失い、1000万人のコンゴ人が命を失ったと推定されている。
コンゴで前代未聞の蛮行が行われていることがバレて、国際社会(=欧米)で非難が殺到する。
この圧力に耐えられなくなったベルギー政府は国王からコンゴを譲り受けて、「ベルギー領コンゴ」として1960年に独立するまで政府が統治するようになった。
これで住民へのあの「罪と罰」はなくなり、統治の実情はマシになったといっても、しょせんはこんなものだ。

ベルギー領コンゴがコンゴ民主共和国として独立した時には高等教育修了者が十数名しかおらずその後の国家運営に深刻な支障を来した。

ベルギー領コンゴ

ゴムの収穫が少なかった罰として、切り落とされた5歳の娘の手と足を見つめる父親
アニメやマンガの残酷統治の描写でも、「いやそれはやり過ぎ」と編集者にダメ出しをくらうレベル

 

ベルギー国王はこうした蛮行の責任を2020年に初めて認めて、今回はコンゴを訪問して「最も深い遺憾」を表明した。
でも、公式な謝罪や賠償は拒否。
だから「残酷な植民統治に対する反省としては不足」、「失望する」といった反応を招いた。
といっても、国際常識とはそんなモノだ。
「悪いことをしたら、素直にゴメンナサイと謝る」という幼稚園のレッスンとは違って、国家が過去の行為に対し、公式な責任を認めることは重大な政治的問題になる。
だからフツウは「遺憾」で済ませるから、こんな一見ふてぶてしい態度はよくある。

【ルワンダ虐殺】責任は認めるが、謝罪は拒否するヨーロッパ

これからもベルギー国王は公式謝罪は拒否して、「最も深い遺憾」の最新版を公開するだけだろう。

 

 

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1 個のコメント

  • コンゴの記事は残酷・非人道ってのは当然としてアホすぎるって印象しかわかない
    罰を科して労働力を下げ未来の労働力を摘む

    韓国のは史上最悪だったからこれよりひどかったんだろう。知らんけど

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。