【黄金のマスク】アニメのように始まった“20世紀最大の発見”

 

これから本格的な紅葉が始まるころの本日11月4日、ちょうど100年前のエジプトで、1922年のこの日に「20世紀最大の発見」と言われる出来事があった。
水を運ぶために12歳の少年がにロバに乗っていると、ロバがつまずいて水がめが壊れてしまい、大量の水が流れ出る。
すると地中へ続く階段が現れた。
その階段の先にあったのは古代エジプトの王・ツタンカーメンの墓だったーー。

今日の読売新聞に、その少年の子孫がいまでも自慢にしているという記事がある。(2022/11/04)

ツタンカーメンの墓発見100年、貢献した当時12歳少年の子孫「誇らしい」 

その後、イギリスのハワード・カーターの発掘隊による調査が進み、3300年以上前に亡くなった少年王ツタンカーメンが再びこの世に姿を現した。
ここは盗掘の被害にあってなく、無傷のミイラと黄金のマスクが世界の注目を集める。

 

ツタンカーメン王墓の入口発見(1922)

 

 

エジプトの王家の谷にある「ネクロポリス(死者の町)」で、ファラオ(王)の黄金のマスクと数千点の副葬品が発掘された。

このパワーワード満載の出来事に、世界中の人が興奮して「見てみたい!」となったのだが、そのほとんどはカイロの博物館に保管された。
1960年代にエジプト政府が初めて国外での展示を認めると、話題と人気が全集中。
「ぜひ直接見てみたい」という各国の要望に応えて、ツタンカーメン王のマスクと副葬品は最も世界中を移動した芸術作品のひとつとなる。

the 1960s, when they were first exhibited outside of Egypt. Because of these exhibitions, relics from the tomb of Tutankhamun are among the most travelled artifacts in the world.

Exhibitions of artifacts from the tomb of Tutankhamun 

 

日本では1965年に公開された。
東京・京都・福岡で行われた「ツタンカーメン展」の総入場者数は295万人で、日本の美術展史上、最多の入場数を記録する。
ちなみに2位は2012年に行われた「ツタンカーメン展」(約208万人)で、3位は1964年の「ミロのヴィーナス展」(約172万人)。
ツッコまれる前に言っていくと、日本の歴代1位と2位が「ツタンカーメン展」なのだ。
「ツタンカーメンの秘宝」ほど、世界中で展示会が開かれた作品はまずない。

【日本歴代1位】ツタンカーメン王とファラオの呪いって?

 

少年の乗っていたロバがつまづいて水がめが割れて、水が地表に流れ出ると、地下への階段が現れて世紀の大発見につながった。
なんかアニメの第一話のような「できすぎ感」を感じてしまうのだけど、でもエジプトでは、これを「始まりの物語」と信じて誇りに思う人がいる。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。