日本にいるインド人や台湾人が、恋しく思う故郷の食べ物は?

 

インドにハマった時期があって、10年以上前に、何度かインドを旅行した。
その時、何度も欲しくなったのが日本のスポーツドリンク。
インドで見かけた飲み物はミネラルウォーターやチャイ、コーラなどで、味が「無い」か「濃い」かという極端な選択肢しかない。
スポーツドリンクとしてはゲータレードならあった。
でも、味が甘いから、インドの炎天下であののどごしはあまり良くない。
日本での経験から、暑いインドを汗をかきながら歩いていると、アクエリアスみたいな甘さ控えめの飲み物があれば最高だったのだけど、そんな飲み物と出会うことは一度もなかった。

立場を変えると、日本に住んでいる外国人にも、恋しく思う故郷の食べ物や飲み物があるはずだ。
3年ほど前、日本の企業で働くインド人の男女と台湾人に聞いてみたから、これからその内容を紹介しよう。

 

ドバイの空港で見つけたアラビア語のポカリスエット

 

・インド人女性

20代のインド人女性が日本にいて、恋しく思っていたのはスイーツだった。
まず、彼女はあんこが苦手だから、基本的に和菓子は好きじゃない。
日本のケーキやドーナツ、シュークリームは確かにおいしいけれど、インドのスイーツに比べると甘さが足りず、物足りない。
だから、彼女はたまに、インドの「砂糖たっぷりスイーツ」がたまらなくほしくなるという。

インドには、世界でもっとも甘いと言われるお菓子「グラブジャムン」がある。
インドを旅行して、何度かスイーツを食べたボクの感覚からすると、あの甘さはかなり強烈で、すぐに糖尿病と友達になれそう。
本格的なインドスイーツは、日本人の味覚や価値観には合わない。

インドから世界に広がった激甘スイーツ「グラブジャムン」

 

・インド人男性

30代のインド人男性の場合はファストフードだった。
日本のインド料理店にも、サモサや他のインドスナックはある。
けど、種類が少なくて味もイマイチなのに、値段はインドの10倍ぐらいして、サモサがファストフードになっていないことに彼としては納得がいかない。
来日したころ、インド料理店のメニュー表でサモサを見つけ、インドルピーに換算して言葉を失ったのは今となってはなつかしい思い出だ。
日本人は辛い食べ物が苦手で、インド料理店は高いスパイスをたくさん使いたくない。
この国では、そんな負のウィンウィン関係が成立しているから、せっかく注文しても、味が薄くてガッカリしてしまう。
個人的な知り合いのいるインド料理店では、スパイスの効いたサモサを出してくれるけど、やっぱり彼はファストフードとしての手軽な感覚が恋しい。

サモサは、ジャガイモ、タマネギ、ひき肉などを香辛料で味付けし、小麦粉を水で練ったものに包んで揚げたインドのストリートフード。
日本人にとってはたい焼きのような庶民的な食べ物だから、海外で1500円のたい焼きを見つけた瞬間を想像すれば、彼の感じた驚きが理解できる。

 

・30代の台湾人女性

彼女が日本で恋しく思っていたのはタピオカ・ドリンクだった。
「それなら日本にもたくさんあるじゃん」というツッコミは想定内。
確かにそうなんだけど、やっぱり台湾のタピオカ・ドリンクと味が違うから、飲むと「コレジャナイ」とガッカリすることがよくある。
東京で飲んだものは台湾の味に近くておいしかったけど、値段がとんでもないことになっていた。
日本のタピオカ・ドリンクは基本的に値段が高く、「お手ごろ感」が無い。
台湾では近所のお店で150円ぐらいで飲んでいたのに、日本だと500円以上もするからたまんない。
台湾だったら、「ついでに友達のぶんも」とタピオカ・ミルクティーを2つ、3つ買うこともできたけど、日本ではそんな気持ちになれない。
日本の事情を知らない友達も値段を聞くと驚いて、「お店を開けば大儲けできるじゃん!」とよく言う。
台湾人にとってはタピオカ・ドリンクと気軽さはセットなのに、日本ではまったくそんな感じがしない。
つまり、インド人にとってのサモサと同じで、彼女もファストフードの感覚が恋しいらしい。

ただ、「会えない時間が愛を育てる」という恋愛の法則がこの場合にも当てはまる。
日本ではなかなか手に入らなくて恋しく思っているほど、帰国する楽しみも高まるから、欠乏感もそれほど悪いものじゃない。

 

 

台湾 目次

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インド 「目次」

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。