日本人と韓国人が交流するSNSグループがあって、韓国の文化に興味があるという日本人メンバーがこんな質問をした。
日本で人気の「10円パン」は韓国の「10ウォンパン」が元祖で、これが日本に伝わってヒット商品になった。
逆に、日本から韓国へ伝わった有名なものには何があるのか?
その質問に寄せられた回答を見ると、韓国の人たちの見方や考え方が分かる。
・サツマイモ
日本から伝わり、いまの韓国ではだれでも知っているものとして、サツマイモを挙げる人が多かった。
韓国ではこれを「コグマ」と言うから、子熊がサツマイモをかじっている様子を思い浮かべれば、日本人にはとっても覚えやすい。
江戸時代、対馬藩の人たちは何度も食糧難を経験し、困っていた。
そこで、サツマイモは痩せた土地でも育ちやすいことを聞き、薩摩藩からその苗を分けてもらった。
韓国にとって対馬は「日本の玄関」のようなところ。
18世紀に、朝鮮通信使がサツマイモについて知り、「これはいい!」と韓国へ持ち帰ったことから、コグマの歴史がはじまる。
対馬藩の人たちはサツマイモを「孝行芋」と呼んでいて、その韓国語の発音から「コグマ」という名前が生まれた。
現在でも対馬では「孝行イモ」と呼ばれているらしい。
・タバコ
日本伝来のものに、タバコを挙げる人もいた。
その人の話によると、日本語の「タバコ」が韓国で「タンベコ」となり、その後「タンベ」と呼ばれるようになった。
そのことについては宮内庁のホームページに、江戸時代の日本から、タバコやキセルなど喫煙に必要な商品が朝鮮へ伝わったと書かれている。
逆に、日本が輸入していたものは朝鮮人参で、薬として用いられていた。
タバコについて、韓国語版ウィキペディア(담배)の説明を見ると、朝鮮時代の西洋人の記録に、子どもたちが4、5歳になるとタバコを吸っていたという記述がある。
ただし、これはその歳から喫煙の習慣があったわけではなく、当時の朝鮮では、体内の回虫を取り除くために薬としてタバコを使っていたから、西洋人がそれを誤解した可能性があるという。
しかし、回虫の除去を目的として、喫煙していたのは事実のようだ。
・唐辛子
「サツマイモとタバコは日本から韓国へ伝わった」ということについては、みんな納得していたが、ある韓国人メンバーが唐辛子を挙げると、物議をかもした。
これに対しては、「いやいや、それは日本由来ではない」「唐辛子は昔から韓国にあった」「いや、中国から伝わったんだ」といった異論や反論が噴出。
しかし、これは日本から伝わったとみてまず間違いない。
ソウルの宗廟に行ったとき、朝鮮時代に作られていた「白いキムチ」のレプリカがあった。
現地の日本語ガイドがそれについて、唐辛子は16世紀に日本から伝わったから、それ以前のキムチはこのように白かったと説明していた。
だから、もし、それより前の時代劇で赤いキムチが出てきたら、「それは間違いだ!」とテレビ画面にツッコんでくださいと。
日本のウィキペディアでも、唐辛子は朝鮮出兵のときに「武器(目潰しや毒薬)または血流増進作用による凍傷予防薬として日本からの兵(加藤清正)が持ち込んだものである」と断言している。(唐辛子)
ウィキペディアにある日韓の文化についての説明は、多くの人が確認していて、間違いがあればすぐに訂正される。
だから、こう言い切っているものは事実と考えていい。
実際、韓国側の記録『芝峯類説』(1614年)では、唐辛子は倭国(日本)から初めてきたから、「倭芥子(倭辛子)」と呼ばれていたと書かれている。
サツマイモやタバコと違って、キムチは「韓国人のソウルフード」と言っていいほど身近で、重要な食べ物。
キムチは世界遺産ではないが、それを作ってご近所に分ける「キムジャン」の風習は世界無形遺産に登録されていて、それを誇りに感じる韓国人は多い。
だからこそ、その重要な要素は日本に由来するということを、なかなか受け入れられない人も多いらしい。
【キmチ】日本人と韓国人の“文化観”の違い 愛と誇りと正確さ
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