ラッキーアイテム:日本なら招き猫、欧米なら“ウサギの足”

 

ほんじつ9月29日はラッキーな「招き猫の日」。
929を「くる・ふ・く(来る福)」と読んでこの記念日が爆誕。
ところで、あの猫の手には意味があるのをお存じだろうか?
よくお店にある右手を上げている招き猫は金運を招いて、 左手を上げている猫は人脈を招くといわれる。
で、両手を上げた招き猫は金と人の両方をゲットできるとか、それは強欲だから何も手に入れられない(=欲張るな)という意味するとか諸説ある。
招き猫の由来などはこの記事をどーぞ。

日本文化の招き猫・ひこにゃんの由来(中国は関係ないです)

どこの国にもお店やレストランがあって、どのオーナーもお金やお客(人)をほしがっている。
こんな気持ちは人類共通であとは日本の招き猫のように、縁起物はその国の文化によってそれぞれ違っているはず。
そう思って、ドイツ人に商売繁盛のラッキーアイテムがあるかたずねると、

「う~ん。それは無いかな。ドイツは伝統的にキリスト教文化の国だから、神以外のナニかの力を信じたり、祈ったりすることは禁止されていたから」

と、とてもツマラナイことを言いやがる。
でも、「あっ、思い出した!」と言って、彼は「ウサギの足」の話をする。
彼いわく、ウサギの足には不思議な力があると信じられていて、それに留め具を付けてキーホルダーのように持ち運びができるようにして、ラッキーアイテムとしてそれを持っている。
これは金や人だけではなくて、もっと広い範囲で幸運を招くもの。
いまでは本物のウサギの足を使うことはほとんどなく、人工のニセの毛皮を使って作っているらしい。

英語版ウィキペディアの説明を見てみよう。
ラビットフットは幸運をもたらすお守り(amulet)として、ヨーロッパ、中国、アフリカ、北米、南米など世界各地でこれを持ち歩く文化(信仰)があるという。

In some cultures, the foot of a rabbit is carried as an amulet believed to bring good luck. This belief is held by individuals in a great number of places around the world, including Europe, China, Africa, and North and South America.

Rabbit’s foot

 

このラッキーアイテムとしてのウサギには条件がある。
斜視の人が捕獲したウサギ、墓地で銃で撃ったウサギ、十三日の金曜日に捕まえたウサギの左足を切断するなど、国や文化によっていろんな条件がある。

では、なんでウサギの足が幸運の象徴になっているのか?
海外のサイトを調べると、それにはこんな説があった。

・復活祭(イースター)で使われるように、ウサギ(と卵)には生命や復活のシンボルという見方があるから。
・地面に巣穴を作って住んでいるから、ウサギは地下の精霊と交流できる特別な生き物と信じられていたから。
・ウサギは魔女が姿を変えたもので、それを殺すことは魔女を退治したことになるからすごくいいことになる。そしてその記念として、足を切断して持っている。

こんな感じで理由は諸説ある。
でも共通しているのは、このラッキーアイテムはまずウサギを殺し、刃物でその足を切り落とすというかなり残酷な方法で作られるということ。
ウサギにとってはこれ以上ない災難で、魔(人間)除けのアイテムが必要だ。
狩猟民族の欧米人ならそれでいいのだろうけど、農耕民族の日本にはやっぱり招き猫が合っている。

 

 

 

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

日本人とクモ:江戸の遊女に「蜘蛛の巣文様」が人気の理由

外国人の好きな日本文化:縁起物や精霊馬としての「ナス」

反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!

【仙人の話】中国の八仙、日本でガマ仙人が人気の理由は?

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。