「日本とかわした約束はしっかり守ってほしい。国際法違反の状態は認められない」
そう言い続ける日本に韓国は、
「相手の立場になって考える気持ちがない。」
「韓国の人々の心情を考えない。」
「韓国側の敏感さを日本が少しでも理解しない。」
と嘆いて、「かつては相手の立場になって考える気持ちがあったが、今回の日本は高圧的で一方的だ」と高圧的に腹を立てる。
くわしいことは前回の記事をどうぞ。
【日韓関係】韓国から見たいまの日本「思いやりがなく、高圧的」
韓国としては、いま日本が行っている輸出管理強化を一刻も早くやめさせたい。
でも韓国側がどんなに怒っも、日本政府は1ミリも妥協する気配を見せない。
それで「かつての日本は…」と不満を言うのだけど、いまの日本が韓国にゆずらないのは、「かつて」をよく知っているからだ。
韓国の立場になって考えて一歩引いたところで、それはその場しのぎにしかならない。
結局問題は解決しないのだ。
そんなことは4年前もわかっていた。
産経新聞の記事(2015.4.25)
日本は過去の経験から、韓国にいくら譲っても結局、ゴールポストを動かされるだけだと見切った。
「韓国はなぜ日本だけを標的にする?」歴史問題で欧米から疑いの目を向けられるようになった韓国妄執“自業自得”
日韓で話し合って「この問題はこれで終わり」と確認しても、韓国はあとから「あれで終わったことにはならない」とか言い出して、約束や合意を無視して勝手に追加要求をしてくる。
解決の着地点を動かすから、いつまでたっても問題は終わらない。
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上の産経新聞の記事には、「韓国について政府関係者らと話すとき、何度この言葉を聞いたことか」とある
何度も苦い思いをしたから、今回の日本はゆずれない。
「日本は韓国の人々の心情を考えない」というのは、約束を守らなくもすむ言い訳にはならない。
でも、「かつては~」と韓国側が言うように、以前の日本は一歩下がって対立を解消することがよくあった。
そんな圧力は日本国内でも強くあったのだ。
2014年におきた「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」を例に見てみよう。
当時の産経新聞ソウル支局長が「大統領の名誉を毀損した」として韓国検察から起訴されて、出国を禁止されるという異例の事態が発生。
でも元ソウル支局長が書いた記事は、韓国の国会でのやりとりや韓国紙(朝鮮日報)のコラムを中心に書いたもので、結果からいえば、韓国大統領の名誉を毀損するものではなかった。
実際、2015年に検察側が控訴をあきらめて、元支局長の無罪判決は確定している。
支局長側に落ち度がないことは当時の人もわかっていたけど、「日本が韓国を怒らせてはいけない」と考える人は多くいた。
「相手の立場になって考える気持ち」を持つ政治家、元外交官、評論家などが次々とあらわれて、産経新聞の社長に「韓国側に謝罪の意を表明すべきだ」と働きかけてきたという。
社長の私がソウルへ行って、一言でも謝れば、韓国側は加藤元支局長の起訴を取り下げ、日本への帰国も許すだろうというのだ。ソウルへ行けないのならば、東京の韓国大使館を訪れて『遺憾』という言葉を述べるだけでもよい。その謝罪を内密にしてもよい。そんなことを伝えてくる日本の政治家たちが後を絶たなかった。有力な政治家たちも含まれていた
このとき産経側が韓国に一歩もゆずらなかったから、無罪判決を勝ち取ることができたのだ。
東京の韓国大使館に行って頭を下げれば社員の日本帰国は許されただろうけど、社長はそれを拒否した。
「内密にしてもよい」という言葉はどこまで信用できるのか?
