【中国様式】共産党政府が求めるモスクは、きっとこんなの

 

最近、中国の新疆ウイグル自治区で、これからモスク(イスラム礼拝所)を建設したり、改修したりする場合は、必ず「中国様式」にすることが義務化された。
イスラム教の宗教施設では、建物や彫刻、装飾などで中国の特色と風格を表現しなければならないと。
いま共産党政府は「宗教の中国化」を進めているから、きっとこれもその一環だ。

このニュースに日本のネット民の反応は?

・中国様式のモスクってどんなだよ!
・そもそも中国の特色と風格って何?
酔拳とかラストエンペラーみたいな感じ?
・ラーメン丼ぶりのマークでもついてるのか?
・聖地の方角の壁に党指導者の肖像と中国国旗
・イスラムが建築様式を受け入れるなら、中国に急激に広まる可能性あるぞw

 

「中国様式のモスクってどんなだよ!」とツッコみたくなる日本人は多いと思われるので、今回は、「それはきっとこんなやつ」というモデルを紹介しよう。
西安には8世紀に起源をもつイスラム教のモスク「大清真寺」があって、有名な観光名所になっている。
*「清真(せいしん)」はイスラム教を指す。
現在の大清真寺のおもな建物は明時代(1368年〜1644年)のものだから、中国の伝統的な建築スタイルを見ることができるのだ。

 

まず、一般的なモスクを見てみましょう。これはパキスタンにある「バードシャーヒー・モスク」で、無宗教の日本人でも「うん、なんかイスラム風だな」と感じるのではないでしょうか?

でも、まずは、典型的なモスクを確認しておこう。
これはパキスタンにある「バードシャーヒー・モスク」で、モスクを日本人が見ても「うん、なんかイスラム教のモスクっぽい」と感じるのでは?

 

 

モスクの中には、サウジアラビアにある聖地メッカの方向を示す「くぼみ」があって、信者はそこに向かってお祈りをする。
このくぼみを「ミフラーブ」と言って、モスクでは最も神聖で重要な部分になる。
仏教のお寺で言えば、ご本尊の仏像が安置されているところだ。

 

 

これはタイにあるモスクのミフラーブ。

 

大清真寺は聖地メッカの方角に向かって、東西に細長い形をしている。
しかし、入口からして、どう見ても中国の伝統的な建物だで、言われないとここがモスクとは気づかない。

 

 

 

 

 

モスクには、よくミナレットと呼ばれる塔がある。
この塔の上から、周囲にいるイスラム教徒に向かって、「お祈りの時間ですよー、早く来なさーい」と礼拝を呼びかけるアザーンが流されるのだ。
そんなミナレットが、中国様式だとこうなる。

 

中国茶と小籠包を出してくれそう雰囲気。

 

インドネシア人のイスラム教徒は、上の写真のこの部分を見て、「信じられない!」と驚がくした。

 

 

イスラム教では「偶像崇拝」が厳禁されている。
だから、たとえ空想上の生き物でもあっても、モスクにこんな像を飾ることはありえない。
イスラム教の国でモスクにこんな像を付けたら、“犯罪行為”になって警察に捕まるらしい。
パキスタンだったら冗談抜きで、イスラム教に対する侮辱と見なされ、殺されるかも。

 

大清真寺はそんなイスラム教のタブーを破って、中国皇帝を象徴する龍があちこちに刻まれていた。

 

 

 

これは、清の皇帝に感謝の気持ちを表す石碑(たしか)。
現代の中国様式のモスクだと、皇帝の部分が国家主席になるかもしれない。

 

 

アラビア文字でなんか書いてある。

 

 

これが礼拝をおこなう建物で、入口にはアラビア文字の飾りがあって、中にはミフラーブがある。

 

 

漢字とアラビア文字でデザインされた飾り。

 

 

モスクの中とは思えない、中国色120%の部屋。

 

ここまで中国の特色と風格を満載したモスクなら、共産党政府もきっとニッコリ。

 

西安にある兵馬俑

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。