【信用失墜】韓国が“誠意”を求めるも、日本が応じない理由

 

「予定は未定」といってもこのままだと、いつかはその日、日韓関係の”破綻”を宣言する“Xデー”は訪れる。
2018年に元徴用工訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じると、これは国家間の合意と国際法に違反しているということで日本政府が反発し、企業は支払いを拒否。
すると原告側は日本企業の資産を現金化しようとし、いまその動きが進んでいて、近く裁判所がGOサインを出すとみられている。
民間企業に具体的な損害を与えるというのは、日本政府に対して反省や謝罪を求めることとは次元が違う。
そうなったら、日本が韓国に制裁を加えることは避けられない。
となると韓国も制裁返しをして…という憎悪のエンドレス状態に突入するかも。

そうなったら、韓国側がより大きな痛みを感じることになるから、そうなるまえに問題を解決すべきだと中央日報が訴える。(2022.08.27)

日本企業資産の現金化控えて会った韓日…「強制徴用問題、日本側の呼応が必要」

この問題について最近、日韓外務省の局長レベルの協議がおこなわれた。
結果、「日本側が誠意のある呼応を示す必要がある」と韓国側が強調すると、日本側は「韓国が責任を持って対応するよう要求した」といつものように平行線を確認して終了。

問題解決のために韓国としては、原告への謝罪など日本の「誠意のある呼応」が絶対に必要という。
対して日本は、1965年の「日韓請求権協定」で韓国政府も解決に合意したのだから、この問題はすでに終了したという立場。
「誠意のある呼応」の中身にもよるけど、日本が謝罪や賠償をすることは考えられない。

それにしても最近の日韓の攻防を見ていると、立場がすっかり逆転した感がある。
4年前に韓国最高裁が賠償を命じる判決を出した後、日本は請求権協定のきまりに基づいて、仲裁委員会を開き、そこで問題を解決しようと文前政権に求めた。
でも、当時の文大統領は日本の提案を無視したから、仲裁委員会での解決は実現せず。

これに関して「NETIB-NEWS」の記事で、日韓ビジネスコンサルタントの劉 明鎬氏がこう指摘する。(2022年8月29日)

手順が決まっていた場合、その手順を守ることが常識だが、韓国政府は何を過信していたのか、国際法を無視した態度を貫いたため、韓国は「国際ルールを守らない国」になってしまった。韓国が日本の仲裁提案を断ったことで、国際的な信用が失墜したのは間違いない。

日韓関係の火種、日本企業資産現金化をめぐる韓国の動向

 

いま日本国内で、「韓国はルールや約束を守らない国」という非難が出ているのは、前政権の”無反応”に大きな原因がある。
こういう無責任な態度に、日本はあきれて果てて疲れた。
それで、日中戦争中に近衛内閣が出した声明「(中国)国民政府を相手とせず」のような状態になって、日本政府は韓国に対して“戦略的無視”をするようになる。
「国際的な信用が失墜した」というのはそういうことだ。

ことし4月、いまの尹大統領が派遣した韓国の代表団と会談した安倍元首相は、約束を守ることの重要性を強く訴えた。

NHKニュース(2022年4月27日)

安倍元首相 韓国代表団に慰安婦問題めぐる日韓合意履行求める

 

前政権から負の遺産を受け継いで、さらに利息が膨れあがっていま現政権が大変なのは分かる。
でもまずは、失った信用を韓国側が回復させないと話は始まらない。
それにあの時、韓国が「誠意ある呼応」をしていたら、こんな末期的な状態にはなっていなかった。

 

 

国 「目次」 ①

韓国 「目次」 ②

韓国 「目次」 ③

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

「まえと違う!」韓国が怒っても日本がゆずらない理由

 

2 件のコメント

  • 私はむしろ韓国裁判所が現金化措置を施行してほしいです。
    それが実際に韓国にどのような影響を与えるのかを確認してこそ、韓国国民は彼らの考えを直すことができるからです。現在、韓国人は日本が罪を悔い改めていないと思っています。
    「劇薬処方」が必要です。

  • 私も関係をリセットして、もう一度ゼロから築いていくのもいいと思います。
    その時の痛みに不安はありますが。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。