日本・アメリカで「レディース&ジェントルメン」廃止

 

2020年の先進国でこんな認識をしている公人がいてビックリ。
せんげつ9月25日に東京・足立区の議会で、78歳の議員が少子高齢化の対応についてこう発言した。

「レズビアンとゲイが足立区に広がってしまったら、足立区民がいなくなってしまう」

「L(レズビアン)やG(ゲイ)が法律で守られているじゃないかという話になったら足立区は滅んでしまう」

日の当たる縁側で昆布茶でも飲んでいればよかったのに、この時代に議会で議員がこんなことを言ったら、「差別発言だ!」という批判が殺到するのは当たり前。
一部ネットでは「足立区が滅ぶ」がパワーワードになったようだけど。

 

女性同性愛者(Lesbian)、男女問わず同性愛者(Gay)、両性愛者(Bisexual)、体と心の性が一致しない人(Transgender)を組み合わせた表現がLGBT。
けっこう複雑な概念だから、くわしいことはここを見てくれ。

「LGBT」あるいは「LGBTQ」に類似した用語に「性的マイノリティ」あるいは「性的少数者」がある。これらはLGBT の同義語であるとされる場合があり、LGBT より定義範囲の広い用語であるともされる。

LGBT

 

「レズビアンとゲイが広がったら区が滅ぶ」なんて発言は、いまの時代をまるで理解していない証拠。

さいきん世界的に男女の性を指定するような言葉をやめて、ジェンダーニュートラル(これまでの性差にとらわれない考え方)な用語に置き換える動きが活発だ。
例えばJALは10月1日から、「レディース・アンド・ジェントルメン」という英語のアナウンスを廃止すると発表して話題となった。

イギリスBBCの記事(2020年9月29日)

日本航空、「レディース&ジェントルメン」のアナウンス廃止へ

代わりに、「アテンション・オール・パッセンジャーズ」(乗客のみなさんにお知らせいたします)といった表現になるらしい。
20年ぐらい前は「スチュワーデス」とか「スッチー」とか呼んでいたのが、いつ間にか「CA(キャビンアテンダント)」に代わった思ったら、今度はレディースとジェントルメンが消えた。

まぁ個人的にそれで不都合はないし、ネットの反応を見ても、みんなおおむねどうでもいい。

・LGBT以前に今どき上流だけが乗るものでもないし紳士淑女の皆様じゃなくて乗客の皆様でよろしいわな
・やあやあ遠からん者は音に聞け
近くば寄って目にも見よ
・むしろこれを機に男性名詞と女性名詞とか消えてくれると
勉強しやすくて助かる
・亜人や宇宙人にも対応したか素晴らしいな
エウロパからのお客さんもニッコリやで
・めんどくせえ
・地球人のみなさん
・ハローマイフレンドでいいじゃん

 

この動きはすでに海外ではあった。
ジェンダーニュートラルの“先進国”アメリカでは2017年に、同性愛や性同一性障害などの人たちに配慮して、ニューヨークの地下鉄やバスで乗務員がアナウンスの際に呼びかける「レディース・アンド・ジェントルメン」を禁止した。
乗務員は「Everyone」や「Passengers」と呼びかけているらしい。

 

ジェンダーニュートラルのトイレ表示

 

こうしたジェンダーニュートラルな表現への置き換えは日本でも前からあって、学校では「~くん」「~ちゃん」を廃止して「~さん」に統一しているところも多い。
いまどき「父兄」なんて言葉を使う学校はないだろう。

参考までに札幌市が公開した「表現ガイドライン」を見ると、「避けたい表現」に主人・ダンナ/奥さん・家内があって、「望ましい表現」が夫・妻・配偶者・パートナーとなっている。
他にも、嫁は「息子の妻」、嫁ぐは「結婚する」、舅(しゅうと)や姑(しゅうとめ)は「妻・夫の父」「妻・夫の母」が望ましい表現とされている。

これはひとつの目安で、状況や相手によって使い分けたらいいけど、性差を表す表現については慎重で敏感になったほうがいい。
時代の動きに鈍感すぎると、社会的に自分が葬り去られるかもしれない。

 

 

こちらもどうぞ。

宗教 「目次」

アメリカ 「目次」

日本のポリコレ②「お母さん」が”差別用語”になる時代

外国人「独とか蒙古って漢字は差別だろ?」、日本人「えっ?」

英会話を学ぼう㊿英語テーマ:ヴォーグでの日本人への人種差別

メリークリスマスが言えないアメリカ。多文化社会という特徴。

 

3 件のコメント

  • >札幌市が公開した「表現ガイドライン」を見ると、「避けたい表現」に主人・ダンナ/奥さん・家内があって、「望ましい表現」が夫・妻・配偶者・パートナーとなっている。
    > 他にも、嫁は「息子の妻」、嫁ぐは「結婚する」、舅(しゅうと)や姑(しゅうとめ)は「妻・夫の父」「妻・夫の母」が望ましい表現とされている。

    「『主人』は嫌だ、私は奴隷じゃない」と(日本語能力の不十分な)女性が言うのは、まあ、分からんでもないですが・・・。「嫁」「嫁ぐ」「舅」「姑」が望ましくない、「妻・夫」が望ましいって、どういう意味ですかね? まったく理解不能だなぁ。
    そのように的外れな「表現ガイドライン」を制定した札幌市の役人こそ、何か変な差別意識に捕らわれているとしか思えませんね。それらの語がどういう意味であると認識して使っているのでしょうか???

  • この記事、もう一つ異議申し立てです。
    「アテンション・オール・パッセンジャーズ」は、「乗客のみなさんにお知らせいたします」という感じではないですね。「乗客全員に告ぐ、傾聴せよ」という、乗務員側の権力に基づいた軍隊的な注意喚起かと。
    正しくは、「アテンション・プリーズ・オール・パッセンジャーズ」ではないですか?

  • 引用先のイギリスBBCの記事を確認しましたが、「アテンション・オール・パッセンジャーズ」で正しいです。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。