ウィキペディアによると(要出典だけど)、122年のきょう9月13日、ローマ帝国がハドリアヌスの長城の建設を始めた。
日本では弥生時代、女王・卑弥呼があらわれる100年ほどまえ、イギリスではこんなことがあったらしい。
皇帝ハドリアヌスが建てたこの壁がローマ帝国における最北端の国境線となる。
南のイングランドと北のスコットランドに文字どおり一線が引かれたことで、以後、それぞれ独自の歴史や文化が築かれることになる。
ハドリアヌスの長城
イングランドとスコットランドが(イギリス内にある)別の国だとしても、女王に対する親愛と敬意は変わらない。
だから先日、エリザベス2世が死去してから、両国はいまも深い悲しみに包まれている。
いつかそんな日がおとずれることを想定して、イギリス政府や王室では「ロンドン橋作戦」や「ユニコーン作戦」を用意していた。
女王は今回、スコットランドのバルモラル城で亡くなったから、ユニコーン作戦が発動する。
なんでこんな作戦名になったかのというと、ユニコーン(一角獣)はスコットランド王家の象徴だから。
「萌え絵」だと最高にカワイイけど、ヨーロッパの神話に出てくるユニコーンは基本的にとても激しい気性をしている。
馬よりも速く走ることができ、力強くて攻撃的で、ゾウを角で突き殺したという話もある。
でもなぜか処女に弱い。
処女の腕に抱かれるとユニコーンがおとなしくなるという設定は、現代では「女性差別」の批判は避けられない。
ちなみにユニコーンの角には毒を中和したり、病気を治す不思議な力があるという。
エロい白馬のユニコーン
力と純潔の象徴であるユニコーンはケルト神話に登場する。
日本語の「ケルト人」は英語だと「Kelt(ケルト)」や「Celt(ケルト、セルト)」という。
で、「ケルト人の」、「ケルト語の」を意味する形容詞が「セルティック(Celtic)」だ。
スコットランドにセルティックというサッカークラブがあって、いま古橋亨梧選手や前田大然選手が活躍している。
ただ、スコットランド人の先祖をケルト人と考えていいかは微妙で、このへんはよくワカラン。
でもとにかく、スコットランドにはケルト神話があってユニコーンさんも出てくる。
スコットランド国立博物館の説明によると、危険なユニコーンを捕まえることができるのは王だけだという中世の伝説がある。
英BBCの記事(10th April 2019)
According to the National Museum of Scotland, medieval legend further suggests only a king could hold a unicorn captive because of the supposed danger it posed
こんなユニコーンは人びとに受け入れられて、15世紀のスコットランドでは王や貴族にとって純粋さと権力の象徴となった。
やがてユニコーンはスコットランド国のシンボルとして、公式に認められるようになったという。
ちなみに個人的に、イングランドでケルト神話の話は聞いたことがない。
2世紀にハドリアヌスの長城の建てられて、イングランドとスコットランドが分離された後、ローマ帝国の領土となったイングランドではキリスト教が広まっていった結果、それまであった神話は否定されて消失した気がする。(Christianity in Roman Britain)
ちなみに、イングランド王家の象徴はライオン。
イギリスの国章は、ライオンとユニコーンが真ん中の楯を支えるデザインになっている。
日本とイギリスの季節(四季)の違いや特徴。あること・ないこと。
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