360度の全方向、見渡す限りの海に囲まれた島国に住む日本人は、古代からその恵みを受けて生きてきた。
そして日本人には「もったいない精神」がある。
だから日本人は魚や貝などの海の生き物だけではなくて、そこに生えている草まで食べるようになったのでは。
いまでは日本の食文化には欠かせない食材となった海苔(のり)。
2月6日の今日はそれを記念する「海苔の日」だ。
イギリス・ウェールズ地方では、海草を茹でてジャムのようにしたものをパンに塗ったり、揚げたりして食べることがある。(Laverbread)
でも、知人のイギリス人に聞いたら「それは初耳!」と驚いたぐらいだから、海苔を食べる文化は世界的にはマレで、昔から国民的な食材になっているのは日本ぐらいじゃないか?
だから英語版ウィキペデアでは「Nori」という日本語がそまま項目名になっている。
海苔についての最古の記述は8世紀にあるという。
One of the oldest descriptions of nori is dated to around the 8th century. In the Taihō Code enacted in 701, nori was already included in the form of taxation.
いまからちょうど1320年前、702年の2月6日に施行された大宝律令で、海苔が年貢に指定された。これが日本で最も古い記録で、世界最古のニオイもする。
だから今日は「海苔の日」なんだが、近所のスーパーで特売をしてるワケでもなし。
それにしても、大宝律令を英語にすると「タイホウー・コード」になるのか。なるほどナルホド。
大宝律令が出たあと、710年に奈良の平城京へ都が移されて、そこでは海草を売る市場、海草をつくだ煮のように加工したものを売る市場があったという。
こうして海苔は日本人に身近な食材になっていく。
でも21世紀のいまの日本のように、海苔がいつでもどこでも手に入る手軽な食材になったのは、ドゥルーというイギリス人のおかげだ。
どれだけとれるかは運しだい、ということで海苔は昔は「運草」とも呼ばれていた。
ドリューはそんな海苔の養殖で大きな貢献をして、いまでは「海苔養殖の母」と呼ばれている。
ウェールズ地方の食文化がドリューの発見につながったらしい。
いまでは毎年、熊本県にある住吉神社で彼女の功績を称えるため、「ドゥルー祭」が行われている。
こうなるとドリューは「母」を越えて、もはや「海苔の女神さま」。
古来から続く日本の食文化や伝統に外国人の知識や技術が加わって、いまの当たり前の海苔がある。
今日本人が学ぶべき、イギリスの精神「Keep Calm and Carry On 」
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