むかしタイへ旅行に行ったら、フランスの文化を知ったって話。
そのときバンコクで、一晩300円ほどのやっすいゲストハウスに泊まったら、日本でフランス語を教えているフランス人と出会う。
簡単な日本語を話せる彼は自己紹介をはじめて、「わたしの名前はエロキチです。ヨロシク」と言って、一瞬固まるボクの顔を楽しそうに見ている。
彼がなんで「エロキチ」なのかというと、フランス人は「h」の発音をしないから。
フランスの有名ブランド Hermèsをヘルメスではなくて、「エルメス」という理由もこれだ。
フランス人は「h」を発音しないから「hopital」(病院)をオピタル、「hotel」をオテルという。(冠詞は無視する)
わが浜松にいたフランス人がこの法則に苦しんでいた。
たとえば相手の日本人がフリーズしているのを見て、自分が浜松を「アママツ」と言ってしまったことに気づく。
そんな彼と話をしていた時、「このまえアコネへ行ってきたんだ」と笑顔で言うのを聞いて、「ああ箱根ね」とわかるまでに5秒ほどかかったことがある。
ネットでは、「人」という日本語を「ッィヒト」と発音するフランス人もいた。
フランスでも人気の『ドラゴンボール』について、「かめはめ波ー!」があちらでは「カメアメアー!」になるという情報も見つけた。
フランス語ではこんな感じに「h」がスキップされるから、フランス人に「Hello Kitty」の文字を見せて発音をお願いすると、「エロキティ」になる。
冒頭のフランス人がある日レッスンでこう言ったところ、生徒に一時停止の魔法をかけてしまい、その後大爆笑がおこった。
それでその場で「エロキチ」のあだ名が爆誕。
もちろん彼もその意味は分かっている。
でも、「間違ってはいない」と思ったし、日本人にすぐに名前を覚えてもらえてキャラも立つ。
それに「h」は発音しないという、フランス語の重要ルールの説明もしやすくなって、総合的にはメリットを感じることのほうが多いから、彼は日本人には「エロキチ」と名乗ることにしている。
漢字表記なら、「えろ吉」にすると縁起がいいといことも教わった。
ただ語感がアレだから、「エロキチさん」と敬意をもって彼を呼ぶ日本人が多いらしい。
*この記事を書くためにネットで調べていたら、「Hello Kitty=エロキティ」は日本にいるフランス人あるあるで、けっこう有名なネタらしい。
では最後にクエスチョン。
フランス人に「はっひふっへほ〜」を言ってもらうと、どうなるか?
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