最近、日本人をイラッとさせる、こんな動画がぷちバズった。
ある行列に人が並んでいると、中国人のおばさんが無理やり割り込もうとする。
日本人の男性がその横入りをとがめると、おばさんは激怒して、男性に大声で中国語でののしったり、手で何度もコヅイたりした。
しかし、日本人男性は「雑魚が」とばかりにガン無視で、一切相手にしない。
見かねた日本人の女性が「やめなさいよ」と言うと、そのおばさんはさらにヒートアップし、「バカヤロウ」「警察行くよ」と日本語で怒り出す。
そんな動画が拡散されると、ネットではこんなネガティブな書き込みが殺到した。
・中国では正直者が馬鹿を見るからな。
・よその国に来るなら、そこの文化を尊重しろよ。オレも中国の文化を尊重して、行かないから。
・日本語話せてこれかぁ…
・これが日常になる近未来
・やめなさいよって言える女の人すてき
日本にいる中国人は、ただ買い物や観光を楽しんだり、普通に生活していたりする人が圧倒的に多いのだろうけど、そういう人は目立たない。
ネットで注目を集めるのはこうしたマナー違反だ。
特に、割り込みや大声で怒る行為は昔からよくあって、これに怒る日本人は無くならない。
以前、SNSにこんな投稿があった。
ある中国人が横入りをしようとして、日本人が注意すると、中国語で「日本語はわからない」と言いやがる。
ならばと、今度は中国語で注意したら、相手はビックリして、にらみながら後ろへ移動していった。
これを見た人は気分がとっても良くなった。
こんなことは例外で、相手が逆ギレして修羅場になる展開はよくある。
こういう残念な出来事を知ると、“あのキャンペーン”を復活させるべきだと思う。
四害駆除運動のポスター
中国の初代国家主席、毛沢東は1950年代に蚊、ネズミ、ハエ、スズメが人々に病気などの害を与えていることを知り、これら4つの生き物を中国から消し去ることを決めた。
それを「四害駆除運動」という。
人民が四害をつぎつぎ駆除していくと、生活はより豊かで快適になっていったから、人々は改めて毛主席の偉大さを実感した。
…となるはずだった。
しかし、実際には、それによって生態系が狂ってしまい、とんでもない事態が発生してしまう。
21世紀になってから、この運動がカタチを変えて復活する。
AFPの記事(2007年3月14日)
<北京五輪>マナー向上作戦、「新四害」撲滅を提起 – 中国
中国の指導者たちは、全世界が注目する北京五輪を絶対に成功させる必要があると考えていた。
もし失敗したら、中国人が命より大事なメンツを失ってしまう。
そこで、北京市当局と共産党指導部は、「非文明的な行為」の具体例として「喫煙、路上へのツバ吐き、列への割り込み、大声でののしる行為」をあげ、これを徹底的に無くすと発表した。
ネズミ、ハエ、蚊、スズメに代わり、この4つが「新四害」に指定され、駆除対象となる。
ちなみに、当時の中国では、ホテルやレストランでタバコを吸うことが一般的だったから、「喫煙」の撲滅がもっとも困難と考えられていたらしい。
結局、このマナー向上作戦がどのていど成功したのかはナゾ。
20年以上前、中国を旅行中に、電車の中で「カー」と言って「ペッ!」とツバを吐く人を見て、地の果てまで引いてしまったことがある。
ネットで日本へ来る中国人の評判を見ていると、さいわいそんな人はいないが、「列への割り込み」と「大声でののしる行為」の2つの迷惑ははまだまだ多い。
この2つの要素を見たら、自動的に中国人を思い浮かべる人も多いと思う。
毛沢東の「四害駆除運動」はむしろその運動が害になったけど、「新四害」撲滅キャンペーンにマイナスの要素は何もない。
中国人のイメージ向上や日中関係の改善のためにも、中国はこれからもこれを全力で続けていくべき。
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