NHKの特集記事の言うとおり、いま韓国との関係は最悪か最低だ。(2022年5月12日)
戦後最悪の日韓関係 新大統領就任で改善なるか
といってもこれは政治の話。
民間では、反日・嫌韓の空気があるとはいえ、食べ物なんかで相手の文化を楽しむ人は多いし、SNSでは交流活動も盛んに行われている。
特に日本ではコロナの制限が無くなって旅行が解禁されたから、最近では「大坂に行きます。おすすめのレストランを教えてください。」といった質問を韓国人がすると、「○○の○○は本格的な味で、韓国人の舌に合うと思います。」と親切丁寧に答える日本人との微笑ましいやり取りが目立つ。
そんなネットの日韓交流グループで、
「朝食でご飯、味噌汁、漬物を食べるのは世界で日本と韓国だけだと思います。」
と言って共通する文化を持つからこそ、日韓は友好関係を築いていかないといけないとアピールする韓国人がいた。
それだけで終わればよかったのだ。
この人は続けて、「味噌汁」の語源は朝鮮語で、木綿豆腐・海苔・ワカメスープも朝鮮半島から日本へ伝わったと書く。
結論からいうと、それはすべて誤解だ。
まず日本での味噌の始まりには、中国から伝わったという説と、日本で生まれたという2つの説があって、どっちがホントかはわかっていない。
語源としては「未だ醤(ジャン:調味料の一種)にならないもの」として「未噌」ができて、やがて「味噌」になったという説が有力だ。
「味噌汁」という言葉が登場したのは江戸時代。
経済力が上がって庶民も味噌を使うようになると、「味噌を溶かした汁」の意味で「味噌汁」と呼ばれるようになった。
(「味噌汁」と「おみおつけ」の差)
朝鮮語が語源になったという話なんて知らない。
豆腐について2000年以上前に中国で作られたとか、唐の時代にできたといった説があるが中国で誕生したことは間違いない。
日本へは、遣唐使によって伝えられたという説が最も有力。
豆腐は中国語でも「豆腐」だから、これはきっと中国語が語源になっている。
ちなみに日本では「腐」の文字を嫌って、「豆富」や「豆冨」と表記することもある。
木綿豆腐がいつ、どのようにできたのかは知らんけど、朝鮮半島からもたらされたという説は調べてみた限り皆無だ。
それでもがんばって探すと、高知の「かし豆腐」は朝鮮から伝わったらしい。
(かしきり 高知県)
701年に出された「大宝律令」で税のひとつに海苔が出てくる。
だから日本人は少なくとも、奈良時代から海苔を食べていたのだ。
現在よくある板海苔は江戸時代に、和紙の製紙技術を応用して日本人が作りだした。
韓国でも海苔は昔から食べられていたが、いまに続く本格的な生産がスタートしたのは日本統治時代のようだ。
朝鮮総督府が、海苔漁家への補助金の交付や本土からの専門家の招聘、研究機関の設立といった奨励策をとり主導的な役割を果たした。
ワカメについては縄文時代の遺跡からその痕跡が発見されているから、日本人はこの時代から食べていたと考えていい。
韓国風ワカメスープなら朝鮮半島から伝わったとみていい。
ということで、味噌汁の語源は朝鮮語だとか、木綿豆腐・海苔・ワカメスープは朝鮮半島から日本へ伝わったという説にはまったく根拠がない。
だからそれは歴史の事実ではなくて、ただの推測や誤解に過ぎない。
韓国の人たちがこんなカン違いしてしまう大きな原因に歴史教育がある。
韓国では一般的に自分たちの先祖が日本人へ、いろいろな優れた文化や技術を伝えてあげたと学校で教えられている。
韓国の歴史教科書を読むと、日本人に対して「~してあげた」という表現がよく出てくるのが引っかかる。
教科書を翻訳した日本人もその表現を気にして、「あとがき」でこんな説明をした。
韓国文化の日本伝来については、王仁や曇徴を挙げて、わが国はすぐれた文化を日本に「教えてあげた」とする記述になっている。韓国語にも「教える」「伝える」という言い方は、親が子どもに、先生が生徒にといった目上の人が目下の人に使う表現である。こうした表現が日本に対する文化記述に使われているのは、韓国の歴史教育が古代史において文化的優越感を堅持することを目標にしているからである。
「わかりやすい韓国の歴史 (明石書店)」
王仁(わに)は千字文と論語を、曇徴(どんちょう)は紙を作る技術を日本人に“教えてあげた”と韓国の教科書に書いてあるが、でも、この記述がすでに誤解だ。
そもそも千字文はまだそのころ成立していなかったし、今のところ、王仁や曇徴の功績を歴史的事実と裏付ける根拠は無いのだから。
韓国では「~という説がある」という可能性が、文化的優越感のために事実と拡大解釈されて、教科書には「~してあげた」と書かれてしまう。
そんな教育を何年も受けていたら、誤解が事実として社会に定着するのも必然。
韓国で何度も提唱されて、そのたびに日本で圧倒的なブーイングが起こる「韓国起源説」。
桜や茶道、刀などの日本文化は朝鮮半島から伝わった、というカン違いの原因もこの文化的優越感だ。
王仁
もし実在したなら、漢字一字の姓であることから、彼は中国人と考えられている。
政治的には最悪のいまだからこそ、民間での日韓交流が求められている。
冒頭の韓国人も「朝食でご飯、味噌汁、漬物を食べるのは世界で日本と韓国だけだと思います」だけで、イラナイ情報を付け足したことが悔やまれる。
でも、韓国ではコレが重要と思う人もいる。
同じ日韓交流グループで李三平は有田焼を始めた人物で、地元では神として敬意を払われていると写真付きで投稿する韓国人がいた。
これは事実だから問題ない。
ただ、そのころの焼き物を現在の有田焼にしたのは、その後の日本人の努力や創意工夫による。
木綿豆腐、海苔、ワカメスープは朝鮮半島が起源と言う人に悪意は1ミリもなく、きっと「韓日友好に役立ついい情報を教えてあげた」という善意しかない。
この首相もそうだ。
中央日報(2015.04.10)
韓国首相「日本の起源は百済…日本の歴史歪曲、絶対許せない」
日本に対する文化的優越感の堅持を、韓国では歴史教育の目標にしているとしてもこのカン違いはムゴイ。
そして相変わらず、投げるブーメランの破壊力もスゴイ。
韓国人と話をしていると古代の日韓関係について、「日本の有名な○○は朝鮮半島から伝わった」といった優越感を感じることがある。
でも、あちらには無意識の前提のようで、その認識を”上から目線”だなんてまったく思っていないし、当然の常識と考えている。
悪意はゼロだから、どうツッコめばいいか困る。
間違った情報でも、日本のことを改めて知るきっかけになるのが唯一の光。
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