アジアで領土を広げた過去の日本を、欧米人はどう思う?

 

歴史に興味のある外国人が集まるネット上のグループ「History for Fun」で、こんな興味深い投稿を発見。

「Territories gained by Japan from 1931 to 1940 in East Asia.」

「1931年から1940年までに、日本が手に入れた東アジアの領土」と題されたこの投稿には、日本がこの期間に朝鮮半島、台湾、満州、中国の一部、そしてフランス領インドシナ(現在のベトナム・ラオス・カンボジア)を“獲得”したという説明と、それを示す地図が付けられていた。
では、この投稿を見た外国人たち(ほとんど欧米人)がどう思ったか、寄せられたコメントを見てみよう。
*文章の最後にある数字は、「いいね」や「大切だね」などの反応の数。

 

・Started before 1931. Japan took Korea in 1910 and Taiwan/Formosa in 1895.(115)
(1931年より前に始まった。日本は1910年に韓国を、1895年に台湾を手に入れた。)

・Taking is easy keeping is a bit trickier.(22)
(取ることは簡単でも、維持するのはちょっと難しいね。)

・Japan was a super power.(56)
(当時、日本は超大国だった。)

・Japan Invaded neighboring Asian countries for raw materials needed for her industrial production. And their motto: Asia for the Asians.(16)
(日本は工業生産に必要な原料を求めて、近隣のアジア諸国を侵略した。そして、彼らのモットーは「アジア人のためのアジア」だった。)

・I think the Chinese consider that the World War II started 8 years earlier than the Europeans.(46)
(中国人は、第二次世界大戦がヨーロッパ人より8年早く始まったと考えていると思う。)

*ここからは日本語訳のみ。

・ありがとうアメリカ。世界を平和に戻してくれて。(8)
・それらは古代からの日本の領土だった!(23)
・大日本帝国の急成長は恐ろしくもあり、魅力的でもあった。
恐ろしいというのは、植民地の人々に対するあつかいだ。
魅力的だったのは、当時、アジアの国々がヨーロッパ人と対等に渡り合うことは不可能に思えたのに、日本にはそれができたこと。(91)

・興味深いことに、日本とタイはアジアで唯一、他国に植民地化されたことのない国だ。(11)
・1997年から2000年の間に、何度か韓国に行ったことがある。韓国人は今でも、日本人に反感を抱いていると聞いた。(11)
・この歴史の何が楽しいんだ?(27)
・この地図は初期のもので、日本の進出のピークは1942年だ。
しかし、その夏のミッドウェー海戦は、太平洋戦争における「ゲティスバーグの戦い」と呼ばれるようなターニングポイントとなった。(28)

・台湾は20世紀に入り、他のアジア諸国や中国に先駆けて発展をとげた。
台湾が植民地だった時代、産業、医療、建築、インフラ、教育が発展したことは事実だ。
・そうそう。台湾と韓国は日本時代に野球を学んだ。

*これは韓国人か韓国系の人物のコメント
・日本は1905年に、ふざけた条約を結んで韓国を侵略した。(7)

*これは台湾人のコメント
・台湾は約50年間、日本の一部だったので、いまでも総統官邸をはじめ、島のあちこちで日本式の建物を見ることができる.(20)
・私の祖父母は、台湾が日本の統治下にあったときに学校で日本語を学び、今でも日本の歌を聴いている。台湾における日本の影響は非常に大きい。(33)

 

ということで今回のまとめ

ボクが見た範囲では、日本の一部にある「アジア解放論」に言及した外国人は1人もいなかった。
どちらかと言えば、「侵略論」を支持する人が多い。
でも、全体的には、日本を支持することも非難する雰囲気もなく、茶化すようなコメントも多かった。
そもそも、1931年〜40年までに日本の領土となった地域に、朝鮮半島と台湾があるという投稿の「お題」からして間違っていて、なんかテキトーな感じがする。
それに、外国人の支持(いいね!)を最も多く得たのはこのコメントだった。

・Now Japan and South Korea belongs to the USA !!(170)
(今や日本と韓国はアメリカのものだ!)

戦前・戦争中の日本なんて、欧米人にとってはしょせんは他人ごと。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。