【男女平等】日本は世界的に遅れているが、先進的でもある

残念ながら、これがいまの日本だ。

朝日新聞（2023年6月21日）

男女平等、日本は世界125位で過去最低　ジェンダーギャップ報告書

世界経済フォーラム（WEF）が世界各国の男女格差の状況をランキングで表した「ジェンダーギャップ報告書」（2023年版）によると、日本は146カ国のうち125位と最下層に近いゾーンにいる。
2006年にこの報告が始まって以来、今回が過去サイテーだ。
上位国をみると１位がアイスランド、２位はノルウェー、３位フィンランド、４位ニュージーランド、５位スウェーデンと北欧諸国で男女平等の実現率が高いことが分かる。
この「ジェンダーギャップ報告書」は教育・健康・政治・経済の４つの分野で男女の差を分析したもので、日本は教育と健康なら世界ランク１位のアイスランドと変わらない。が、経済では世界平均のやや下で、政治が両足を引っ張って125位という不名誉な地位をゲット。
世界的に見て、日本では女性の国会議員や閣僚、企業の役員や管理職が少ないということだ。

くわしいデータは内閣府のHPにある。

GGI　ジェンダー・ギャップ指数

ネットの反応を見るとこの結果には不満な人が多そう。

・この分析の基準、何が平等な状態かの指標は当然、彼らの思想・価値観に基づいて決められる
・稼ぎを全部妻に渡して雀の涙みたいな小遣いを夫が貰う国があるんだってな
・北の楽園に移り住もうって人間は出てこないのかよ
・日本以外に・・・
レディースデーが当たり前の国があるの？
・女性の22時以降の残業解禁＞退社ラッシュ
という現実

でも、喜んでほしい。
男女平等の達成率でみると、日本は世界的な先進国だった。
国連開発計画（UNDP）が発表したジェンダー不平等指数によると、日本は191か国のうち22位だ。（2022年９月）
これは女性の健康、教育水準、ジェンダー・エンパワーメント指数（政治・経済面での参加や活躍、意思決定に参加できるかどうかを示す指数）などを評価項目にした指数で日本は世界の上位10％圏内にいる。

ということで、この手の記事を読むときは注意を要する。
まず結論を先に決めておいて、それを裏付ける根拠を探して貼っておけばOKだから何とでもなる。
世界における男女平等で「日本スゲー」の記事を書きたかったら、191カ国中22位でした！というソースを、「日本ヒデー」の記事なら、146カ国中125位でしたというソースを持ってくればいい。
それがねつ造だったり、信頼性のない出どころだったりすると問題になるけど、世界経済フォーラムや国連開発計画の発表なら大丈夫。
都合の悪い情報は隠し、一部の情報を根拠にして「日本は遅れている！」と決めつけて話を進めたり、読者を誘導したりする記事がけっこうあるのだ。