2月22日は「ニャン・ニャン・ニャン」で猫の日だ。
ということで、今回はネコについて書いていこう。
かわいさのあまり、日本では「にゃんこ」や「ぬこ」とも呼ばれるあの動物と日本人との関わりについて。
日本人にとって、猫はとっても身近な動物だから、悲しい事故が起こることもある。
きのうの猫の日、日本自動車連盟(JAF)が旧ツイッターで「ネコ注意報」を出した。
猫を原因とする車のトラブルはけっこう多く、JAFには「車のエンジンルームに猫が入り込んだみたい。ジャフー!!!! はやくきてくれーっ!!!!」といった依頼がよくくる。
猫に気づかず走り出すと、猫がエンジンベルトに巻き込まれて死亡したり、ベルトがちぎれたりすることもある。
猫の霊にとり憑かれるよりは、ベルトを交換したほうがマシ。
2023年に JAFへ寄せられた救助要請の件数は、6月がもっとも多くて、340件以上もあった。
エンジンルームは雨をしのぐにはちょうどいいし、警戒心の強い猫にとって狭い空間は心地よいらしい。
猫をと愛車を守るために有効なのが「猫ばんばん」。
車に乗る前に、ボンネットのエンジンルームのあたりを軽くたたくと、猫が反応することが多い。
もし、何らかの気配を感じたら、ボンネットを開けて確認しよう。
車の中に猫が入り込んだという話は、直接聞いたことがないけれど、ネットを見るとそうした話はけっこうある。
・これでパワステベルト切れたわ
・ゴロゴロ言いながらすり寄ってくるシステム
・これが後の世界を変えるAI CatGPTである
・うち近所では野良猫があまりいない代わりにハクビシンが隠れてることがあるな
・家の駐車場に野良猫がくるから定期的にラベンダーのアロマオイルを撒いてるわ
「猫 BAN」することはできないから、「雨の日の猫ばんばん」をおぼえておこう。
今日は猫の日
猫がエンジンルームに入り込むトラブルで、昨年12月は24件の救援要請がありました猫に気づかずエンジンを始動すると、ベルト類に巻き込まれてしまう場合があります
特に雨の日は猫が動く音や気配に気づきにくいため注意が必要です⚠️▼詳しくはこちらhttps://t.co/PElC8ggUER pic.twitter.com/9OG42hjFlh
— JAF (@jaf_jp) February 22, 2024
さて、日本人はいつ猫と出会ったのか?
平安時代に遣唐使が中国で猫を見つけ、穀物や経典をネズミから守ってくれると知って、「こいつは有能だ!」と船に乗せて帰国し、それから猫が日本に定着した。
と、これまでは思われていたが、弥生時代の遺跡からで猫の骨が見つかったことから、紀元前 2世紀ごろには日本にいたと考えられている。
平安時代には、日本人は猫をペットとしてかわいがっていた。
『源氏物語』には、宮中で小さくてかわいらしい猫(唐猫)がやや大きな猫に追いかけられ、女官たちがパニック状態になる騒動が書かれている。
日本の歴史にはさまざまな天皇がいて、なかには猫好きで有名な天皇もいる。
一条天皇(980年- 1011年)
平安時代には、「産養(うぶやしない)」という宮中行事があった。
赤ちゃんが生まれた夜を初夜といい、その日から3、5、7、9日目の夜に親戚や知り合いが集まってお祝いをする。
貴族の藤原 実資(さねすけ)の日記『小右記』(しょうゆうき)に、本来は人間にする「産養」を、一条天皇が猫を好きすぎて、愛猫のために行ったと書かれている。
この「猫の産養」の儀式には、一条天皇の母や左大臣の藤原道長、右大臣の藤原顕光といった上級貴族たちが参加した。
「ちょっと一条天皇、何やってんの〜」と心の中で笑ったり、あきれたりした人もいたと思われる。
実際、実資は日記に、これは奇怪なことであり、先例もなく、世の人が笑っていると書いている。
ちなみに、歴史の教科書で、藤原道長のこんなエラそうな歌を見たと思う。
「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」
このソースが『小右記』だ。
あるネットサイトで、2023年の猫の名前ランキングを見ると、1位は「ムギ」で、その次に「ソラ」「レオ」「ルナ」「ココ」と続いている。
人気があると、名前とかぶってしまう可能性が高くなる。
そこで、愛猫に「天晴(あせい)」、「笑福(えふ)」、「奏和(そな)」と、かなりレアな名前をつける人もいる。
それもいいのだけど、ほかの猫とは絶対にかぶらない、オンリーワンの名前がある。
それが「命婦の御許(みょうぶのおとど)」。
一条天皇は日本で初めて猫に名前をつけた天皇として知られ、飼い猫(おそらく上の猫)に「命婦の御許」と名付けた。
*「命婦」は従五位下以上の貴族の女性を表し、「御許」とは高貴な女性の敬称。
宮中で天皇と直接会うには、五位以上の身分が必要だったから、天皇はこの猫にその「官職」を授けたと思う。
さらに一条天皇は、「馬の命婦」と呼ばれる官女に、この猫の世話をするように命じた。
すると、清少納言の『枕草子』には、こんな悲劇(喜劇)が起こったと書かれている。
ある日、「命婦の御許」(以下、おとど)が縁側で日に当たって寝ていると、「馬の命婦」がやってきて、そろそろ屋内に入るように声をかけた。
しかし、「おとど」はまだ日差しを感じていたかったようで、それを拒否する。
この態度に怒った「馬の命婦」は、近くにいた犬に「おとどに噛みつけ!」と命令した。
「バウッ(了解)!」と犬が飛びかかると、「おとど」はビックリして慌てて逃げ出し、やっと屋内に入った。
このとき馬の命婦は、「ミッションコンプリート」と思ったかもしれない。
「おとど」は宮中を走り回った後、一条天皇の御簾(みす)の中へ飛び込んだ。
それまでの事情を知った天皇は激怒し、愛猫の「おとど」を脅した犬を打ちすえることを命じ、犬はボッコボコにされた。
「馬の命婦」に対しては、別の人に交代させようと言い出す。
その後、犬は許されたが、「馬の命婦」については分からない。
現代の日本でも、一条天皇のレベルの「ぬこラヴァー」はいる。
日本人は昔から、猫が好きだった。
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