アメリカ人の話 夏休みの活動・日本で驚いたこと・LGBT法案

 

以前、日本の学校で英語を教えていて、数年前に帰国した後、今は母国に住んでいるアメリカ人の知人がいる。
このまえ彼女と話をしたんで、今回はその内容を紹介しようと思う。

 

ーーこんにちは!
もう6月ですね。

日本では梅雨に入ってジメジメ、ゴキゴキの時期になりました。
アメリカではこの時期、何かありますか?

アメリカでは6月から、学校の夏休みが始まるの。
3か月近くもあるから、日本と比べるとかなり長いよね。
夏休みになると、アメリカの子供たちはよくキャンプに参加する。
数学やプログラミングといった勉強系、美術や演劇といった芸術系、それと水泳、バスケ、空手といったスポーツ系といろいんなキャンプが行われるから、子供の興味と親の予算でどれにするかきめる。
人気のあるサマーキャンプは、有名アーティストのコンサートチケット並みに競争率が高い。

(他にもフェンシング、サバイバル技術、ピアノ、ステンドグラス、陶芸、LEGO、ディベートなど、さまざまなキャンプがある。)

そういえば、日本の学校で働いていたころ、ビックリしたことがあった。
夏休み中に子供たちを対象に、参加型イベントが行われるのはアメリカと同じだけど、「セミを捕まえて食べよう」みたいな活動があったから、あれにはマジで驚いた。
アメリカの子供たちは網とカゴを持って、虫を捕まえる遊びは普通しないし、虫を持って帰ったら親もドン引きしそう。
セミを油で揚げて、パクッと食べるなんてことは想像できない。
アメリカでそんなサマーキャンプを開催しようとしても、人が集まる予感がまるでしない。

でも、日本の子供たちは自由に遊びに行けるからいいよね。
アメリカでは、州の法律によって違うけど、だいたい12歳くらいまでは子供だけで外へ出てはいけないとか、一人で家に留守番をさせてはいけないといったルールがある。
日本は治安がいいから、子供たちの自由度も広がると思う。

 

 

ーー最近、日本にいるアメリカ大使がLGBTに関する法律について、「『差別禁止法』が、いまこの日本に求められている」とツイッターで言いました。
この発言に対して、日本では意見が分かれ、内政干渉だと批判する人もいました。
この騒ぎを知ってますか?

そんな小さな出来事なんて知るわけないww
一般のアメリカ人は日本に関心を持ってないし、日本でLGBTに関する法律ができるかどうかにも興味はない。

ーーあなたは、大使のこの発言についてどう思います?

それによって、アメリカのイメージが良くなったかどうかがポイントよね。
大使はアメリカを代表する人物だから、その発言がたくさんの日本人から支持されたら成功だし、逆なら失敗。
でも、基本的には大使が他国の政治について意見するのは、いいことじゃないと思う。
もし、日本の大使がアメリカの銃規制や中絶問題について、「いまのアメリカには禁止が求められている」なんてコトを言ったら、「内政干渉をするな!」って怒る米国民が多いと思う。

ーー日本では、そもそもアメリカにLGBT差別を禁止する法律がないのに、日本にそれを求めることはおかしいという声もあります。

そうなんだ。
それは知らなかった。
でも、日本の憲法には差別を禁止する内容があったよね?

ーー日本国憲法では「法の下の平等」が定められているから、誰に対しても差別は禁止されています。

当然、性的少数者も含まれるんでしょ?
なら、それでいいと思うけどね。
でも、私はこの話題に関心がないし、日本のことは日本人が決めるべきでしょ。
それに、いまのアメリカは他国のことをアレコレ言ってる場合じゃない。
きょねん最高裁判所が「中絶は女性の権利」という判例を否定したことで、大きな論争が巻き起こっている。
この判断のせいで、10歳の女の子が性的暴行を受けた後、自分の州で中絶手術を受けることができず、別の州へ移動しないといけなかった。
日本なら、女性の中絶権が認められているから、こんなひどいことは絶対に起きないでしょ。

*ちなみに、読売新聞が「先進7か国(G7)の中で、LGBTに関する法律がないのは日本だけだ、といった主張は事実に反している」と書いている。
事実に反したことを信じている人はけっこう多い気がする。

 

ーーなるほど。
日米では、夏休みの過ごし方も人権についても、それぞれ良いところ/悪いところがありますね。

そうですね。
価値観や伝統が違いますから、「最適解」も別々ですよ。

 

 

アメリカ 「目次」

日本 「目次」

アメリカ人から見ると、「日本の天皇」ってどんな存在?

【病院コワい】アメリカ人から見た、日本社会の良いところ

黒人のアメリカ人女性と伊勢神宮へ!感想とキリスト教との違い

LGBT法案で変わる日本 ペリーが驚いた社会に戻るべき?

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。