韓国と対立すると、驚くほど多くの政治家、元外交官、評論家が韓国にゆずるよう圧力をかける。
そんな動きが日本にはあった。
「韓国にいくら譲っても結局、ゴールポストを動かされるだけだ」といっても、これに手を貸す勢力が国内にいたのだから、韓国を一方的に非難するのは不公平だ。
対立解消のために、日本政府を動かせようとする勢力はいまもある。
輸出管理を「輸出規制」と表現するマスコミがそれ。
そうした人たちも、「今回の日本は高圧的で一方的だ」と苦々しく思っているはず。
先日、安倍首相が内閣改造をおこなった。
「ひょっとしたら、対韓外交がゆるくなるかも」という韓国の期待は、「国際法違反の状態を一刻も早く是正することを引き続き強く求めていく」という茂木新外相の一言で打ち砕かれた。
時事通信は、「茂木外相は記者会見で一歩も引かない姿勢を強調した」と書く。
菅原一秀経済産業相も河野防衛大臣も韓国にハッキリもの申すし、「かつては相手の立場になって考える気持ちがあった」なんて甘えは認めない。
こんな姿勢に韓国猛反発。
これはハンギョレ新聞の社説(2019-09-16)
極右強硬派一色で陣容を組んだ。歴史、領土問題などと関連して妄言と無理な主張をしてきた右翼指向の側近が大挙抜擢され、韓国に対する経済報復措置を主導した強硬派が重用された。韓日関係は一層凍りつく可能性が高まった。
日本“反韓内閣”スタート…閣僚ら先を争って“韓国叩き”
東亜日報も同じく社説(2019-09-12)で日本批判を展開した。
強硬右派を全面に配置した退行的な安倍内閣改造
「約束は守らないといけない。国際法違反は絶対に認められない」と言うと、「“反韓内閣”スタート」「先を争って“韓国叩き”」「退行的な安倍内閣」という言葉が返ってくる。
でも、日本だって悪いんですよ。
いままで安易に韓国側の要求をのんで、一歩も二歩もゆずってきた積み重ねがこんな言葉をまねいたのだから。
日韓関係で妥協が厳禁なのは、結局それはその場しのぎで問題解決にはならなかったから。
日本は今度こそ、「あやまちは繰り返しません」という国是を守り通してほしい。
といっても、ムチャなことではない。
慰安婦合意と日韓請求権協定を守ってほしいという、当たり前で最低限の要求だ。
いまは韓国より、「その謝罪を内密にしてもよい」という国内のささやきに注意したほうがいいかも。
日本はいま「正常化」していると感じている国民は多い。
さいきん日本経済新聞がおこなった世論調査でも、政府の韓国への対応を支持する人が約7割もいた。
日韓関係について「日本が譲歩するぐらいなら改善を急ぐ必要はない」と答えた人も67%だ。
韓国にゆずることが真の解決にはならないということを、いまの日本人はよくわかっている。
くわしいことは日経新聞の記事(2019/9/1)をどうぞ。
韓国向け輸出管理強化、支持7割 日経世論調査
韓国が嘆いても怒っても日本は動かない。
違うのだよ、「かつて」とは。
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kokntouzaiさんは相変わらず言い回しが面白いですね、素直に思います
私は安倍派ではありませんが、日韓関係に関しては断然、頑張って安倍さん、です
政権末期のこれから、安倍首相が何をできるかわかりませんが、韓国に譲歩しない、国家間でムービングゴールポストは許さない、という強い姿勢は、過去の歴代政権にはなく、いずれ安倍首相の姿勢は日韓関係のターニングポイントとして語られるのではないでしょうか
日本が今後、どのような政権になっても、簡単には譲歩しないでしょう
それが一国の政府の連続性なのですから
あ、反日の連続性には負けてるか
お褒めにあずかり光栄ですよ。
日韓関係については、譲歩に譲歩を重ねてきたツケをいつか誰かが払わないといけませんでした。
それが安倍政権だったということです。
国家間の合意や国際法違反までゆずったら、日本はデタラメな国になってしまいます。
韓国が動くまで日本は動けませんよ。