日本人と中国人の見分け方、タイ人ガイドは知っている日本人と中国人の見分け方、タイ人ガイドは知っている

ちょっと前に梅雨に突入した日本で、眼科医が発した”警告”がネットでちょっとした注目を浴びた。
地面と平行になるように傘を横に持って歩く大人がたまにいて、それだと子供なら目の高さになり、大人でも階段にいたら目に当たるだろうとツイートし、その持ち方はやめるよう眼科医が訴えた。
この意見にネットの反応は？

・他人のこと考えられない持ち方だよな
人格もやばそう
・牙突は危険だからヤメレ。
・距離をとれない社会構造にすべての問題がある
・昔からこれいるけど頭悪過ぎだろ

ボクも駅の構内で傘を横にして持って、先っぽの鉄の部分を大きく降って歩くスーツを来た人間を見てあ然としたことがある。
いまでもこういう、歩くド迷惑は全国的にいるようだ。
一般の日本人なら周囲の安全を考えて傘は縦にして持つか、ベルセルクのガッツみたいに背中に付けるか、一本盗まれた時のことを考えて、SAOのキリトみたいに背中に２本装備するはずだ。しらんけど。
こんな「傘と配慮」の話を聞いて、タイで現地ガイドから聞いた日本人と中国人の見分け方を思い出した。

クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー…と、世界でもっとも長かったタイの首都を外国人はバンコクと呼ぶ。
そのバンコクには、ワットプラケオという国内最高の格式を誇る王室寺院がある。
このお寺に安置されているエメラルド仏が王室を守護しているから、日本での位置付けでいうなら伊勢神宮か。
ここはバンコク観光で必ず行くような超目玉スポットだから、いつもたくさんの外国人観光客であふれている。
15年ほど前に日本語ガイドとここへ行った時も人の洪水で、南国の強烈な太陽が照りつけるなか、一瞬あきらめようかと思ったけど思い直して、入場チケットを買うために長い行列の最後尾に立つ。
暑すぎて、立ってるだけでダメージを受けてヒットポイントが減っていく。
そんななかでタイ人ガイドと話をしていると、何やら言い争いが聞こえてくる。
ガイドに聞くと、横入りをしようとした人がいたから、されそうになったタイ人が怒っているという。
注意された人間は何も言わずに消えたから、周囲の注目もなくなって、みんなまた日干し魚のような目になって順番を待つ。

横入りをしようとしたのは、黒い髪と目をした東洋人のカップルだ。
あれは日本人ではないな、きっと…と直感的に思ったけど、先入観でうかつなことを言ってはいけないと、ガイドは１ミリも思ってなくて「あれは中国人ですね」と断言する。
その根拠を聞くと、

「ここにはもう100回以上も来たことがあって、あんな光景は何度も見ました。ああいうマナー違反をする東洋人はいつも中国人観光客です。日本人ならやりませんよ。日本人の礼儀正しさはタイで有名ですし、わたしはよく知っていますから」

とのこと。
そんな自身の経験に裏打ちされた分析を披露したガイドは、日本人と中国人を見分ける方法は他にもあるという。
その基準は日傘だ。
ガイドいわく、太陽光から肌を守るために傘をさして、まわりの人がまったく見えていないのは間違いなく中国人観光客。
日本人ならワットプラケオの敷地に入ると、何も言われなくてもみんな日傘をたたむのはこれまでのツアーで何度も見てきたから、傘をさしたまま寺のなかを歩き回る人間が日本人とはガイドには思えない。
ただ中国人の場合、悪意はなく本当に気がつかないだけで、注意すると半数以上の人は怒らないで傘をたたむらしい。
残りの４割ほどの人は、どこまでも自分を大切にする人たちだ。

日本人と中国人に対するこんなステレオタイプはタイ人の間で一般的にある。
2017年にタイのビーチで、全裸になって大騒ぎをしていた日本人の集団が大ヒンシュクを買った。
この蛮族を見てはじめタイ人は中国人と思ったら、その後で日本人と知ってビックリしたという。

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個別で見たら、マナーの悪い日本人なんていくらでもいる。

ワットプラケオでは、自分の美白を守ることに全集中している東洋人は確かにたくさんいた。

傘を横にして平気で街中を歩く日本人がいるように、日本人離れした日本人はたまにいる。
タイを旅行中、日系の旅行会社が主催する水上マーケットツアーに参加した時にもそんなヤカラがいた。
現地の人たちがボートを漕いでやってきて、いろんな品を売り買いする大きな水上マーケットの中を、観光客を乗せたボートがゆっくり進むツアーで、先頭の一番いい場所に座った日本人女性が堂々と日傘をさしやがる。
後ろの数十人はそれに邪魔されて、風景を楽しむことができない。
乗客の怒気は見て見ぬふりで、大事なお肌を守りながら見学を楽しむ女性に、たまりかねた人が「すみませーん。いい加減、傘をたたんでくれますか？」と声をかけた。
その怒りを含んだ声は明らかに女性に届いたはず。
なのに、しばらく無反応だった女性がやっと日傘をたたんだかと思ったら、こんなふうに小さくしただけで、自分の顔だけは日差しから死守しようとする。

後ろにいる人間からするとこれはかなり目立つ。

例外もいるけれど、タイ人ガイドによる日本人と中国人の区別法はおおむね合ってると思う。
ただ、この情報は15年ほど前に聞いたもので古い。
中国人観光客のマナーの悪さは中国でも問題になって、政府が主導して積極的な意識改革を行ったから、知り合いの中国人が言うにはここ10年でかなり改善された。
どのぐらい良くなったかは、ワットプラケオへ行けば分かる。

おまけ

バンコクの風景