ドイツ人が新幹線で感じたこと 時間厳守・一等車・サービス

 

友人のドイツ人は日本に住んでいたことがあって、今はドイツで働きながら日本語を学んでいる。
「しゃべって応援」で彼と日本語で話をしていて、日本とドイツの鉄道の違いを知ったから、今回はその内容を紹介しようと思う。

 

ーー先週の日曜日、日本語能力試験を受けるためにハンブルグに行ったんだっけ?
なら、ちゃんとハンバーグを食べた?

ハンブルグへ行って日本語の試験を受けたけど、ハンバーグは食べなかったよww

 

ハンバーグをドイツ語で言うと、ハンブルグになる。
ハンブルグで生まれた肉料理「フリカデレ」がハンバーグの原形になったと言われる。

 

ーーハンブルグには電車で行ったんだ。
遅れなかった?

ドイツの電車だよ?
遅れるのが平常運転で、そんなことはいちいち気にしないから、覚えてないよ。
日本の電車はスゴイよね。
1分単位で正確に運行されるなんて、ドイツじゃあり得ない。
でも、個人的には、目的地へ着くのが15分ぐらい遅れてもいいと思う。
日本人の性格はとても細かくて、電車はそれを象徴しているようだ。

 

ーー日本とドイツの電車にはどんな違いがあると思う?

ハンブルグへ行った時に使ったのは高速鉄道だから、日本でいう新幹線になる。
ボクが日本の新幹線に乗ったときは、「ここは”いちくらす”かな?」って思った。

ーーえっと、「いちくらす」って?

「first class」って日本語でなんて言うの?
え? 「ファーストクラス」でいいんだwww
(彼は”ファースト”だけを日本語にした模様)

ーーただ、新幹線に「ファーストクラス」はないよ。
「グリーン車」がそれにあたる。

そうなの?
それは知らなかった。

*1872(明治5)年に日本で初めて鉄道が開通した際、客車は上等・中等・下等の3等級に分けられていた。
でも、鉄道会社に「下等」呼ばわりされたことで、乗客から不満の声が上がったらしく、1897年に一等・二等・三等へと変わった。
そして、1969(昭和44)年に一等車はグリーン車、二等車は普通車となった。
だから、グリーン車 を英語で「GREEN CAR」ではなく、「First Class(一等車)」と表記する場合もある。(等級

 

なるほど。
でも、なんで「グリーン」なの?

ーーそれまでの一等車の車体に緑色の帯があったからとか、一等車のチケットの色が緑だったから、「グリーン車」になったらしい。

そうか。
ボクは普通車しか乗ったことがないけど、横幅が少し狭かっただけで、前のスペースはあるから足を伸ばすことができて快適だった。

 

ドイツの駅

 

ーーで、君が新幹線に乗った時、なんで”いちくらす”と思った?

ドイツの高速鉄道だと、一等車だけで食事を提供していて、それ以外のクラスではそんなサービスは受けられないから。
日本の新幹線に乗っていると、ワゴンを押した女性が前方に現れて、深々と頭を下げた後に食べ物や飲み物を売りに来たから、「ここはファーストクラスか?」って思ったんだ。
でも、そうじゃなくて、あの女性は新幹線の全車両に行くんだろ?
ドイツの鉄道の一等車で食事をするとかなり高いけど、日本のワゴンサービスにあるものは安くていいね。
それと、ドイツ鉄道の職員は態度がエラそうで、客に怒鳴ることもあるのに、JRの人たちは丁寧に接客するから感動した。

(一等車の名称を廃止するとか、すべての乗客が同じサービスを受けられるとか、日本はドイツ社会より平等が重視されているか、平均化されているかも)

ーー日本には各地で個性的な駅弁があって、それが鉄道の旅の楽しみになっている。
ドイツにもそんなものはある?

ああ、駅弁は種類がたくさんあっていいね。
ドイツの駅にも「KIOSK(キオスク)」はあるけど、売ってる食べ物や飲み物はどこも似たようなものだよ。
ドイツ人は車で旅行することが多いから、あまり鉄道の文化が発達してないんじゃないかな。

キオスクはオスマン(トルコ)帝国の文化で、18世紀ごろにヨーロッパへ広がった。

 

話を聞いていると、彼は鉄道を単なる移動手段と考えていて、「鉄道の旅」みたいな楽しみは期待していないらしい。
だから、日本の鉄道の時間厳守や丁寧なサービスに感動したのか。

 

これは新幹線のワゴンサービスとは次元が違う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。