腹が減ったな~と思って、スーパーで何か適当な食べ物を買って千円を支払う。
そのレシートを見て、これは不幸フラグかと思ってしまった。
「666」という数字はお釣りというより、不幸のお告げでは?
ポーランドでは、この数字の付いたバスを嫌う人が多くいて問題になっていた。
それで抗議の結果、最近になってその数字は変更されることになった。
英BBC(14 June)
End in sight for Poland’s bus route 666 to Hel
まず、ポーランドには「Hel(ヘル)」というリゾート地がある。
そこへ向かうバスのルート番号が「666」だったから、一部の人たちは「悪魔崇拝(Satanism)を広めている」と怒った。
これはごく一部のクレーマーの主張ではなく、無視できないほどの声が集まったらしく、バス会社は最後の6をひっくり返して「669」へ変更すると発表した。
なんでポーランドでは、「666」という数字がそこまで嫌悪されるのかというと、それはキリスト教の世界ではとても不吉な数字とされているから。
新約聖書の『ヨハネの黙示録』にこんな記述がある。
「賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である。」
ポーランド人の知人に聞いたところ、この獣の数字である「666」はキリスト教の敵である悪魔を象徴するもので、禍々しさや不吉のイメージがあるとのこと。
「The number of the beast is 666」
そして彼女によれば、ポーランド国民がもっとも尊敬する人物は、ポーランド人として初めてローマ教皇になったヨハネ・パウロ2世。
ポーランドではカトリック教会の影響がすごく強いから、その頂点にいる教皇には大きな敬意が払われ、その逆の「666」はとても嫌われる。
しかも、リゾート地の「Hel」は「Hell」(地獄)と一文字違いで発音は同じだろう。
そんな理由から、真面目で厳格なカトリック信者の中には、「あのバスは悪魔崇拝を広めている」と怒る人もいたと思われる。
一方、バス会社は「ルート666」を”売り”にしていたらしい。
このリゾート地へは電車を使ったほうが早く到着するのに、面白がってあえてこのバスに乗る観光客もいたという。
このポーランドの出来事で、神戸の一件を思い出した。
神戸新聞(2015/11/26)
病院行きバスのナンバー 「42○○」が物議 三木
医療センターへの直通バスのナンバープレートが「42」で始まっていたから、「病院へ向かうバスが”死に”とか不吉すぎるだろ」といった声が市民の間から上がった。
特に不評だったのが「4269」「4251」「4250」の3台のバス。
それぞれ「死に向く」、「死に来い」、「死にごろ」と読めるという苦情を受けて、これらの番号は変更された。
それでも、42で始まるバスには乗りたくないという声は無くならない。
かといって、バスの番号を変えるための手続きは複雑で費用も掛かるから、市の担当者は「どのくらいの人が不快感を持っているのか調査したい」とかなり苦しそう。
観光地じゃないから、「ジョーク」は通じない。
カトリックの影響が強いポーランドと、多くの国民が無宗教を自認する日本では、国としての特徴は大きく違う。
まったく異なる文化圏でも、人に不吉を感じさせる忌み数字は存在する。
これはもう変わらない人間の本質だ。
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