日本人に人気の観葉植物がサボテン。
サボテンは種類が豊富で、トゲがあるモノ/ないモノ、花を咲かせるモノ、丸っこい形をしたモノや細長いモノ、大きさも手のひらサイズから、「でかっ」というモノまであって選択肢がとても広い。
だから、部屋の雰囲気に合ったモノを選ぶことができるし、初心者に育てやすいというのもサボテンさんの大きな魅力。
サボテンは江戸時代のはじめごろ、ヨーロッパ人が持ってきたのだけど、そのころの日本人はあまり興味を示さなかったらしい。
日本でサボテンが観葉植物としてブレークしたのは戦前の1930年ごろで、そのサボテン熱は戦後も続いていまにいたる。
サボテンの生産量は愛知県がトップで、次が岐阜県だから、中部地方の土壌はサボテン好みかも。
サボテンの故郷(原産地)は、メキシコを中心としたアメリカ大陸にある。
暑く乾燥した過酷な環境の砂漠でも育つほど、サボテンはタフな生命力を持っているから、少ない水やりで育てることができる。
日本にいるメキシコ人と遊びに行くと、いろんなところでサボテンを見かけるから自然とその話題になる。
で最初にぶつかった壁は、「サボテン」という言葉が通じなかったこと。
メキシコ人だけじゃなくて、こっちが「サボテン」とか「サボテン」とアクセントを変えて言っても、その場にいたインド人やナイジェリア人も「ナニイッテンノ?」と不思議そうな表情を浮かべる。
彼らは「カクタス(Cactus)」と言う。
サボテンは英語だとカクタスになるんだっけ。するとサボテンはスペイン語?
メキシコ人に聞くとスペイン語でも「Cactus」(カクトス)で、サボテンなんて初耳だと言う。
イクラはロシア語、アルバイトやグミはドイツ語、カッパはポルトガル語、簿記は英語(bookkeeping)みたいに、「サボテン」も意外な国の外来語なんだろうか?
調べてみたら灯台下暗し、これは日本語だったでござる。
1492年にコロンブスがアメリカ大陸へ到達して以来、たくさんのヨーロッパ人がやってくると、彼らは変わった形の植物(サボテン)を見つけてヨーロッパへ持って帰り、それがやがて日本へ伝わった。
ヨーロッパ人がサボテンの茎で汚れを洗い取っていたことから、ポルトガル語の石鹸(シャボン・サボン)が「サボテン」の由来になったという説が有力だ。
「テ」の部分は「手」や、「石鹸のようなもの」を意味する「石鹸体(さぼんてい)」が元ネタになったといわれる。
鮭 (サケ)がシャケ、三味線 (サミセン)がシャミセンになったように、日本語は発音しやすいように変化し、これを「音便」という。
シャボテンがサボテンになったのも、この法則のためらしい。
「伊豆シャボテン動物公園」のように、昔ながらの伝統を守るところもある。
ちなみに英語の「Cactus(カクタス)」は、トゲの多い植物を指す古代ギリシア語の「κάκτος(カクトス)」 という言葉が由来になった。
ということで、サボテンはポルトガル語の「石鹸」に由来する(と思われる)日本語だから、外国人に通じないのはアタリマエ。
これじゃ外来語に違いないと思って、アクセントを変えてたボクがバカみたいじゃないですか。
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