【日本人とトイレ文化】チベット人には理解不能な行動

 

きのう11月10日は「トイレの日」だった。
「いいトイレ」からこの日が制定されたという日本人らしいダジャレ的発想。
1日遅れだけどこの日に有効期限はないし、今回は日本人とトイレについて書いていこうと思う。
特にトイレットペーパー(紙)でふくという日本のトイレ文化について。
日本人にとって当たり前の行動でも、チベット人にはまったく理解できなかったのだ。
当然、下(シモ)の話題になるけど、その点はご承知おきプリーズ。

さて、日本人が排泄後に、お尻についたう〇ちを紙でふくようになったのは、江戸時代になってからといわれる。
このときの日本には、古紙などをもう一度水に溶かしてつくった(すき返した)紙「浅草紙」があった。
江戸時代、浅草でつくられたことからこう呼ばれる。
これがちり紙やトイレットペーパーとして庶民に広く利用された。

これによって紙でうん〇をふき取る文化が日本に定着して、明治時代には新聞紙も使われるようになる。

現在のトイレットペーパーはもとはアメリカ生まれで、水洗トイレの普及と一緒に日本でも広がったという。
くわしいことはJcastニュースの記事(2019/11/10)をどうぞ。

11月10日は「トイレの日」ですが… 昔のトイレットペーパー事情って、どうだったの?

 

このニュースにネットの声は?

・最近、シングルのトイレットペーパーを長く取って
ふわふわに丸めて使うのにはまってる
・ウォシュレットがないと生きていけない
・紙だけで尻を拭くよりも、インドやASEANで普及しているシャワー式の方が、自分には合ってる。
勿論、紙+シャワートイレの日本は最強だが。
・昔はプロレス会場で紙テープ代わりに投げ込まれてたなw
・トイレットペーパーがきれたら、ホルダーに補充しろよ!
(この場をかりて家族に文句を言わしてもらう)

現代の日本人の生活にトイレットペーパーは不可欠。
もはやこれなしでは生きられない。
でも海外に行くと、国際空港の公衆トイレでさえペーパーがないことがよくあって、している最中にそれに気づくと世界が終わったような気分になる。
街でもらった無料ティッシュを、あのときほどありがたく思うことはない。

それにしても11月10日が誕生日の人は一生、これをネタにされかねない。

 

中国のトイレ

「免費」は「無料」という意味。
海外ではトイレに使用料がかかることが多い。

 

さて下の人物は、1897年(明治30年)にチベットへ潜入した川口慧海(えかい)という日本人。

チベット仏教僧(ラマ)の恰好をしている。

 

熱心な仏教僧だった川口慧海は仏教の経典を求めてチベットに潜り込む。
当時のチベットは鎖国状態にあって、外国人の立ち入りは禁止されていた。
(まあいまも似たようなものだけど)
慧海は日本人としては初めてチベットに入った。

チベット入国にあたって、どのルートから行くかを研究した結果、ネパールからのルートを選択。日本人と分かってはチベット入りに支障をきたす恐れが強いため、中国人と称して行動することにした。

川口慧海

 

慧海は現地でチベット人とのさまざまな風習の違いにとまどう。
たとえば、当時のチベット人はう〇こをしたあとにお尻をふかなかった。
インド人なら紙を使わないけど、水と左手で「付着物」を洗い流す。
でも、チベット人は排泄行為をすませたあとは、一切ノータッチ。付着物はお尻についたままにする。
チベット人は時代を先取りしたスーパー・ナチュラリストだったのだ。

チベット人のいろいろな文化や習慣を尊重し、「何にも喰う物がないから雪を喰いました。」という超サバイバーな川口慧海でもこれだけはマネできない。
中国人のフリをしていた慧海にとって、怪しまれるような行動は厳禁だったけど、彼は日本人でいることは捨てられなかった。
トイレに行くときは、こっそり紙を忍ばせていた。

上は法王より下は羊追いに至るまでみなその通りですから、私のように隠れ場へ紙を持って行くというような事をしますと大変に笑われるのみならず不審を抱かれるです。

「チベット旅行記 (河口 慧海)」

 

法王はチベット仏教の頂点にいる人で、明治の日本人なら天皇のような存在。
そんな人でもナチュラリストだったのだから、一般のチベット人がお尻を紙でふくわけがない。
慧海はそれを「不潔なる奇習」と表現しているけど、当時のチベット人からしたら、日本人の行為こそ「あやしげなる奇習」だ。
価値観は時代や場所によって変わる。
う〇こが汚いなんて、いったい誰がきめたのか。
ウンを天にまかせて何が悪いのか。

ということで11月10日は「トイレの日」でした。
ではまた来年。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。