日本の歴史なら、武田信玄が父の信虎を追放して甲斐を支配したころ(1541年)、 イギリスでは1543年のきょう7月12日、ヘンリー8世がキャサリン・パーと6度目の結婚した。
このヘンリー8世は最初の妻と離婚したかった。
どうしても、是が非でもそうしたかったけど、キリスト教(カトリック)の考え方でそれは禁止されていて、ローマ教皇から「絶対に無理」と言い渡されたため、ヘンリー8世は逆ギレしてローマ・カトリック教会と縁を切り、自分でイングランド国教会をつくってしまう。
現在のイギリスでヘンリー8世は、離婚したいために新しいキリスト教を誕生させた王として有名だ。
そしてその後、離婚と結婚をくり返して6番目のキャサリン・パーが最後の妻となった。
以前、日本の中学校で英語を教えているフィリピン人女性と話をしてたとき、日本との違いを聞いたら、「日本では離婚がカンタンにできるから、ホントにうらやましい」と言う。
もちろん離婚に至るまでの悩みや修羅場は人類共通だから、ここでフィリピン人が言うのは離婚制度のこと。
いま世界で離婚ができない(法律上の制度がない)国は、フィリピンとバチカン市国だけ。(離婚)
なんでもイエス・キリストは、夫婦は神が結び合わせたもので、人が引き離してはならないと命じたと。
神に永遠の愛を誓った以上、後になって「やっぱ無しで」というのは無理らしい。
カトリックの影響の強いフィリピンでは離婚を認める法律が存在しないから、一度夫婦になったら、もう別れることはできない。
といっても、現実的にはそれは無理だ。
ということでフィリピンには「Annulment(アノウメント)」という結婚した事実を取り消し、婚姻を無効にする制度がある。
これは実質的には離婚と同じなんだが、カトリック的には決して離婚ではない。
「ディボース」ではなくて、あくまで「セパレート」。
ただフィリピンでアノウメントが成立するまでには、とんでもなく高額の費用と数年の時間を必要とするから、これは金持ちでないとできない。
それで庶民は籍を入れたまま関係を断って、離れ離れになって暮らすことが普通だから、法律上は夫婦でも現実には離婚している状態になるらしい。
ヘンリー8世のように新しいキリスト教をつくるような権力はなく、アノウメントができるほどの金を持っていないフィリピンの庶民は不便に耐えるしかない。
その点、脱・宗教国家の日本に死角はない。
夫婦2人が同意して、役所に離婚届を出せばそれでOK。
教会なんてガン無視で、当事者だけで話し合って結論を出せば、あとの社会制度としては無料でカンタン、すぐに離婚できてしまうことは、フィリピン人からすると「マジで? スゴイ!」となって日本をうらやましく思う人が続出するらしい。
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