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男性か女性がはっきりしない、両性の特徴を持って生まれた「インターセックス」という性があることを知ってました?
ベルギーのファッションモデルが、それを公表したことがニュースになっている。
AFPの記事(2017年01月25日)から。
オディールさんはファッション誌ヴォーグ(Vogue)のインタビューで、「生理や出産がどういうものか今後も知ることはない」、「でも、男性器がないから立ったままおしっこすることもない。私はインターセックスだけど、かなり女性寄り。でも出産適齢期に向き合うこともない。適齢期がないから」と語った。
ハンネ・ギャビー・オディール(Hanne Gaby Odiele)のインスタグラムから。
ベルギーとオランダの違いとは何か?
もちろん、いろいろな違いがある。
けど歴史的に見たら、オランダは新教徒(プロテスタント)が多くて、ベルギーは旧教徒(カトリック)が多い国。
前回、オランダがスペインと独立戦争をしたことを書いた。
この独立戦争の最中に、カトリック教徒が多かった南の10州は途中で戦争をやめて、またスペインの支配下に入ってしまった。
これが、現在のベルギーの「原型」になる。
南部諸州はスペインの支配下に留まった。このスペイン領南ネーデルランドが現在のベルギー王国の起源である。
(ウィキペディア)
その後に、もう一度オランダと合体する。
でまた、オランダから独立して今のベルギーが誕生した。
オランダ大使館のホームページから。
短期の内戦の後、南部は1830年に独立州となり、ベルギーと名付けられました。
「オランダ王国(1815- 現在)」
オランダの特徴は、なんといっても寛容の精神と自由ですね。
でも、オランダの寛容って、もともとは「信仰の自由」のことをいった。
オランダでは、自分が信じたい宗教を信仰することができる。
その信仰の自由が守られていた。
その寛容の精神は、スペインとの独立戦争から育まれていったという。
この寛容こそが、オランダの強さや豊かさの理由でもあった。
さらには、いろいろな人を引きつける魅力でもある。
オランダ大使館のホームページから。
この時期、オランダ経済は、世界中で最も成功していました。
オランダ経済の繁栄を支えたのは、低地諸国やフランスからの裕福なプロテスタント移民、ヨーロッパの他の地域からのユダヤ人でした。
彼らにとって、独特な宗教的寛容性を持つ共和国は、非常に魅力的な目的地でした。この時代、多くのヨーロッパ人にとって、王や国教の無い国が存在するだけでなく、栄えるのは驚きでした。
「オランダ連邦共和国(1581-1795)とオランダの黄金時代」
オランダに独特な寛容さは、「宗教(信教)の自由」を手に入れるためにスペインと戦ったという建国精神に由来する。
今の大麻や売春もOKという自由も、このオランダの寛容の精神の延長にある。
だから歴史を見れば、オランダの寛容を象徴するものは「異教徒への寛容さ」のこと。
「ここならプロテスタントでもユダヤ教でも、自分が信じたい信仰をすることができるよ~」と、誰にでも信仰の自由を保障していた。
オランダ政府の関係者としては、オランダの自由と寛容の象徴を「大麻と売春」にしてほしくないと思う。
「信仰の自由を守った国」という部分に、もっともっと注目してもらいたいんじゃないかな?
現在のオランダの自由と寛容は、宗教だけに限ったものではない。
今のオランダの寛容性がわかるのは、いろいろな人種や宗教の人たちを受け入れた「多文化社会」を選んだこと。
オランダ大使館のホームページに、そのことが書いてある。
オランダ政府が多文化社会を選択したことは明らかです。
オランダは、すべての国民に宗教の自由、母国語の使用、固有の文化の維持、機会均等を保証しています。その点で、オランダは、寛容な精神を持ち、円滑に機能する社会の実現を重要な政治的優先課題とする国と言えるでしょう。
「オランダの社会」
「オランダ政府が多文化社会を選択した」ってことは、異なる価値観や考え方も認めますよ、ということになる。
さきほど「大麻と売春が合法」と書いたけど、オランダは「同姓婚と安楽死」も合法であることも有名。
オランダ人は寛容だといわれる。よく知られているのは、麻薬・売春・安楽死・同性婚が合法化していることであろう。オランダ以外でそこまで認められる国はないだろう。合法化とはいうものの本当は前の3つは法律で禁止されている。
「合法化とはいうものの本当は前の3つは法律で禁止されている」という部分が気になる人は、リンク先を見てほしい。
オランダが大麻などのソフトドラッグの使用を認めた背景には、建国の精神でもある寛容さがある。
薬物に対する寛容政策を採るに至った、歴史的背景が指摘されている。
オランダは歴史的に多くの迫害者を受け入れており、また移民を受け入れてきた。それにより、さまざまな文化に対して寛容である。(ウィキペディア)
今のオランダを特徴づけるものの由来や背景を探っていくと、「信仰の自由を認めて多くの人を受けれてきた」という建国の精神につながるものが多くあると思う。
日本には、こんな「建国の精神」なんてないと思う。
オランダやアメリカのように、人工的につくられた国じゃないから。
「誰でもウェルカム」という寛容さが魅力になり、世界中の宗教、人種、民族の人たちがオランダに移り住むようになった。
その結果、今のような多様性ある社会になって、オランダ人もそれを誇りにしている。
というか、していた。
というのは、その寛容さによって、今オランダが苦しんでいるから。
オランダ国内で、外国人への嫌悪や敵意が高まっている。
そんなヘイトを背景に、外国人への差別的な言動も見られるようになっているという。
続きは次回に。
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