きのう7月29日は1014年に、「クレイディオン峠の戦い」があった日。
家電量販店みたいな「クレイディオン」というのはブルガリアにある地名で、この戦いで東ローマ帝国に負けた第一次ブルガリア帝国は大打撃を受け、後に滅亡する大きな原因となった。
現代の日本人にとってはヨーグルトさえ無事なら、第一次ブルガリア帝国がどうなっても関係ない。
「クレイディオン峠の戦い」なんて、高校世界史で学ぶかどうかも分からないニッチなバトルだ。
この戦いの注目ポイントは”残酷さ”にある。
それによって東ローマ皇帝が「Bulgar-Slayer」(ブルガリア人殺し)と呼ばれるようになり、それを見てブルガリア皇帝がショック死したという凄惨な出来事があった。
この戦いが東ローマ帝国の大勝利に終わってしばらくすると、捕虜になっていた大量の兵士がブルガリアへ戻ってきた。
これは通常なら、「息子よ、無事だったんだね!」「ただいま母さん、戸棚に置いといたヨーグルトまだある?」と抱き合うシーンなんだが、このときはブルガリア国民はドン引きし、東ローマ帝国皇帝バシレイオス2世(Basil)に心の底から恐怖した。
彼は15000人のブルガリア兵を100人ずつのグループに分けて、そのうち99人の両目をつぶし、残った1人の片目も奪う。
1人の片目だけを残したのは、盲目となった99人をブルガリアに案内するためだった。
Basil divided the prisoners into groups of 100 men, blinded 99 men in each group and left one man in each with one eye so that he could lead the others home
異民族にひざまずかせるバシレイオス2世
15000という数字は誇張とも言われるが、この数字を基準にすると、14350人の両眼をつぶされた兵士が戻ってきたのを見て、ブルガリア帝国の皇帝は心臓発作を起こしショック死したという。
それで東ローマ皇帝は「ブルガリア人殺し」と呼ばれるようになる。
控えめに言って鬼畜。
バシレイオス2世がそんなことをした理由は、お気に入りの将軍を殺されたことの報復とか、ブルガリアの戦意を徹底的になくすためだったとか。
敵の戦意を喪失させるために残酷なコトをするのは、世界の歴史ではめずらしいことではないけど、ここまでのレベルはなかなかない。
ナチスとポルポトの虐殺は知ってた。でもソ連の「ホロドモール」とは何?
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