外国人が称賛した日本人。いまはマナー違反に旅館が悲鳴

「世界最古の害虫」といわれ、キリスト教の聖書やイスラーム教のコーランにも登場する恐怖の昆虫・サバクトビバッタ。
体の大きさは５～７㎝と小さいけれど、空を覆いつくほどの大群で移動するこのバッタは、１平方キロ（約4千万匹）の群れなら１日で約３万5千人分の食糧を食べてしまう。

ことしこのサバクトビバッタが異常繁殖して、アフリカ、中東、アジアの20カ国以上で農作物を食い荒らした。
ケニアでは東京都より広い2400平方キロという、わけのわからないレベルのバッタの群れが確認されたというから恐ろしい。
数千億匹のバッタ群れが各国の食料を食べつくし、いま深刻な食糧難や生活困窮者の急増をもたらしていると朝日新聞の記事にある。（2020年9月5日）

バッタ大発生20カ国以上に　コロナが追い打ち食糧難も

バッタの群れが農作物を食べ尽くす被害は地球上で起きていて、これを蝗害（こうがい）という。

さて、上の人物は16世紀の日本へやって来て、キリスト教を広めた宣教師のフランシスコ・ザビエル。
ザビエルは当時の日本人を見てこう思った。

「私がこれまで会った国民の中で、キリスト教徒にしろ異教徒にしろ、日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありません。」

また、明治時代に来日したアメリカ人のモースはこんな感想を残している。

「驚くことには、また残念ながら、自分の国で人道の名に於いて道徳的重荷になっている善徳や品性を、日本人は生まれながらにしてもっているらしいことである。」

そう。
日本人は生まれながらにして、善徳や品性を持っているから盗みを嫌うのだ。

そんな日本人さんに残念がお知らせがある。

文春オンラインの記事（2020/12/29）

インバウンドのお客様が来て下さった時でも、これほどひどかったことはありませんでした。日本のお客様の方がマナーは悪いです。

シャンプーはボトルごと、冷蔵庫の中身は飲み逃げ…Go To以後の旅館で“マナー崩壊”が起きている

Go Toトラベルを利用して、ふだんなら選択肢に入らないような高級ホテルや旅館に泊まる人がいま増えている。
結果、あちこちの高級旅館が悲鳴を上げているという。
上の記事で「お客様のマナーの悪さに心を痛めております」と話す女将の話はこうだ。

・大浴場に置いてあるシャンプー、リンス、ボディーソープは大きなボトルごとなくなる。
・お風呂上がりに飲むミネラルウォーターが急激に減っていく。客がペットボトルか何かに入れて持って帰っているのでは？
・バスタオルとバスローブもすぐに消えてしまい、補充が追いつかない。
・客室にあるコーヒーセットのスプーン、アクセサリーを入れる小箱、化粧水、乳液、洗顔料、男性用ヘアトニック、リキッド、髭剃り後の化粧水などがすべて持っていかれる。冷蔵庫の飲み物は申告しないで飲み逃げ。
・ロビーに置いてあった高価な写真集は姿を消した。
クリスマス用に館内のあちこち飾ってあったサンタと陶器のツリー、それに折り鶴も持ち去られた。
・トイレに入れてある匂い袋は籠（かご）ごとなくなる。

こういう客に頭を抱える旅館側は、インバウンドの外国人客よりも日本人客の方がマナーは悪いと言う。

前回、コロナウイルスの隔離対象となったイギリス人200人が、ホテルから「脱走した」という記事を書いたたけど、このマナーというか民度も大概ひどい。

これにネットの反応は？

・そら普段の客層とちゃうからな
対策しとかなあかんで
・数年前、高級ホテルに泊まる機会があったが、箸からグラスから備品から全てが奇麗で欲しくなっちゃうのはわかる。
・金持ち相手の商売を拡大したらろくなヤツがいなかったって話だろ
・日本人の民度なんてこんなもん
・そりゃ正規料金払う気もない連中なんだからある意味当然だろｗｗｗ

でもこれは「Go To」という魔法のおかげで、いつもはワンランク・2ランク下のホテルに泊まっていたのが、今回は高級旅館に手が届いたというだけだろう。
だから税金の補助がなくなれば夢から覚めて、またいつもの分相応の宿泊施設に戻るから、これが日本人全体の“マナー崩壊”というワケでもない。
こういう人たちはコスパ重視で、少ない投資で可能な限り多くのモノを手に入れようとする。ということを考えたとしても、これはヒドイ。
もう「外国人観光客のマナーが～」なんて言っていられないレベルだ。

この記事に出てくる日本人に限って言えば、「日本人ほど盗みを嫌う者に会った覚えはありません」、「善徳や品性を日本人は生まれながらにしてもっている」という外国人の感想より、すべてを奪って去っていく「蝗害」のほうが当てはまる。