日本人のソウルフード「おにぎり」。
そのはじまりには諸説あり、最も古いものだと弥生時代の遺跡から、その痕跡が発見されたという話がある。
現代のおにぎりに直接つながる起源として、よく言われるのが平安時代の「屯食」(とんじき)だ。
これは、蒸したもち米を握って作った食べ物らしい。
屯食を食べていた平安時代のご先祖は、まったく想像できなかっただろうけど、おにぎりは国境や宗教の違いを超え、いま世界中の外国人に人気の食べ物になりつつある。
東京都内にあるおにぎり専門店には外国人が並び、成田空港には、外国人観光客をターゲットにお米と海産物にこだわった専門店がオープンしたという。
日テレNEWS(11/30)
「おにぎり」が外国人に人気 成田空港に専門店オープン 海外で独自に“進化”も…
ジャパンでおにぎりを食べた外国人はこんな感想を口にする。
アメリカから来た人「いろんな具材を食べられるから最後の食事にピッタリ」
ポルトガルから来た人「スシの次にオニギリがおいしいと思った」
インドネシアから来た人「TikTokで見て。手軽だし、いいなと思って食べてみたくなりました」
シンガポールから来た人「最高です! やわらかいけど、かみごたえがあります」
上のニュースの中で、フランスでおにぎり店を開いている店長の日本人は、外国人に評判がいいとして、日本米の「クオリティーの高さ」を指摘した。
豊かな四季のほかに、日本に自慢できるものがあってよかったよ。
おにぎりを売る店が、アメリカやフランスに登場することは想定内。
でも、東ヨーロッパのポーランドにもあるとは思わなかった。
知人が首都ワルシャワの街を歩いていたら、おにぎりの店を見つけて、その写真を送ってくれた。
「店名は“アリガタ”か。“アリガトウ”の発音はポーランド人にむずかしいのか?」と思ったら、「ニイガタ」だった。
この店では新潟のお米(コシヒカリ?)を使って、梅干し、鮭、焼き芋、ツナ、納豆のおにぎりを売っているらしい。
最近、日本に住んでいるハンガリー人のカップルと知り合って、好きな日本食をたずねたところ、2人とも「おにぎり」を選んだ。
その理由は2つあって、上の外国人の意見と共通している。
彼らがおにぎりを気に入ったワケは、まずは、なんともいっても日本の米がデリシャスだから。
母国にいたころは、パンを毎日のように食べていて、お米を口にしたことはほとんどなかったらしい。
だから、お米については「うまっ!」とも「マズっ」とも感じた記憶がなく、味がよく分からない。
ハンガリーの食べ物は基本的に肉や野菜にソースで味付けをしていて、パンにもジャムを塗ったりチーズをのせたりする。
でも、日本のお米はそれだけで美味しい。
それに米は腹持ちがよく、コスパも高いと絶賛する。
*彼らは「コスパ」なんて和製英語は使わなかったけど。
それに、アメリカ人も言っていたように、おにぎりはいろんな具材を選べるところも、彼らには魅力的。
ちなみに、ハンガリー人男性にとっての「ベスト・オブ・おにぎり」はおかかで、女性はツナマヨだ。
おにぎりの作り方は簡単だし、アイデアしだいで、いろいろなものを開発することができる。
それで彼らは、ハムやチーズ、卵などを具材にして「マイおにぎり」を作り、それも楽しい日本文化体験になっている。
おにぎりの自由度はすごく高い。
ハムとチーズを一緒に入れたり、ハムとコンブの「和洋折衷」の組み合わせもできる。
アイスクリームみたいに「ダブル」や「トリプル」にしてもいい。
そのハンガリー人は「ふりかけおにぎり」も大好きだから、味のバリエーションは無限大に広がる。
ポーランドにあった「焼き芋おにぎり」は日本人の口に合うかもしれない。
宗教上の理由で、豚肉とアルコールを口にできないイスラム教徒や、魚を含め一切の肉類を食べられないヴィーガンのインド人も、特定の種類を覚えれば、おにぎりを安心して食べることができると喜んでいた。
日本人が弥生時代(か縄文時代)から育ててきたお米のおいしさと、「何でもあり」の具材の豊富さから、おにぎりはいま外国人の人気を集めている。
新幹線の始まり「あじあ号」、明治(満州鉄道)から平成(JR)へ
コメントを残す