つい先日、国会で成立した「LGBT理解増進法案」。
その内容について、これでは性的少数者への差別や偏見を無くすことはできない! と怒ったのが朝日新聞だ。(2023年6月14日)
LGBT法案 だれを守る法なのか
そしてまったく別の理由から、この法案に批判的なのが日本にいるイスラム教徒の人たち。
ASEANPORTAL(2023/06/16)
日本国内のイスラム教徒はLGBT理解増進法案に困惑、家庭の協力を得られるか不明
日本にいるイスラム教徒にはインドネシア人(約83000人)、バングラデシュ人(約21000人)、パキスタン人(21000人)、マレーシア人(11000人)と東南アジアからきた人が多い。
ムスリム(イスラム教徒)とは、唯一神・アッラーに絶対服従する者という意味だから、世界のどこにいても信者はイスラムの教えを守らないといけない。
そしてイスラム教では、一般的にはLGBTの存在は認められていない。
となると、学校で子供がその理解を深める授業を受けることは、教義に反する考え方を教わることになるだろうから、親としては不安だし困ったことになる。
それで今回の法案成立について国内のイスラム教徒からは、
「正直に言うとLGBT教育は受けて欲しくありません」
「LGBT教育の授業が行われる場合には、私の子どもは不参加にするようにして欲しい」
といった声があがっているという。
なんでイスラム教では、LGBTの人たちが”タブー”なのか?
知り合いのトルコ人、バングラデシュ人、インドネシア人のイスラム教徒に聞くと、同性愛は宗教的にはアッラーの望まない行為だから”罪”になるし、人間は神によって男と女につくられていて、人がアッラーの意思に反することはできないからだとか。
前者については同性愛の快楽におちいったソドムとゴモラの住民が、神の怒りによって焼き滅ぼされたという話がクルアーン(英語読みでコーラン)にある。
カトリックもこの理由から、同性愛者には厳しい目を向ける。
サウジアラビアやイランなど中東の国のほか、東南アジアではブルネイではイスラム法(シャリーア)によって、同性愛者が死刑される可能性がある。(イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害)
でも、欧米を中心に性の多様性を認める動きは進んでいる。
そんな流れから、バングラデシュでは性的少数者についての記述のある教科書が採用された。が、すぐに批判が殺到して学校での使用はできなくなった。
少数の意見を排除しない多様性の観点からすると、LGBTやイスラム教徒の人たちの価値観や権利は守られないといけない。
でも、それは誰がどうやって?
いろんな立場や考え方が尊重される多様性の社会では、こういうぶつかり合いがよく起こるのだ。
【同性婚は祝福できない】カトリックはLGBTQをどう考える?
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