中国語では正月を「春節(チュンジエ)」という。
春節は正月初一を示す言葉であり、古代においては元旦と称されていた。元とは始まるの意味であり、旦とは日の出を示す象形であることから、元旦は最初に日が昇る一日、すなわち正月を示す言葉となった。
(ウィキペディア)
中国では、実家で春節を迎えようと多くの人が故郷に帰る。
このときには約28億人が移動するというから、すさまじい。
そのため、実家に戻るための列車やバスのチケットがなかなか取れないらしい。
Record chinaの記事(2017年1月28日)に出てくるこのかわいそうな男性も、その中の一人なんだろう。
春節で盛り上がる中国で珍騒動多発!自転車で帰省する男性の泣けてくるミスも―中国
安徽省の高速道路では自転車に乗った男性が発見された。警察が問いただしたところ、男性は黒竜江省に帰省しようと1カ月余り前に山東省を出発したことを説明。
しかし、安徽省は山東省の南、黒竜江省はロシアと国境を接する北部の省。男性は真逆の方向に自転車を走らせていたことになる。警察はお金を持っていなかった男性にバスの切符を買って渡したという。
「自転車で高速道路を走っていた」
「1カ月余り前に出発した」
「反対方向に走っていた」
すべてがアンビリバボー。
中国4千年ってすげえ。
でも一番の驚きは、中国の警察がこの男性にバスの切符を買ってあげたことかも。
大連の建物。
明治時代に日本人がつくったという。
中国人のガイドに春節の話を聞いたら、こんなことを言っていた。
この節という漢字は「季節の変わり目」という意味。
節分の節と同じ。
だから「春節(正月)」とは、「これから春になる」ということだという。
「春節を迎えると『もう一番寒い時は過ぎたな』と感じて、だんだんと暖かくなるんですよ」
と話していた。
この点、日本とは逆だ。
日本の正月は1月1日だから、正月を過ぎると本格的な寒さが始まる。
中国では春節を盛大に祝う。
一年でもっとも人びとが幸せを感じ、国がにぎやかになるときだろう。
Record chinaにこんな記事(2017年2月2日)がある。
1月29 日、中国3大ポータルサイト・騰訊のニュースチャンネル「騰訊新聞」によると、代々、曾氏が住む深セン坪山区・大万世居にて、200年続く、祖先を祀る伝統儀式が行われ、新しい年の平安を願った。
旧正月の2日目、伝説上の霊獣である麒麟が舞い、祖先を祀り、爆竹を鳴らし、色彩豊かなお供え物をする。これが、大万世居に代々伝わる伝統儀式である。この日のために、曾氏の末裔が国内外から数千人帰省した。
2017年の春節の日、友人の中国人はこんなごちそうをFacebookに投稿していた。
カンボジアでも先祖に中国人をもつ人が春節を祝うことがある。
春節の日、カンボジアホテルでは獅子が舞い踊っていた。
でも今年の春節、「せっかくのお祝いムードをぶち壊しやがって!」と中国の人たちを怒らせるできごとがあった。
春節の気分を壊したのは、国連が中国人に送ったメッセージ。
Record chinaの記事(2017年1月29日)から。
「国連のSNSが新年のムードをぶち壊した」中国ネット怒り―中国メディア
2017年1月28日、環球網は記事「旧暦大みそかに国連がつぶやき、中国ネットユーザーの怒りを招く」を掲載した。
28日は中国の旧正月。その前日の旧暦大みそかは家族が集まりごちそうを食べる「年夜飯」という伝統がある。爆竹が鳴るなか、中国版紅白「春晩」を見る。
この「年夜飯」が、さっきの中国人の写真のものかもしれない。
中国では正月に、家族が集まってごちそうを楽しんでいた。
そんなとき国連のアカウントで「微博(中国版ツイッター)」にこんなメッセージが投稿された。
「親愛なる皆さん、年夜飯は食べ終わりましたか?きっとごちそうだったんでしょうね。
ただ知っていますか?全世界では8億人もの人々が飢餓に苦しんでいるんです。また、さらに8億人が貧困で苦しんでいます。国際農業開発基金(IFAD)のカテヨ・ヌワンゼ総裁は緊急アクションの必要性を訴えています。
年2560億ドルを投入しなければ2030年に貧困と飢餓を撲滅するという持続可能な発展目標を達成することはできません」
このメッセージにはこんな写真も添えられていた。
国連が言っていることは正しい。
でも、タイミングが間違っている。
中国では新年を祝っている最中だ。
中国人としては、国連のメッセージでお祝いムードを完全にぶち壊されたかたちになった。
中国人はこんなコメントを書き込んでいる。
「年越し料理と世界の飢餓問題を同列に扱うなんておかしい」
「年越しに合わせてツイートする内容じゃない」
など、批判コメントが殺到。また、「なぜクリスマスではなく、中国の新年に合わせてこれをつぶやいたのか」
「米国人に見せてくれ。(貧困や紛争は)中国が引き起こしたことではない」
など、中国に対する差別だという意見も少なくなかったという。
この国連のメッセージについては、中国の大学教授も苦言を呈(てい)していた。
「貧困に苦しむ人がいることを伝えることは問題ない」と言いつつ、こう続ける。
つぶやいた日時に問題があるとし、特に新年のお祝いの食事と飢餓に苦しむ悲惨な子どもの写真を並べて掲載したことについて「中国人にとっては良い気持ちのするものではない」と指摘した。
また、「この問題を教訓に、今後、国際機関は現地の文化や伝統を十分に考慮してほしい」としている。
これは、まったくそのとおりだと思う。
確かに、世界には貧困で苦しんでいる人がいる。
だからといって、何もお正月に画像や動画をつけてそれを伝えなくてもいい。
人間には世界の貧困問題に目を向ける必要があると同時に、自国の伝統文化を楽しむ権利もあるんだから。
この後、この国連のメッセージは削除された。
そりゃ、そうだろうな。
台湾のお年玉袋
ベトナムのお年玉袋とお金。
アメリカドルがあるところがベトナムらしい。
ベトナムでは、アメリカドルもお金として使っている。
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