外国人に好評の日本のサービス、アフリカ人はどう思った?

 

日本へ来た外国人に話を聞くと、コンビニやレストランなどで受けるサービスがとても丁寧で気持ちが良いと称賛する人がよくいる。
実際、日本人のホスピタリティは控えめに言って世界トップクラスだ。
この動画では、日本とイギリスの空港の職員が手荷物をどう扱っているかを比較している。
イギリスが特にヒドイのではなくて、海外でこんなことはきっとめずらしくない。

 

 

このまえの日曜日、東アフリカから来たタンザニア人(30代・男性)とご飯を食べに行ってきた。
最初は日本らしくうどん屋へ行こうと思ったのだけど、彼がまえに食べたうどんは薄味で、イマイチだったということからこの案は却下される。
彼は濃い味が好きと言うから、中国料理を食べることにしたらこれが大正解。
バーミヤンで食べたホイコーローは、彼がいままで日本で食べた“最高オブ最高”で「ホイコーロー」という新しい日本語(中国語?)を覚えてしまったほど。

こういう全国チェーン店の、日本では平均的なサービスを受けて「スバラシイ」と感じる外国人もいる。
といっても店員さんが笑顔で「いらっしゃいませ」、「お待たせしました」、「ありがとうございました」と言うぐらいのことで、日本ではそれをしないと失礼になるという最低限のレベルだ。
海外では店に入ってきた客と目が合っても、店員からは「いらっしゃい」のひと言もなく、日本の常識が高望みになることもある。
日本に1年ほどいるこのアフリカ人は日本のサービスどう思うのか?
そんな質問をしたら、彼はこんな話をする。

 

タンザニアの商店や庶民的なレストランでも、客が来たら店員は「カリブ(いらっしゃいませ)」とスワヒリ語であいさつをして、客が商品を買って出て行く時には「ありがとう」を言う。
だからこれは基本的に同じだけど、日本では店員が頭を下げてそう言うことがあるから、敬意や丁寧さを感じる。

店員が料理を持ってきて、「お待たせしました」とテーブルに置くところはタンザニアとは違う。
「Thank you for waiting(your patience)」と店員が言うのは料理を忘れていたとか、客を怒らせるぐらい待たせた時に言うセリフで、20分ぐらいの待ち時間でそれを言うのはおかしく感じる。
あと、店に入るまで長い列に並んでいた客にそう言うことはある。
電車もバスも正確に運行されている日本は時間重視で、なんでも効率的だからそれが常識なんだろうけど、自分からすると「やりすぎでは?」という気がする。
アフリカ人はゆっくり生活していて、日本人は時間に対してとても厳しい。

自分が感じたサービスの違いは雰囲気。
日本ではみんな真面目に働いているから、テーブルもイスもピッカピカだし、客に対していつも敬意を示している。
タンザニア人は全体的にリラックスしていて、ヒマな時は従業員同士で冗談を言ってゲラゲラ笑っている。客もそんなことは気にしない。

*ここでボクがエジプトを旅行していた時の話を思い出す。
レストラン食事をしていると店員が何も言わずに対面に座って、「どこから来た?日本か、良い国だな。エジプトはどうだ?」と話しかけてきて驚いた。
タンザニアでもこれはOKなのか?

もちろんそれは問題ない。
外国人に興味のある店員がそうやってイスに座って、同じテーブルで食事中の客に話しかけることは、タンザニアなら常識の範囲内だ。
日本人はみんなマジメで礼儀正しいから、それがダメなのは分かる。

ということでアフリカ人の彼にとって日本人のサービスは、客への配慮や敬意が感じられて基本的に気持ちが良いのだけど「やりすぎ感」はある。
それに客との距離も遠い。
でも、日本で店員がタンザニア並みにリラックスしてたら、休憩中か仕事中か分からなくなって、客からクレームが殺到する未来しか見えない。
客が店に求めるモノや水準が違うから、この違いは仕方ない。

 

 

アフリカ 「目次」 ①

アフリカ 「目次」 ②

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【白人の責務】アフリカ・中東で直線の国境が多い悲しい理由

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。