1年を24の季節に分けた「二十四節気」によると、いまは芒種(ぼうしゅ)で6月21日から「夏至」が始まる。
だからもう春は終わって、日本は夏に突入している。
そうなると電気料金の値上げもあって、これからの活躍が期待されるのが風鈴さん。
ただ、アメリカ人、ベトナム人、ドイツ人、リトアニア人に聞くと、あの「チリーン」という音を聞いて涼しさを感じるのはボクだけだった。
「とても良い音だね。でもそれだけ。涼しさを感じるなら、アイスクリームを食べたほうがいい」と彼らはこの日本の納涼文化に1ミリも共感しない。
風鈴は日本文化だから、同じ音を聞いても日本人と外国人では感じ方が違うのは仕方ない。
でも、日本人の間でも音の受け止め方はイロイロで、時にはそれがトラブルの原因になる。
最近、あるツイッターユーザーが投稿したビラに注目が集まった。
「近隣住民」を名乗る人物が田んぼの所有者に、カエルの鳴き声がうるさくて苦痛を感じるから、騒音対策をしてくれと紙に書いて訴えた。
まー確かにカエルの大合唱はうるさいが、ウザくはない。
車のクラクションなんかと違ってあれは自然界の音で、芒種のころの風物詩だから、個人的にはまったく気にならない。
といっても感性は人それぞれだから、カエルの声に「苦痛」を感じる人がいれば、その反応に「理解できない」と驚く人もいる。
でも、ニューヨーク出身の知人のアメリカ人のように、静かな夜を嫌がる人はめずらしいと思う。
ニューヨークシティで生まれ育ったそのアメリカ人は、大学を卒業するまでずっと自宅で親と住んでいて、日本で英語を教えるために初めて別の場所で住むことになった。
20代の完璧なニューヨーカーが、浜松市という日本の地方都市へきて何を思ったか?
大通りから離れた閑静な住宅街にあるアパートで暮らし始めると、彼女は夜がくると不安になった。
NYCは眠らない。
夜遅くまで車が通り過ぎる音やクラクション、通りを歩く人の声や音楽が聞こえてきて、彼女は子どものころからそれを聞きながら眠りについていた。
でも、その住宅街は夜8時ごろには暗くなって、音もほとんどしなくなる。
日本へきたらいきなり「音」が消えて、夜は死んだように静かだから、そのニューヨーカーは違和感や不安を感じて、心が落ち着かなかってなかなか眠れなかったという。
ニューヨークの夜なんて映画やアニメで見るものだからピンとこないが、日本の地方都市の住宅街とはまったくの別世界なのは分かる。
カエルの声に怒る人もいれば、静かな夜を嫌がる人もいるのだ。
ただこのアメリカ人は「近隣住民」とは違って、「夜の静けさに悩まされています。とても苦痛です。対応をお願いします」と自治会長に文句を言うことはなかった。
つい先日、ニューヨーク出身で浜松に住んでいる別のアメリカ人と会ったから、彼の意見も聞いてみた。
まずそのとき一緒にいたイギリス人は、
「自分はイギリスの田舎の出身で、夜は浜松みたいに静かだったから、音がしなくてもまったく気にならない。そのアメリカ人とは感じ方が違う」
と言うと、アメリカ人のほうは、
「その人の気持ちは分かる。NYCの環境に慣れると、まったく音がしなくなるという状態はなんか不安で落ち着かない。ボクはもう日本のいまの環境に慣れたから、何も思わないけどね」
と話す。
このアメリカ人は東京に住んでいたことがあって、その時も深夜まで何かしらの音が聞こえてきたから、NYCとあまり変わらなかったという。
彼の感覚だとノイズ(音)でも、ホワイトノイズなら気にならない。
*周波数によってノイズはホワイトノイズ、ピンクノイズ、ブラウンノイズといくつかの種類に分かれている。たとえば「シャー」と聞こえる音がホワイトノイズで、「ザー」ならピンクノイズらしい。
でも2人にとって、深夜まで音が聞こえる環境や無音状態よりも違和感を感じたのは、カエルの鳴き声に苦痛を感じるという日本人だった。
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