民進党が安倍首相のこの一言に怒っている。
最近、首相が施政方針演説でこんなことを言った。
「言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない」
そりゃそうだ。
国会で、事前に用意していたプラカードをテレビカメラに向かって一生懸命かかげる姿を見せられても、こっちが白けてしまう。
首相のこの言葉を根に持っていた民進党は、1月24日の参院本会議で「逆襲」にでた。シャーのように。
蓮舫代表が「自民党も同じことをやっていたではないか!」と首相に迫る。
産経新聞の記事(2017.1.24)から。
「衆院におけるわれわれの行動に問題があるという批判は真摯(しんし)に拝聴するが、自民党が野党だったころ、同じようにプラカードを掲げ反対行動をとった」
蓮舫氏は首相を見据えてこう力を込めた
蓮舫代表が言っているのはホント。
自民党が野党だったころは、自民党もプラカードをかかげていた。
高校無償化法案などの採決時にプラカードを掲げ抗議したことは事実で
「国会の中でプラカードを掲げても何も生まれない」と力強く言っていた自分たちが、じつは国会の中でプラカードをかかげていた。
安倍首相は、蓮舫代表からこのことを突きつけられた。
相手を攻撃したら、そのことで相手から反撃されてしまった。
自分が投げたブーメランが自分に戻ってきて、自分がダメージを負ってしまう。
こういうのを「ブーメラン効果」という。
ブーメラン効果(ブーメランこうか)、あるいはブーメラン現象(ブーメランげんしょう)とは、物事の結果がブーメランの飛行軌道のようにその行為をした者に(主に負の)効果をもたらす現象のこと。
また、ブーメランのように、一度離れたはずの出発点に戻ってきてしまう現象のこと。
本来ならばブーメランが手元に戻ってくることは利点であるが、この場合は投げた自分が受け損なったブーメランの打撃を受けてしまうという連想から来ていると思われる。
(ウィキペディア)
自分が言った言葉が、ブーメランのように自分に戻って来たかっこうになる。
安倍首相は、蓮舫代表にどう切り返したか?
「(演説で述べたのは)あくまで一般論であって、民進党のことだとは言っていない。思い当たる節がなければ、ただ聞いていただければいい」
これもその通り。
安倍首相は施政方針演説で「プラカードを掲げても何も生まれない」と言ったけど、「誰が」とは明言していない。
「確かにそう言ったけど、あれはあなたのことではない」と言われた蓮舫代表は、「苦笑を浮かべながら聞き入るほかなかった(同記事)」という状態になってしまったとさ。
安倍首相を攻撃したら、それが自分に戻ってきて恥をかいてしまった。
これも立派なブーメラン効果の例。
民進党は、時どきこんなブーメランを投げる。
でもブーメランの第一人者といえば、やはり大韓民国だろう。
2013年1月9日の朝鮮日報にこんな記事があった。
「14年前にイタリア・ミラノ市と姉妹都市になった」とする大邱市の告示がうそだったことが、8日までに分かった。大邱市によると、ミラノ側が先ごろ姉妹提携を否定してきたという。
もともと大邱(テグ)市はイタリアのミラノ市に憧れていて、お近づきになりたかったらしい。
大邱市はファッションの本場ミラノをベンチマーキング(優良な実例に倣って目標を設定する)するため、80年代末から交流を進めてきた。
それから大邱市は、ミラノ市と10年間交流を続けることになる。
そして大邱市長がミラノを訪れて、ミラノ市長と友好・協力関係の強化をうたった共同宣言文を発表した。
大邱市はこの共同宣言文をもって、「大邱市とミラノ市は姉妹都市になった!」と勘違いしてもうた。
大邱市はお祭り騒ぎ。
大邱市は広報資料でミラノとの姉妹提携を大々的に紹介し、 市の繊維産業構造の高度化に向け99年から6800億ウォン(現在のレートで約556億円)を投じた事業を「ミラノ・プロジェクト」と銘打つなど、 ミラノとの特別な関係をアピールしてきた。
小学4年生の教科書でも、同市との姉妹提携を取り上げていた。
「でも念のため」と思って大邱市がミラノ市に聞いてみた。
「僕たち、姉妹都市ですよね?」と確認聞いてみたところ、ミラノ市から無慈悲な言葉が返って来る。
ところが、昨年8月に大邱市がミラノに姉妹提携についてあらためて確認したところ、ミラノ側から「過去に発表した共同声明は姉妹都市提携を意味するものではない」との返答が返ってきた。
ここで冒頭の記事になる。
14年前にイタリア・ミラノ市と姉妹都市になった」とする大邱市の告示がうそだったことが、8日までに分かった。
でも大邱市はミラノ市と姉妹都市になったと信じ込んでいて、市の広報資料や小学校の教科書にもそのことを書いてしまっている。
その後になってミラノ市から「そんな事実はない」と言われても、もうどうしようもない。
大邱市は、こんな状態になってしまった。
大邱市はその後5カ月にわたり、この事実を公表しなかった。
これも1つのブーメラン効果の例ですね。
自分たちが喜んでしてきたことが、自分たちを苦しめたることになった。
この朝鮮日報が報じたブーメラン効果の内容は、「韓国のOINKの例」としても取り上げられることがある。
「OINK」というのは、欧米人がつくった言葉。
「Only in Korea」の略で、欧米では考えられないようなことや韓国でしか起こりえないような出来事をさして言う。
でも上品な言葉ではない。
「OINK(Only in Korea)」の例でいえば、今の慰安婦像の問題も同じ。
日本と韓国の両政府が合意して解決したことを、「やっぱり見直すべきだ」なんて大統領の候補たちが言っている。
国家が交わした約束を、そう簡単に変えられるわけがない。
国と国の信頼をここまで軽く考えるのもOINK。
*この記事でのリンク切れには注意してください。
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