文政権の韓国で2018年、最高裁判所が徴用工訴訟で、日本企業へ賠償を命じる判決を出して地獄の門が開かれた。
この問題は1965年の日韓請求権協定ですでに解決済みで、国家間の合意を国内法でひっくり返すことは国際法で禁止されている。
そんなことが許されたら、合意なんて無意味になってしまう。
ということで、日本はこの韓国司法の判決に大反発した。
韓国政府や原告側は日本に謝罪や賠償金の支払いを要求し、日本は合意や国際法を理由にそれをダンコ拒否すると、日韓関係は戦後最悪となって墓場行きになりそうになる。
でも、きょねん誕生した尹(ユン)大統領が解決策を発表すると、この問題が一気に動き出す。
韓国企業からお金を集めて、賠償金に相当する額をとりあえず原告側に渡し、日本は歴史問題についての過去の談話を継承することで一応の解決とする。
ただ、これは現金化を避けるための応急処置的な対応で、最終決定ではないから、これからどうなるかはまだ不透明だ。
日本とアメリカは尹大統領の決定を歓迎し、危篤状態だった日韓関係は息を吹き返して、いまは軽くジョギングできるぐらいにまで回復した。
でも韓国では、前政権を担当した野党などの左派勢力が「屈辱的」、「親日・売国的」と尹政権が示した解決案に激怒する。
そんな左派の代表的メディアのハンギョレ新聞は、日韓政府を“敵”とする大学教授のこんな意見を載せた。(2023-03-14)
日本政府は韓国最高裁の判決に対する不当な攻撃をやめるべきだ。韓国政府は最高裁の判決を否定する「解決策」を直ちに撤回すべきだ。
[寄稿]韓日両政府は法治を踏みにじるのをやめよ
問題の始まりは韓国最高裁の判決にある。
その韓国司法の判断はけっこうアイマイで、元慰安婦・徴用工に関する訴訟では、何度も正反対の判決が出て混乱したから、中央日報がこうあきれた。(2021.06.16)
またひっくり返った慰安婦判決…韓国裁判所、今度は「強制執行は適法」
韓国で、日本に関連する司法判断がよく変わる原因はなにか?
よく言われるのは、判断をくだす人間が法より情を優先することで、ジャーナリストの池上彰氏はこう指摘する。
反日教育を受けて育った世代が、いまの裁判所の中枢を占めています。彼らにとっては、法理より情理が大切。反日世論に迎合した判決を出しているのです。
「そうだったのか!朝鮮半島 (集英社) 池上彰」
裁判所が国民感情を優先すれば原告勝訴となり、国際法を重視すると棄却を言い渡す。
でないと、「またひっくり返った韓国裁判所、今度は適法」ということは起こらないだろう。
韓国最高裁による判決には布石があった。
12年に金能煥(キム・ヌンファン)大法官(最高裁判事)が徴用工訴訟での慰謝料賠償は、日韓請求権協定とは関係ないという判決をくだす。
これが18年の日本企業への賠償命令につながった。
でも当時、中央地検のトップだった尹大統領はこれに関する資料や記録を精読したが、キム大法官の判断の根拠はわからなかったという。
その後の展開は中央日報のコラムにある。(2023.03.13)
尹大統領は当時共に審理を担当した別の大法官に「その時どのような法的根拠と論理でこの判決が下されたか」と直接尋ねたという。返ってきた答えは「退任する金能煥先輩の最後の判決なので一度助けた」だった。あきれる過程というほかない。
韓日交渉のバックグラウンド…今からが始まりだ
実は法的根拠なんてなかったのだ。
この大法官(最高裁判事)は10年後が見えなかったのだろうけど、「先輩の最後の判決だから」という超情緒的論理から判断をくだし、結果的に日韓関係は破綻寸前に追い込まれてしまった。
韓国司法が法理より、情理を大切にした判決の一例がコレ。
結果の重大さを考えると、「あきれるほかない」ではすまされない。
そんなデタラメなことから、ゆがんでしまった状態をいま尹大統領が正そうとして、日本もそれに協力しているところ。
国際法の上に情を置く韓国左派が「韓日両政府は法治を踏みにじるのをやめよ」と怒っているなら、日韓は正しい方向へ進んでいることになる。
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