知らなかったのだけど、韓国にはこんな伝説があるらしい。
古代、朝鮮半島に新羅があった時代、ある夫婦が海辺で幸せに生活していた。
ある日、夫が座っていた岩がとつぜん動き出し、そのまま海上を高速で移動して倭(日本)にたどり着いた。
その後の展開は、韓国メディア「大邱日報」の記事(コラム?)に書いてある。(2024.05.26)
倭の人々は彼を見ると、「ああ、あなたは普通の人ではありません。どうか私たちの王になってください」と懇願した。彼は切実な願いを受け入れ、倭の王となった。
왜의 사람들이 “오오, 당신은 평범한 분이 아니십니다. 부디 우리의 왕이 되어 주십시오”라며 간청했다. 연오랑은 그들의 간절한 청을 받아들여 왜의 왕이 되었다.
신화속의 역사 13 연오랑 세오녀
この後、妻もやってきて倭の王妃となり、日本に武器の製造技術と絹織物の技術が伝わった。(무기 제조기술과 비단 짜는 기술 전파)。
この時代、新羅は先進的な文化を持っていたから、日本にそれを伝えることは一般的なことだったという。
どこまで有名か分からないけど、韓国にはこんな言い伝えがあるらしい。
王になったというのは置いといて、古代、朝鮮半島にあった国は日本よりも進んでいて、優れた文化をもたらしたという説は韓国では常識になっている。
この「大邱日報」の記事もそれをベースにして、国民の優越感をくすぐる文章になっている。
しかし、これは日本人の感情を反対の意味で刺激するから、ネットでは冷ややかな視線を送る人が多い。
・なおこの記事を実証する発見は無い模様
・広開土王碑の碑文を100っ満開読み直せ。
・新羅と倭国の間には使者の行き来があったけど新羅の方が圧倒的に多く使者を送っている
・また夢の話?
・新羅の4代目国王の昔脱解は日本人 (三国史記 新羅本記)
新羅百済は倭を大国と崇めた (隋書81巻東夷倭国)
百済の王が王子を人質として倭国に送る (三国史記 百済本紀)
新羅は倭国に奈勿王の子未斯欣王子を人質に送る (三国史記 新羅本紀)
倭が391年以来、海を越えて襲来し、百済や新羅を破って服属させた (広開土王碑)
たしかに古代には、倭国(日本)の人たちは朝鮮半島の国々を「上」と考えていたと思う。
しかし、その認識は時代とともに変わっていった。
7世紀末から日本が上位に立とうとしたので、新羅との対立が目立つようになった。
「日本史用語集 (山川出版)」
これは「詳細 日本史研究(山川出版)」の記述。
新羅を従属国として扱おうとする日本との間で時に緊張が生じた
山川出版は高校の日本史や世界史の教科書を作成していて、歴史にはとても強い。
記述は具体的な根拠に裏付けられているから、内容の信頼性は高く、簡単に言えば歴史的事実しか書いてない。
古代の日本人が新羅を「格下」、自国を「上位」と考えていたとは、現代の日本では一般的な認識で、ウィキペディアにも 752年に新羅の王子・金泰廉らが来日し、「日本へ朝貢した」という記述がある。(金泰廉による日本への朝貢)
朝貢したということは、外交的には日本に服属した、つまり「属国」になったということを意味している。
もちろん、この見方は韓国の歴史認識や常識、国民感情に反しているから、「妄言」や「歴史わい曲」と激しく非難される。
日本と韓国にはそれぞれ立場や価値観があって、その違いは途方もなく大きい。
新羅の海辺に住んでいた夫婦が日本に渡って王と王妃になり、武器や絹織物の技術を伝えたという記事を見ると、韓国ではむしろ倭(日本)が新羅の属国だったと考えられているようで、つくづく両国の認識の差は埋められないと感じる。
庶民が異国で王になるというのは、日本なら「異世界転生アニメ」でよくある展開。
ただ、大邱日報の記事は、最近、浦項市がこの伝説をもとにテーマパークを作ったことを紹介している。ここから、大小の船が行き交う美しい海を見ることができ、自信を持って名所としておすすめできるという。
記事で訴えたいのはこっちで、とある夫婦の“成り上がり伝説”はきっと読者の関心を引き出すためのネタだ。
韓国メディアに悪意はないのだろうけど、こういう報道があると韓国では優越感、日本では拒否感が深まり、日韓関係を地味に遠ざけている。
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